皆さんはゲットワイルドが、何のアニメで使われている曲なのか知っていますか?
イントロを聴けば一瞬で分かるくらい有名なのに、ゲットワイルドとアニメの関係を改めて聞かれると、作品名や何話で流れていたのかまでは曖昧だったりします。
検索すると『シティーハンター』、エンディング曲、TM NETWORK、歌詞の意味、何話で流れるのか、神回、劇場版、Get Wild退勤など、意外と気になるポイントが多いんすよ。
しかも少しややこしいのが、テレビアニメの通常エンディングとして使われたケースと、後のシリーズで挿入歌として使われたケース、さらに劇場版で再登場したケースが混ざって語られがちなことです。
Z世代の自分からすると、放送当時をリアルタイムで知らない曲がここまでネット文化に残っている時点でかなり異常なんですが、映像として見返すとその理由がめちゃくちゃ分かります。
単に名曲がアニメに採用されたという話ではなく、本編の終わりとエンディングを一本の映像としてつないだ演出こそが、ゲットワイルドを特別なアニソンにしています。
この記事では、ゲットワイルドが何のアニメ曲なのかという基本から、伝説扱いされるエンディングの入り方まで、映像オタク目線で掘っていきます。
- ゲットワイルドが使われたアニメ
- TM NETWORKと楽曲の基本情報
- 伝説になったエンディング演出
- 神回や劇場版での使われ方
ゲットワイルドのアニメは『シティーハンター』
まず押さえておきたいのは、ゲットワイルドと結びついている作品が、北条司原作の『シティーハンター』だということです。
ただし「『シティーハンター』で使われた曲」という一言だけでは、この曲がここまで語り継がれている理由の半分も説明できません。
曲の基本情報から、アニメのどこで流れるのかまで順番に見ていきます。
何のアニメ?
ゲットワイルドは、1987年に放送が始まったテレビアニメ『シティーハンター』のエンディングテーマです。
主人公は新宿を拠点に活動する凄腕のスイーパー、冴羽獠。
普段はかなりふざけた男なのに、依頼人が危険にさらされた瞬間には別人のような顔を見せる、その落差が作品の大きな魅力になっています。
ここがゲットワイルドとの相性を考えるうえでめちゃくちゃ重要なんすよ。
『シティーハンター』はコメディ、銃撃アクション、恋愛、ハードボイルドが同じエピソードの中で頻繁に入れ替わります。
普通ならトーンがバラバラになりそうですが、物語の最後にゲットワイルドが入ることで、それまでのおふざけまで含めて「冴羽獠の物語だった」と着地するんです。
ゲットワイルドは『シティーハンター』という作品の印象そのものを決定づけたエンディング曲の一つです。
僕はここが、後年の単なるアニメタイアップ曲と少し違うところだと思っています。
曲を映像の外側に置くのではなく、作品世界の温度を最後に決める装置として使っているんですね。
ゲットワイルドだけを知っている人は、一度エンディングまで含めた状態で『シティーハンター』を見ると印象がかなり変わるはずです。
エンディング曲
ゲットワイルドは初代テレビアニメ『シティーハンター』で使われたエンディングテーマです。
基本情報を簡単にまとめると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 楽曲名 | Get Wild |
| アーティスト | TM NETWORK |
| 作詞 | 小室みつ子 |
| 作曲 | 小室哲哉 |
| 発売 | 1987年4月8日 |
| アニメ | 『シティーハンター』 |
| 用途 | テレビシリーズ第1作のED |
ただ、この曲について「エンディング曲です」で終わらせると、一番面白いところを落としてしまいます。
一般的なアニメでは、本編が終了して一度画面の空気が切れ、それからスタッフクレジットとエンディング曲が始まります。
ところが『シティーハンター』では、本編がまだ終わり切っていない段階からゲットワイルドのイントロが侵入してくるんです。
この数秒がめちゃくちゃ大事。
視聴者は「物語が終わったから曲を聴く」のではなく、「物語が終わっていく時間そのものを曲と一緒に体験する」ことになります。
映画で言えば、ラストカットにエンドクレジットの楽曲を先行してかぶせるような発想ですね。
