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『トライガンスタンピード』はひどい?旧作との違いを解説

アニメ・漫画

皆さんは『トライガンスタンピード』というアニメを知っていますか?

1998年に放送されたアニメ『TRIGUN』から約25年を経て、2023年にまったく新しい映像とキャストで生まれた作品です。

ところが検索すると、『トライガンスタンピード』はひどい、旧作のほうが良かった、原作と違いすぎるといった辛辣な反応もかなり目に入ります。

特に旧作を知っている人ほど、ヴァッシュのキャラクターデザインや作品全体のシリアスさ、3DCGを中心とした映像に戸惑ったのではないでしょうか。

私もアニメを年間かなりの本数見るタイプですが、本作は単純に完成度が低くて批判された作品ではなく、視聴者がトライガンという名前に求めていたものと制作側が提示したものの距離がかなり大きかった作品だと感じています。

例えばアニメや漫画では、ブラックフリーザの強さや戦闘力、悟空の身勝手の極意、ベジータの我儘の極意、さらにビルスとの強さ比較のように、既存キャラクターのイメージを基準に新形態を評価することがあります。

『トライガンスタンピード』にもかなり似た現象が起きていて、新作だけを見れば成立しているのに、旧作や原作という巨大な比較対象が存在することで評価が一気に厳しくなったんですよね。

この記事では、なぜここまで賛否が割れたのかを、キャラクターデザイン、原作との距離、CGアニメーション、演出、声優、ストーリー構造まで掘り下げます。

重大なネタバレは避けるので、これから見るか迷っている人も安心して読み進めてください。

  • 『トライガンスタンピード』がひどいと言われる理由
  • 1998年版や原作との大きな違い
  • 3DCGやガンアクションへの評価
  • 批判が多くても見る価値がある人

『トライガンスタンピード』がひどい理由

『トライガンスタンピード』への批判を追っていくと、作画崩壊や制作ミスのような単純な問題とはかなり性質が違います。

むしろ映像技術そのものは相当手が込んでいるのに、キャラクターの見た目、物語の温度、原作要素の配置など、トライガンらしさを判断する部分が大胆に変化しています。

公式でも、制作をオレンジが担当し、新スタッフと新キャストによって作品を新生させる企画として発表されています。

(出典:アニメ『TRIGUN STAMPEDE』公式サイト)

