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『86』のアニメはひどい?つまらない理由と評価を解説

アニメ・漫画

皆さんは『86―エイティシックス―』というアニメを知っていますか?

2021年に放送された戦争SF作品なのですが、検索すると86のアニメはひどい、つまらない、意味不明といった不穏な言葉が出てくるため、「見るか迷っている」という人もいると思います。

さらに、86を1話切りした、専門用語が難しい、パクリっぽい、2期がつまらないという意見がある一方で、作画や最終回を絶賛して神アニメと評価する人もかなり多いんすよね。

ほかにも、放送延期から打ち切りだったのではないかと勘違いされたり、原作との違いや3期が気になったりと、検索しているだけでは評価が真逆すぎてよく分からなくなります。

そこで今回は、アニメを年間かなりの本数見ているtatamiの目線から、単純な好き嫌いだけではなく、カット割り、画面構成、CG、音響、物語の見せ方まで踏み込んで、『86―エイティシックス―』がなぜここまで評価の分かれるアニメになったのかを見ていきます。

  • 『86』がひどいと言われる理由
  • 序盤でつまらないと感じる原因
  • 作画や演出が高評価される理由
  • 最後まで見た人の評価が変わる理由

『86』アニメがひどいと言われる理由

『86―エイティシックス―』は、A-1 Pictures制作、石井俊匡監督による戦争SFアニメです。

共和国側の軍人レーナと、戦場で戦い続けるシンたちを異なる位置から描く構造になっていて、差別、戦争、命の扱われ方といったかなり重いテーマを扱っています。

そのため、娯楽アニメとしてサクッと入りたい人にはかなり不親切に見える作品でもあります。

逆に言えば、ここをどう受け取るかで評価がほぼ真っ二つになるんすよ。

つまらない理由

まず、つまらないと言われる最大の原因は、序盤から視聴者へ大量の説明をしてくれないことだと思っています。

最近のアニメは、第1話で主人公の目的、能力、敵、世界のルールまでかなり分かりやすく提示する作品が多いです。

ところが『86』はその逆。

人物が知っていることを、視聴者のためだけにわざわざ説明するような台詞をかなり抑えています。

つまり、僕たちは作品世界に途中参加させられたような状態になるわけです。

これがめちゃくちゃ人を選びます。

しかも物語は戦争を扱っているため、序盤から爽快な勝利を積み重ねていくタイプではありません。

戦闘が終わっても気持ちよくガッツポーズできる感じではなく、画面には常に嫌な余韻が残る。

気軽なロボットアクションを期待して見ると、思っていた作品と違うとなりやすいです。

僕もアニメを見るとき、仕事のあとなら頭を使わず見られる作品を選びたい日があります。

そういう日に『86』を再生すると、まあ重いっす笑。

ただ、この重さはテンポが悪いから発生しているというより、視聴者に戦場の居心地の悪さを体験させる設計に近いです。

『86』は爽快感よりも、戦場に残る違和感や喪失感を味わわせる作品です。

そこを求めていない人ほど、つまらないと感じやすくなります。

1話切りの原因

『86』は、かなり1話切りされやすいタイプのアニメだと思います。

第1話では共和国、レギオン、ジャガーノート、エイティシックス、ハンドラーなど、世界観を理解するための固有名詞が次々に登場します。

さらに、レーナ側の空間とシンたち側の空間が分離して描かれるため、人物関係もすぐには一本につながりません。

ここで「説明不足じゃない?」となる人が出るのは普通です。

ただ、映像的にはこの分断こそが重要なんですよ。

同じ戦争について話しているのに、片方には清潔で明るい空間があり、もう片方には土埃と機械音に満ちた戦場がある。

会話がつながっていても、画面の質感がまるで違います。

つまり脚本で「彼らは差別されています」と説明する前に、カットの落差そのものに社会構造を語らせているわけです。

ここ、映像好きとしてはかなり面白いところです。

僕は就活していた頃、「同じ会社の話をしているのに、採用ページから見える会社と現場の人から聞く会社って全然違うな」と感じたことがあります。

もちろん戦争とは比較になりませんが、人間って立っている場所が変わるだけで同じ現実を別物として認識するんですよね。

『86』は、そのズレをかなり極端な形で映像にしています。