今では珍しくない手法に見えるかもしれませんが、ゲットワイルドの場合は曲の認知度が上がりすぎた結果、この入り方まで一つの様式として記憶されました。
TM NETWORK
ゲットワイルドを歌っているのは、小室哲哉、宇都宮隆、木根尚登によるTM NETWORKです。
ボーカルの宇都宮隆、キーボードを中心に楽曲制作を担う小室哲哉、ギターの木根尚登という三人の個性が合わさったユニットで、1980年代以降の日本のポップミュージックに大きな足跡を残しています。
ゲットワイルドで面白いのが、ハードボイルド作品の曲なのに、音そのものを必要以上に荒々しくしていないことです。
むしろ電子的で都会的。
夜の高速道路やネオン、新宿のビル群みたいな映像が頭の中に浮かぶ設計になっています。
『シティーハンター』の舞台である大都市と、この無機質な電子音がものすごく噛み合うんすよ。
制作時にはアニメ側から「疾走感」が一つのイメージとして求められていたとされます。
通常なら疾走感を出そうとしてドラムを派手に鳴らしたくなるところですが、ゲットワイルドはむしろ音数の配置に余白があります。
特にリズムの作り方が過剰に時代へ寄りかからないため、数十年後に聴いても「完全に昔の曲」という箱へ閉じ込められにくい。
2023年には、オリジナル盤の発売日である4月8日が「Get Wildの日」として記念日認定されています。
Z世代の僕が聴いても、もちろん80年代らしい音色は感じます。
でも、それが古臭さというより「この時代にしか出せない質感」として聴こえるんですよね。
流行を追いかけた曲ほど時代が変わると急に古びますが、作品世界と音の設計が結びついた曲は逆に年月が味になります。
歌詞と意味
ゲットワイルドの歌詞については、著作権の都合もあるのでここでは具体的なフレーズを並べず、全体から受ける印象だけを見ていきます。
僕がこの曲を『シティーハンター』とセットで聴いて感じるのは、単純な「格好いい男の歌」ではないということです。
中心にあるのは、都会の夜、孤独、自分の生き方、そして誰かを守ろうとする感情。
これ、冴羽獠というキャラクターにかなり近いんですよ。
獠は普段、自分の過去や感情をベラベラ説明する人物ではありません。
だからこそアニメでは、セリフで説明し切らなかった感情をエンディング曲側が持って帰ってくれるように見えるんです。
僕はこれを、キャラクターの心情を歌詞へ外注する演出として見ています。
本編で「俺は本当はこう感じている」と全部喋らせたら、ハードボイルドの格好よさは消えます。
言わない。
表情だけ見せる。
そこへゲットワイルドを重ねる。
この順番だから成立するんすよ。
歌詞の解釈には一つだけの正解があるわけではありません。
楽曲単体で聴く場合と、『シティーハンター』の映像を重ねて聴く場合でも受け取り方は変わります。
仕事でも人間関係でも、全部を説明したほうが伝わるとは限りません。
むしろ言葉にし過ぎると軽くなる感情がある。
『シティーハンター』とゲットワイルドの関係を見るたび、映像って「説明しない技術」なんだなと思わされます。
いつから使用?
ゲットワイルドは、1987年4月から放送されたテレビアニメ『シティーハンター』第1シリーズでエンディングテーマとして使われました。
楽曲そのものは1987年4月8日にシングルとして発売されています。
アニメ第1シリーズは全51話で、その全話のエンディングテーマがゲットワイルドです。
(出典:アニメ『CITY HUNTER』Blu-ray Disc BOX公式サイト)
ここで注意したいのが、後に続く『シティーハンター2』でもずっとゲットワイルドが通常EDだったわけではないことです。
シリーズが変わると主題歌も変わり、『シティーハンター2』では別のエンディング曲が採用されています。
それでもゲットワイルドだけがシリーズ全体の象徴のように扱われるようになった。
これ、アニソンとしてはかなり面白い現象です。
普通は作品が長期シリーズ化すると、それぞれの世代に「自分の主題歌」ができます。
ところが『シティーハンター』の場合、シリーズをまたいでも「最後にゲットワイルドが来たら締まる」という共通認識が育っていきました。
だから後年の劇場版で再び流れたときも、単なる懐メロではなく「帰ってきた」という感覚が生まれるんですよ。
何話で流れる?