つまり問題は、新しく作ること自体ではなく、どこまで変えれば同じ作品として受け入れられるのかという話なんすよね。

キャラデザ変更

最初にかなり大きかったのが、ヴァッシュのキャラクターデザイン変更です。

旧作のヴァッシュといえば、逆立った金髪、サングラス、ロング丈の真っ赤なコートという、一目見ただけでシルエットを記憶できるデザインでした。

一方の『スタンピード』では髪型が現代的なショート寄りになり、衣装の線もかなり軽快です。

ここは放送前から賛否が出た部分で、旧作ファンからすれば主人公を見た瞬間に別人っぽく感じても不思議ではありません。

ただ、映像設計として見ると、この変更にはかなり合理性があります。

3DCGでは髪やロングコートのようなパーツを動かすほど、シミュレーションや干渉処理の難度が上がります。

本作はヴァッシュ自身が走る、跳ぶ、ひねる、転がると、とにかく全身を立体的に使うので、衣装も身体の動きを読み取りやすい形へ寄せられています。

私はキャラデザそのものが悪いというより、旧デザインから受け継ぐ記号を一気に減らしたことが反発につながったと見ています。

リブート作品では、顔を変えるよりシルエットを変えるほうがファンへの衝撃が大きいんですよね。

人って意外と細かな顔立ちではなく、髪型や服装や立ち姿でキャラクターを認識しているからです。

就活でも、同じ本人なのにスーツと私服で印象が別人になるのとちょっと似ています笑。

新ヴァッシュは単体で見るとかっこいいのに、旧ヴァッシュの面影を求めるほど違和感が増える。

ここが最初の「これじゃない」を生んだ大きな入口だったと思います。

旧作との違い

1998年版と『スタンピード』では、物語の呼吸そのものがかなり違います。

旧アニメは全26話で、序盤にはヴァッシュが訪れた町で騒動に巻き込まれる一話完結寄りのエピソードが多くありました。

ヴァッシュが本当に伝説のガンマンなのか視聴者にも周囲にもよく分からない状態を引っ張り、間抜けな男と超人的なガンマンという二面性を少しずつ見せていきます。

この構成がめちゃくちゃ重要なんですよね。

先にコメディーを見せるから、その人物が抱えているものが後から見えたときにギャップが効くんです。

一方、『スタンピード』は全12話という尺の中で、ヴァッシュとナイヴズの関係や世界の根幹へ比較的早く近づきます。

だから謎の男を追いかけるロードムービーというより、大きな運命の中にいる人物を追う連続ドラマに近いです。

旧作好きからすると、ここが一番寂しい部分かもしれません。

トライガンの魅力って、シリアスな設定だけではなく、どうでもよさそうな寄り道の中でヴァッシュの価値観が見えるところにもありました。

『スタンピード』はその寄り道をかなり減らし、本筋へ向かう速度を上げています。

テンポが良くなった反面、一緒に旅をしている時間の感覚は薄くなりました。

再アニメ化では「同じ物語を現代の映像で作る」のか、「素材を使って別の作品を作る」のかで評価軸がまったく変わります。

リメイクそのものについては、『ONE PIECE』の再アニメ化とリメイクの違いでも詳しく掘り下げています。

なので旧作の代替品を期待して見ると、かなり戸惑います。

逆に旧作とは別の解釈による新シリーズとして見ると、作品の狙いがかなり見えやすくなります。

原作との違い

原作ファンの評価が割れた理由も、単純な改変の多さだけではありません。

『スタンピード』は原作の出来事を最初から順番に映像化するタイプのアニメではなく、人物、設定、関係性を別の順序で配置し直しています。

そのため原作を知っているほど、「この情報をもう出すの?」とか「このキャラクターがここにいるの?」という感覚が生まれます。

ぶっちゃけ、原作準拠アニメだと思って再生すると結構な事故が起きます笑。

ただし私は、この大胆さ自体はかなり面白いと思っています。

原作をそのまま映像化しないからこそ、既読ファンにも次の展開が完全には読めません。

特にナイヴズという存在を比較的早い段階から前面へ出すことで、物語全体にずっと不穏な影が落ちています。