なので第1話だけで面白さを判断するより、序盤数話の画面の対比まで見てから合うか決めたほうが、この作品の狙いはつかみやすいと思います。

専門用語が難解

専門用語の多さについては、あえて苦言を呈します。

初見には普通に分かりづらいです。

固有名詞だけではなく、国、軍、部隊、兵器、通信システムまで短時間で出てくるため、ながら見との相性はかなり悪いです。

しかもキャラクターたちはその世界で暮らしているので、視聴者向けの説明係にはなってくれません。

ここは「考察できて楽しい」と「説明不足」の境界ギリギリ。

僕自身、初見アニメで固有名詞を五つ六つ一気に投げられると、「ちょっと待ってくれ」となります笑。

ただし、全部の単語を暗記する必要はありません。

序盤では、シンたちがどのような立場で戦っているのか、レーナがどの位置から彼らと関わっているのか、この二つが見えていれば大枠は追えます。

むしろ細かな用語を理解することより、誰が安全な場所にいて、誰が危険を引き受けているのかを見るほうが作品の核心に近いです。

『86』は設定資料を覚えるクイズではありません。

専門用語が分からなくても、人間関係と立場の差を追えば物語には入れます。

パクリ疑惑

検索するとパクリという言葉も見かけますが、ここはかなり慎重に分けて考えたほうがいいです。

軍事国家、差別される集団、少年少女の兵士、機械兵器、絶望的な戦況。

こうした要素だけを切り出せば、『進撃の巨人』やロボットアニメ、ディストピアSFなど、いろいろな作品を連想するのは分かります。

実際、海外の視聴者からも『進撃の巨人』に近い雰囲気を感じたという反応があります。

でも、共通するジャンル要素があることと、作品をそのまま模倣していることは別問題です。

僕が『86』らしいと思うのは、戦争そのものよりも戦場を見る人間と、戦場にいる人間の距離を物語の中心に置いているところです。

主人公側を一つの場所へまとめず、物理的に離れた二つの視点で進める。

この構造によって、同じ出来事でも受け止め方がまるで変わります。

さらに通信越しの会話では、普通なら同じ画面に置ける二人をあえて別々のカットで見せる。

この「会話しているのに会えていない」という状態が、そのまま作品のテーマになっています。

なので僕は、似た題材を持つ作品はあっても、『86』を単純にパクリ作品として片付けるのは違うと思っています。

2期がつまらない

ここで一つ注意したいのが、検索で2期と呼ばれている部分です。

公式では、第12話以降は独立した第2期ではなく第2クールとして案内されています。

第1クールから続く一つのテレビシリーズとして見るほうが正確です。

ただ、第2クールになって「前半よりつまらなくなった」という感想が出る理由は分かります。

大きいのは、物語の環境が変わることで、第1クールにあったレーナ側とシン側の鮮烈な対比が一度薄くなること。

第1クールの画面設計が刺さった人ほど、「自分が好きだった86とちょっと違う」と感じやすいです。

さらに、新しい人物や政治的な状況が入るため、再び世界を覚える時間も必要になります。

そこへ放送延期まで重なりました。

実際に第18話、第19話などは制作上の都合による放送変更があり、第22話と第23話は2022年3月まで放送を待つ形になりました。

これによってリアルタイム視聴では、物語のテンションが切れたと感じた人もいたはずです。

一方で、これは打ち切りとは別の話です。

最終的には第23話まで放送されています。

むしろ映像オタク目線で見ると、このスケジュールを経た終盤で、カットの密度や演出を落とさず着地させたことのほうが印象的でした。

検索上の2期は、公式表記では第2クールです。

放送延期もありましたが、作品が途中で打ち切られたという意味ではありません。

『86』アニメはひどい?評価を検証

ここまで否定的な意見が出る理由を見てきましたが、『86』は評価の低い作品というわけではありません。

むしろネットでは、最終回まで見た視聴者から神アニメと呼ばれることもあり、評価が大きく反転しやすい作品です。

その理由を、作画、演出、原作との違い、物語の構造から見ていきます。

作画の評価

『86』の映像で最初に見たいのは、キャラクターの顔が崩れていないかではありません。

2Dキャラクターと3DCGの兵器を、どこまで同じ空間に存在させられているかです。

本作はA-1 Picturesがアニメーション制作を担当し、CG制作には白組が参加しています。

(出典:TVアニメ『86―エイティシックス―』公式サイト)