初代テレビアニメ『シティーハンター』について答えるなら、第1話から第51話まで全話でエンディングテーマとして流れます。
なので「ゲットワイルドが流れる回を一話だけ見たい」という場合、実はどの回を選んでもEDそのものは体験できます。
ただし、ここが沼ポイント。
ゲットワイルドは毎回同じ音源を流せば同じ効果になるわけではありません。
直前の場面の温度、最後のセリフ、カットを切るタイミングによって、イントロの聞こえ方が変わるんです。
楽しい話の後なら「今日も一件落着」という余韻になる。
シリアスな話の後なら、イントロの電子音が急に寂しく聞こえる。
恋愛の空気が残る回では、同じ曲なのに少し甘く感じる。
映像と音楽の組み合わせって面白いもので、音源を変更しなくても前後の映像だけで意味を変えられます。
これを編集の文法で言えば、音楽そのものよりも「何の直後に置くか」が重要ということです。
動画編集をしている人なら分かると思うんですが、BGMって曲選びより入れるフレームの位置で印象が激変するんすよ。
『シティーハンター』はそれを毎週のテレビアニメでやっていた。
だから「何話で流れる?」への答えは全51話なんですが、本当の楽しみ方は各話でどう入るかを見ることだと思っています。
ゲットワイルドがアニメ史に残る理由
ここからは、なぜゲットワイルドが単なる昭和の人気アニソンで終わらず、今も「エンディングの入り方」までセットで語られるのかを掘ります。
映像演出として見ると、名曲だったから有名になっただけでは説明できない仕掛けが見えてきます。
EDの入り方
ゲットワイルドを語るうえで最大のポイントは、やっぱりEDへの入り方です。
『シティーハンター』では、本編のラストシーンがまだ画面に残っている状態でゲットワイルドのイントロが始まり、そこからエンディング映像へつながります。
本編とEDの間にあるはずの境界線を、音楽で消してしまうわけです。
この方法が効く理由は、人間が映像の切り替わりより音の連続性に引っ張られやすいからだと僕は見ています。
画面が本編からスタッフクレジットへ切り替わっても、同じ音楽が続いていれば感情は途切れません。
つまり視聴者の頭では、エンディング映像まで物語が続いているような感覚になるんです。
しかもゲットワイルドのイントロは、最初から感情を全部爆発させるタイプではありません。
低い位置から徐々に空気を持ち上げていくので、ラストシーンの余韻を壊さず、そのまま音楽側へバトンを渡せます。
名演出の正体は、名曲を流したことではなく、本編の感情とイントロの時間軸を合わせたことです。
今のアニメでも本編にED曲をかぶせる作品はありますが、毎週これをやるとマンネリになる危険もあります。
ゲットワイルドの場合は、直前の物語が毎回違うのでイントロの意味まで変化する。
同じフォーマットなのに同じに見えない。
ここが上手い。
僕も映画を見ていて、ラストカットから音楽が早めに入る作品にはかなり反応してしまうんですが、音楽が映像より半歩先に感情を動かす瞬間って本当に気持ちいいんすよ。
神回は何話?
ゲットワイルドの使われ方で特に名前が挙がるのが、『シティーハンター2』第50話「さらばハードボイルド・シティー(後編)」です。
ここでは通常EDとしてではなく、劇中の重要な場面でゲットワイルドが使われています。
検索すると「神回」「一番かっこいいゲットワイルド」といった感想が出てくるのも、この回の存在がかなり大きいです。
内容を全部説明すると初見の面白さを削ってしまうので避けますが、注目してほしいのは曲が始まる直前の「静けさ」です。
映像演出って、派手な音を入れれば盛り上がるわけじゃありません。
むしろ音を減らし、視聴者の耳を一度空っぽにしたところへ音楽を入れたほうが、最初の一音が何倍も大きく感じられます。
この回はその緩急がえげつない。
ネット上でこの場面を絶賛する人が多いのも分かります。
ゲットワイルドが名曲だから格好いいというより、ゲットワイルドが最も気持ちよく鳴る位置までドラマ側が感情を運んでいるんです。
逆に、毎回何となくクライマックスで流していたら、ここまで伝説にはなっていなかったと思います。
音楽を切り札にするなら、切り札を使わない時間も必要なんですよね。
これは仕事でも似ていて、全部の場面で全力の言葉を使っている人より、普段は淡々としている人が大事な場面で発した一言のほうが刺さったりします。
演出も人間関係も、余白があるからピークが生まれる。
この回を見ると、その当たり前を映像で体感できます。
劇場版での使用
ゲットワイルドはテレビシリーズだけで役目を終えず、後年の『シティーハンター』関連作品でも繰り返し使われています。
2019年公開の『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』でもエンディングに登場し、2023年公開の『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)』でも採用されました。
さらに2024年のNetflix実写映画『シティーハンター』では、新録版のGet Wild Continualがエンディングテーマになっています。