その代償として失ったものもあります。

旧作や原作では、最初にヴァッシュのふざけた一面をたっぷり見せることで、「なぜこの男がここまで人を救おうとするのか」という疑問が自然に育っていました。

『スタンピード』では世界設定と過去の因縁を早めに提示するので、視聴者がヴァッシュ自身を観察して答えを探す時間が少ないんです。

説明が早くなったことで理解しやすくなった一方、キャラクターの奥に何かあるぞという余白は減りました。

ここは映像化における難しいトレードオフです。

情報を伝えれば分かりやすくなりますが、分からない時間が魅力になる作品もあります。

『トライガン』って、まさに後者なんよね。

CGへの賛否

『スタンピード』を語るうえで避けられないのが、オレンジによる3DCGアニメーションです。

ここについては、私はかなり評価しています。

というか「CGだからひどい」で終わらせるには、さすがにもったいないです。

本作の面白さは、手描きアニメの動きをCGで再現するのではなく、3D空間だからできるカメラワークへ踏み込んでいるところにあります。

人物の周囲をカメラが回り込み、そのまま地面近くまで降下したり、キャラクターと一緒に空間を駆け抜けたりします。

実写撮影なら物理的なクレーンやレールが必要になる動きを、仮想カメラで大胆につないでいるわけです。

アクション中でも背景と人物の位置関係が破綻しにくいので、ノーマンズランドの広さまで運動として感じられます。

そして個人的にかなり好きなのが、表情です。

日本の3DCGアニメでありがちな、人形の顔が動いている感じをかなり抑えています。

眉、頬、口元だけでなく、首を引く角度や視線を外すタイミングまで演技として設計されているんです。

セリフを言っていない人物まで微妙に姿勢が変わるので、会話シーンでも画面が死にません。

ただし、CGの完成度とCGが好みに合うかどうかは別問題です。

セル画的な線の揺らぎや、止め絵によるケレン味を求める人には、滑らかな立体表現が軽く見える場合があります。

ここは『ベルセルク』などのCGアニメでも長く議論されてきたポイントです。

手描きとCGの見え方について気になる方は、『ベルセルク』新旧アニメとCG表現の比較も参考になると思います。

技術的な完成度はかなり高い。

でもトライガンにこの質感を求めていたかは別。

この二つを分けて考えると、CGへの賛否はかなり分かりやすくなります。

ガンアクション

タイトルが『TRIGUN』ですから、派手な銃撃戦を期待する人が多いのは当然です。

ところが『スタンピード』は、意外なほど銃だけで押し切る作品ではありません。

ネット上でも、ガンアクションが思ったより少ない、会話劇が多いという反応が見られました。

ここは私も少し分かります。

ヴァッシュの魅力って、撃つことではなく「撃たないために銃の技術を使う」ところにあるんですよね。

相手を倒すだけなら簡単なのに、誰も殺さないという無茶な条件を自分へ課す。

その縛りがあるから、射線、跳弾、間合い、銃口の向きまでドラマになります。

旧作では、このアイデアを町単位の小さな事件の中で見せる場面が多くありました。

ところが『スタンピード』は物語全体の危機が早い段階から大きいため、純粋なガンマン同士の駆け引きを味わう時間が相対的に減っています。

そのかわり身体アクションや立体的な移動、巨大なスケールを使った映像へ比重が移りました。

なので西部劇を期待すると物足りなく、SFアクションとして見るとかなり派手です。

『スタンピード』はガンマンアニメをCG化したというより、トライガンを現代的なSFアクションとして再設計した作品に近いです。

私はもう少し小規模な銃撃戦を見たかった派です。

巨大な事件の連続だけでなく、酒場や裏路地で数発の弾丸だけを使って状況をひっくり返すヴァッシュも見たかった。

派手さではなく「どう撃つか」に痺れる時間があと少しあれば、旧作ファンとの距離も縮まった気がします。

『トライガンスタンピード』は本当にひどい?