ジャガーノートのような多脚兵器は、人間と同じ動きをさせたら逆に嘘っぽくなります。

だから足の接地、旋回、跳躍、カメラの追従まで含めて「機械がそこにいる重量」を作る必要があります。

『86』はここがうまい。

CGだからヌルヌル動かせばいいという発想ではなく、土煙、画面ブレ、被写界深度、カットの切り替えを組み合わせてスピードを作っています。

そして面白いのが、戦闘を常に気持ちよく見せないこと。

ロボットアニメなら機体を格好よく見せるヒーローショットを入れたくなるところですが、本作では兵器が消耗品として見える瞬間も多いです。

これは作品テーマと映像表現が一致している部分。

逆に日常場面では、食事、部屋、小物、写真など、人物が生きていた痕跡を画面の端に置きます。

人物をアップにして泣かせるのではなく、人がいなくなったあとに残る物を映すことで感情を発生させる。

僕はこういう演出、大好物なんすよ。

「泣いてください」とカメラに命令されるより、何も言わない空間を見せられたほうが効くことがあります。

最終回の評価

最終回の評価が高い理由は、単純に感動的だからではありません。

ここまで積み重ねてきた距離という演出を、画面構成そのもので回収するからです。

『86』では長いあいだ、人と人が会話していても同じ空間にはいません。

通信、視線、画面の左右、背景の違い。

そうした小さな分断を何話も積み重ねています。

だから終盤で人物同士の距離に変化が起きたとき、説明台詞がなくても画面を見ただけで「ここまで来たんだな」と感じられる。

これが映画やアニメの面白さなんですよね。

文章なら心情を書けます。

でも映像は、人物をどこに立たせるか、どのサイズで撮るか、いつ顔を見せるかで心情を表現できます。

『86』の終盤は、その基本をかなり丁寧に使っています。

さらに音楽を入れるタイミングもいい。

感情が発生する前から大音量の曲で煽るのではなく、画面側で十分に溜めてから音を乗せるため、視聴者の感情と音楽がぶつかりにくいです。

最終話が「何回でも見られるほど感動する」と評価されるのも、この積み重ねがあるからだと思います。

最終回だけ切り取っても、『86』の良さは半分も伝わりません。

序盤から積み重ねた画面上の距離があるからこそ、終盤の演出が刺さります。

神アニメの声

一方で、『86』を神アニメと評価する人が多いのも事実です。

AniListではデータ取得時点で平均評価83点台となっており、少なくとも海外を含めてかなり好意的に受け取られている作品です。

もちろんレビューサイトの数値は利用者層によって変わるので、あくまで一般的な目安として見るべきです。

僕が高評価になる理由として大きいと思うのは、物語と演出が別々に存在していないこと。

差別をテーマにしているから差別について長々と演説する、戦争作品だから悲惨な映像を大量に見せる、という単純な作りではありません。

例えば、場所の広さ、光の量、食事、服、声の聞こえ方まで使って立場の差を見せます。

つまり設定を台詞だけで説明せず、背景美術や音響にも働かせている。

ここが映像作品としてかなり好きです。

さらにシンとレーナを完全な正義の代弁者にしていないのもいい。

善意があっても相手の痛みを理解したことにはならないし、正しいことを言えば関係が築けるわけでもありません。

この距離感、現実の人間関係でもめちゃくちゃあると思うんですよ。

仕事でも「相手のために言ってる」と言われても、立場が違えば全然ありがたくないことがあります。