ここまで来ると、ゲットワイルドは主題歌というより『シティーハンター』のロゴに近い存在です。
音が流れただけで作品名が浮かぶ。
これって映画でいうテーマモチーフと同じなんですよ。
スター・ウォーズのテーマを聴けば宇宙が浮かぶように、ジョーズの低音を聴けば海の中の何かを想像するように、ゲットワイルドのイントロには新宿の夜と冴羽獠が染み込んでいる。
ただし、あえて苦言を呈すると、ゲットワイルドを流せば何でも感動的になるわけではありません。
『天使の涙』についてはネット上でも、クライマックスまでの運び方や映像面に物足りなさを感じ、ゲットワイルドが以前ほど刺さらなかったという感想が見られます。
僕もここは重要だと思っています。
名曲はドラマを補助できますが、ドラマそのものの代わりにはなれません。
ゲットワイルドが最高に聞こえるかどうかは、その直前まで何を積み上げたかで決まるんです。
だからこそ、うまくハマった回の破壊力が際立ちます。
Get Wild退勤
ゲットワイルドが世代を超えて残っていることを象徴するネット文化が、Get Wild退勤です。
やることはめちゃくちゃ単純で、仕事を終えて職場から出るタイミングでゲットワイルドを再生し、自分の退勤を『シティーハンター』のエンディングっぽく演出するというもの。
冷静に文章だけ読むと何してんねんという感じなんですが笑、これが妙に気持ちいい理由も映像的には説明できます。
仕事を終える瞬間って、本来はただPCを閉じて席を立つだけですよね。
そこにエンディング曲を置くと、その日一日の出来事に「物語の終わり」という意味が生まれます。
嫌な会議も、メールの返信も、謎の修正依頼も、全部が本編になる。
そして自動ドアを抜ける自分がラストカットになる。
これ、要するに日常を映画化する遊びなんです。
僕らZ世代って、TikTokやショート動画の影響もあって、日常にBGMを付けて意味を変える感覚がかなり身近です。
でもGet Wild退勤を見ると、その文化を1987年のアニメ演出が何十年も先取りしていたようにも感じます。
音楽を付けるだけで現実の見え方が変わる。
しんどい一日だったとしても、ゲットワイルドを鳴らしながら帰れば「今日はここで終了」と自分で幕を引ける。
たぶん、この遊びが長く愛される理由は笑えるからだけじゃありません。
自分の人生に自分でエンドロールを付けられる感覚が、ちょっと救いになるんすよ。
ゲットワイルドとアニメまとめ
ゲットワイルドとアニメの関係を追っていくと、この曲が単なる80年代のヒットソングではないことが分かります。
ゲットワイルドは、1987年のテレビアニメ『シティーハンター』第1シリーズ全51話で使用されたTM NETWORKのエンディングテーマです。
そして最大の特徴は、本編のラストからイントロを流し始め、そのままエンディング映像へ接続する演出にあります。
- ゲットワイルドは『シティーハンター』初代TVシリーズのED
- 楽曲はTM NETWORKが担当
- 第1シリーズでは第1話から第51話まで使用
- 『シティーハンター2』第50話の使われ方も有名
- 後年の劇場版や実写版でもシリーズを象徴する曲として登場
- 本編からEDへ音楽をつなぐ演出が大きな魅力
僕が一番面白いと思うのは、ゲットワイルドそのものは約4分の一曲なのに、どの場面の後で聴くかによって毎回違う曲のように聞こえることです。
これは音楽単体の力だけではありません。
演出、編集、キャラクター、物語、そして曲が全部かみ合った結果です。
ネットでは「ゲットワイルドが流れれば全部格好よくなる」みたいにネタにされますが、実際にアニメを見るとむしろ逆なんすよ。
格好よく聞こえるところまで物語を運ぶ技術があるから、ゲットワイルドが伝説になった。
そこを知ったうえで見る『シティーハンター』は、かなり印象が変わります。
特に普段アニメを見るときに本編が終わった瞬間スキップボタンを押している人ほど、一度だけでもラストシーンからEDまでそのまま見てほしいです。
アニメのエンディングって、作品が終わった後のおまけじゃないんだなと分かるはず。
そして「曲名は知っているけれど何のアニメだったっけ?」というタイプのアニソンは、曲と作品をセットで見直すと意外な発見があります。
同じように有名曲とアニメの関係が気になる人は、『1/3の純情な感情』が何のアニメ曲なのかを解説した記事もチェックしてみてください。
ゲットワイルドを知ってから『シティーハンター』を見るのもアリですし、『シティーハンター』を見てから改めてゲットワイルドを聴くのもアリ。
ただ一つ確かなのは、イントロだけ聴いて帰り道を格好よくしたくなる時点で、このアニメと音楽の組み合わせは今も全然終わっていないということです。
アニメ・映画が大好きで毎日色んな作品を見ています。その中で自分が良い!と思った作品を多くの人に見てもらいたいです。そのために、その作品のどこが面白いのか、レビューや考察などの記事を書いています。
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