ここまで不満が出た理由を追ってきましたが、では『スタンピード』そのものが駄作なのかというと、私はそこにはまったく同意できません。

AniListではデータ取得時点で平均77点という評価が付いており、少なくとも視聴者全体から一方的に酷評された作品ではありません。

なお、こうした評価数値は利用者層や集計時期によって変動するため、あくまで一般的な目安として見るのが適切です。

むしろ本作は、完成度の問題より「トライガンに何を求めていたか」で感想が極端に分かれやすい作品です。

ここからはストーリー、シリアス路線、声優、ミリィ不在といった論点から、良かった部分も含めて見ていきます。

ストーリー評価

ストーリーで私が一番面白いと思ったのは、ヴァッシュを正義のヒーローとして気持ちよく活躍させることを目的にしていない点です。

人を殺さないという信念は、少年漫画的に聞けば美しいです。

でも現実に置き換えると、「自分の理想のために周囲にも負担を背負わせていないか」という厄介な問題が出てきます。

『スタンピード』はそこから逃げません。

ヴァッシュの優しさを称賛するだけでなく、その理想が通用しない状況を何度もぶつけます。

だから見ていて気持ち良いだけの主人公ではないんです。

むしろ「いや、それでも救うの?」と視聴者側が疲れる瞬間すらあります。

でも、それこそがトライガンの核心だと思うんですよね。

簡単に実行できる不殺なら、思想ではなく便利な設定で終わってしまいます。

不可能に近いからこそ、その選択を続ける人物の異常さが見える。

現実の人間関係でも似ています。

誰とでも分かり合うべきだとか、人には優しくすべきだとか、言葉だけなら簡単です。

でも職場でどうしても話が通じない相手と毎日顔を合わせた瞬間、理想論の耐久テストが始まります笑。

私は就活や仕事の人間関係で「正しいことを言えば伝わるわけではない」と痛感したことがあります。

だからこそ、ヴァッシュの理想が何度傷ついても捨てられないところには、きれいごと以上の怖さを感じました。

この作品は平和主義を褒める物語ではなく、平和主義を最後まで続けるコストを描く物語なんです。

シリアス路線

一方で、「トライガンってこんなに重かったっけ?」という感想もかなり理解できます。

もちろん原作や旧アニメにも重いテーマはあります。

むしろ物語が進むほど、生死や罪、救済といったテーマはかなり深くなります。

ただ、旧作にはそこへ向かうまでの助走が長くありました。

笑える話、変な町、クセのある住人、ヴァッシュの情けない姿。

そういう明るい時間を積み上げてから暗部へ落ちていくので、落差そのものがドラマになります。

『スタンピード』はその暗部をかなり早く画面へ出します。

ナイヴズの存在感も早い段階から大きく、背景音楽や色彩まで不穏さを押し出しています。

映像面では、とりわけ色の使い方が面白いです。

砂漠は明るいのに、人間が暮らす場所には錆びた金属やくすんだ照明が多く、画面から乾燥した生活感が漂います。

その中でヴァッシュの赤い服だけが異様に目立ちます。

ヒーローだから赤いというより、「この世界に馴染めない人物だから赤い」と見えるんです。

ナイヴズ側では逆に寒色や無機質な空間が増え、人間臭い雑多さと人工的な秩序がぶつかります。

こういう美術の対立で思想まで見せるのは、映像作品としてかなり好きっすね。

ただ、12話という尺で重い展開が続くため、息抜きが少ないのは事実です。

キャラクターを好きになる前に大きなドラマが始まり、感情が追いつかない人もいたと思います。

シリアスが悪いのではなく、シリアスを受け止めるための日常がもう少し欲しかった。

私はそこに一番惜しさを感じました。

声優の変更

旧アニメから見ている人には、声優陣の一新も大きな変化でした。

1998年版ではヴァッシュを小野坂昌也さんが担当していましたが、『スタンピード』では松岡禎丞さんが演じています。

メリルやウルフウッドなど主要人物も新しいキャストになりました。

キャラクター1998年版スタンピード
ヴァッシュ小野坂昌也松岡禎丞
メリル鶴ひろみあんどうさくら
ウルフウッド速水奨細谷佳正
ナイヴズ古澤徹池田純矢

声だけ切り取ると、当然かなり印象が違います。

旧ヴァッシュはふざけたテンションからシリアスへ落ちる振れ幅が非常に大きく、コミカルな場面ではかなり騒がしいです。

松岡禎丞さんのヴァッシュは、最初からどこか傷ついた青年らしさがあります。

笑っていても心の底まで能天気には聞こえない。

この違いはキャスティングだけの問題ではなく、作品全体の演出方針と一致しています。

細谷佳正さんのウルフウッドも同じです。

軽口を叩きながらも声の奥に乾いた疲労感があり、ヴァッシュとの思想の違いが会話だけで伝わってきます。

私は声優変更を見るとき、昔の声に似ているかより、新しい画面の人物からその声が出て違和感がないかを重視します。

その観点では、新キャストはかなりハマっています。

ただし旧作を何周もした人にとって、声はキャラクターの顔と同じくらい記憶に焼き付いています。

違和感を抱くこと自体は当然です。

声優変更への賛否は演技力の優劣ではなく、どのヴァッシュが自分の中のヴァッシュになっているかという話だと思います。

ミリィ不在

旧作ファンが最も「え?」となった変更の一つが、ミリィ・トンプソンの不在です。

1998年版では、メリルとミリィのコンビが作品の空気を作るうえでかなり重要でした。

メリルが現実的にツッコミを入れ、ミリィが大らかに場を受け止める。

ヴァッシュの奇行だけでは暴走しそうなコメディーを、二人が違う方向から支えていました。

ところが『スタンピード』では、メリルの相棒としてベテラン記者ロベルト・デニーロが登場します。

この変更は単なるキャラクター交代ではありません。

メリル自身の役割まで変える仕掛けです。

『スタンピード』のメリルは新人記者です。

そこへ経験豊富でシニカルなロベルトを置くことで、理想を持つ若者と現実を知る大人という関係が生まれています。

ヴァッシュとウルフウッドにも理想と現実の対立がありますから、実は作品全体で同じテーマが反復されているんですよね。

そう考えるとロベルトの配置はかなり計算されています。

私はここ、脚本として好きです。

それでもミリィを見たかったという気持ちは別問題です笑。

旧作の四人組を愛していた人にとって、一人いないだけで旅の空気はまるで違います。

特に『スタンピード』はシリアス寄りなので、ミリィの天然な明るさが存在しないことまで作品の重さにつながっています。

なお、後続作品『TRIGUN STARGAZE』の公式キャラクター情報ではミリィの登場が公表されているため、『スタンピード』で存在そのものが消されたという理解は現在では適切ではありません。

つまりミリィ不在も、新シリーズ全体を長い物語として構成するための配置変更だったと見ることができます。

『トライガンスタンピード』はひどい?

結局、『トライガンスタンピード』はひどいのか。

私の答えは、作品単体の完成度を理由に「ひどい」と切り捨てるのはかなり違う、です。

ただし旧作や原作の魅力を求めて再生した人が、これじゃないと感じた理由にはめちゃくちゃ納得できます。

キャラクターデザインは変わりました。

声優も変わりました。

ミリィは『スタンピード』本編には登場せず、メリルの立場まで変わっています。

一話完結的な旅の楽しさは減り、兄弟の因縁や世界の核心が前面に出ました。

さらに手描き中心だった旧作から、3DCGを中核にした映像へ大胆に舵を切っています。

これだけ変われば、反発が起きないほうが不自然です。

本作の評価を分けた最大のポイントは、出来が悪かったことではなく、「トライガンを現代に復活させる」のではなく「トライガンを現代の映像文法で作り直した」ことだと私は考えています。

そして、その挑戦が成功している部分もかなりあります。

3DCGならではのカメラワーク、細かな身体演技、ノーマンズランドの空間表現はテレビアニメとしてかなり見応えがあります。

ヴァッシュの不殺も、ただのヒーロー設定ではなく、本人を苦しめ続ける思想として描かれています。

ナイヴズとの対立も、善人と悪人という単純な構図ではなく、人間という存在をどう見るかという価値観の衝突になっています。

この辺まで見ると、制作側が原作を雑に扱って別物にしたわけではないことは伝わってきます。

一方で、私は「もっとくだらない旅を見たかった」という不満も最後まで残りました。

映像が豪華になるほど、小さな町でヴァッシュがアホみたいな騒動に巻き込まれる回が恋しくなるんですよね。

大事件だけがキャラクターを深くするわけではありません。

何も起きない時間、どうでもいい会話、しょうもない失敗。

そういう場面で初めて、その人物と友達になったような感覚が生まれます。

『スタンピード』には、その時間が少なかった。

ここにはあえて苦言を呈したいです。

それでも、新作を旧作のコピーにしなかった判断にはかなり熱を感じます。

25年前の作品を同じ構図、同じ芝居、同じテンポで綺麗に描き直すだけなら、ここまで賛否は起きなかったかもしれません。

でも、それだと2023年に新しく作る意味まで薄くなります。

昔の正解を守るか、新しい失敗の可能性を取るか。

創作だけではなく、仕事や人生でもめちゃくちゃ悩むやつです。

Z世代の私からすると、すでに完成した成功例を渡されて「自由にやっていいよ」と言われる状況ほど怖いものはありません笑。

何を変えても比較されるし、何も変えなければ作る意味を問われるからです。

『スタンピード』は、その地雷原へかなり大胆に踏み込んだ作品でした。

旧作の雰囲気をそのまま味わいたい人には合わない可能性がありますが、トライガンという作品を別角度から再解釈したSFアニメとして見ると、印象はかなり変わります。

特にCGアニメが苦手という理由だけで避けている人には、数話だけでも実際の動きを見て判断してほしいです。

静止画だけでは、本作が人物の重心移動やカメラの奥行きにどれだけ手間を掛けているか分かりません。

逆に、旧作のコメディー感や四人旅、昔ながらのガンマンものを最優先したい人なら、「合わなかった」という評価になっても全然おかしくありません。

作品との相性まで無理に褒める必要はないんすよね。

『トライガンスタンピード』は、誰にでも勧めやすい無難な再アニメ化ではありません。

だからこそ、私はかなり面白い作品だと思っています。

賛否が割れる作品って、制作側の選択がはっきり画面に出ていることが多いです。

好き嫌い以前に「なぜこうしたんだろう」と考える余地がある。

映像オタクとしては、こういう作品が一番語りたくなるんですよね。

放送情報、配信状況、キャスト、後続作品などの情報は変更される場合がありますので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。

著作権、サービス規約、そのほか専門的な判断が必要になる事項については、最終的な判断は専門家にご相談ください。

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