僕らZ世代って、会社でもSNSでも「正しい言葉」を毎日のように見ます。

でも正しい言葉と、当事者の実感は別物。

『86』はそこをかなり痛い形で突いてくるので、単なる戦争アニメ以上に残る作品になっています。

原作との違い

原作は安里アサト先生によるライトノベルです。

小説では当然、文章を使って人物の思考や世界設定を細かく描けます。

一方、アニメで同じ情報を全部ナレーションにしたら、映像作品としてかなり重たくなります。

そこでアニメ版では、内面の説明を削る代わりに、構図、小物、背景、カットの接続に情報を移しています。

これが原作ファンには「心理描写が薄くなった」と見える場合があります。

ここは確かにアニメ化のデメリットです。

人物がなぜその言葉を選んだのか、何を考えているのかまで深く知りたいなら、文章で読める原作のほうが入りやすい場面もあります。

ただ、僕はアニメ版を単純な省略版とは思っていません。

文章で説明されていた感情を、別の映像表現へ翻訳している作品だからです。

象徴的な小物を前後のカットでつないだり、似た構図を別の場所で反復したり、人物が画面から消えたあとに背景だけ残したりする。

こういう演出は、小説をそのまま絵にするだけでは生まれません。

原作は内面へ潜れる。

アニメは視覚と音で距離を体感できる。

両方に違うおいしさがあります。

面白い派の評価

面白い派が評価しているポイントは、後半が盛り上がるからだけではありません。

僕は二つの視点が少しずつ意味を変えていく構造が、この作品の一番面白い部分だと思っています。

序盤では、レーナ側から見える戦争とシン側から見える戦争がほとんど別作品みたいに離れています。

でも物語が進むほど、それぞれが相手の現実へ触れていく。

その変化を、人物の台詞だけでなく画面の距離やカットの組み合わせでも見せます。

なので序盤で感じた「なんでこんな回りくどい構成なんだ」という疑問が、後半になると逆に効いてくるんですよ。

これは伏線回収というより、視聴体験そのものの回収に近いです。

最初に感じた疎外感まで、あとから意味を持ってくる。

そのため、一気見した人とリアルタイムで見た人でも感想は少し違うはずです。

リアルタイムでは放送延期によって待つ時間がかなり長くなりました。

一方、一気見なら人物の感情や映像モチーフを忘れないまま終盤まで進めます。

今から見る人には、この作品は比較的一気見との相性がいいと思います。

ただ、全員におすすめできる作品かと言われれば、そこは違います。

暗い話が苦手、専門用語を追うのが嫌、テンポの速い作品が好き、戦争ものを見ると疲れる。

このあたりに当てはまる人は、評価が高くても合わない可能性があります。

作品の評価と、自分との相性は別物です。

『86』アニメはひどい

結論として、僕は『86―エイティシックス―』をひどいアニメだとは感じません。

ただし、つまらない、意味不明、1話切りしたという感想が出る理由にはかなり納得できます。

  • 序盤から専門用語が多い
  • 世界観をすぐには説明してくれない
  • 戦争を扱うため物語がかなり重い
  • 第2クールで物語の環境が変化する
  • 放送延期でリアルタイム視聴の間隔が空いた

このあたりだけを見ると、確かに万人向けとは言えません。

一方で、作画、3DCG、カット割り、音響、背景美術、人物の配置まで含めて見ると、かなり計算されたアニメです。

特に僕が評価したいのは、テーマを台詞だけで説明しなかったこと。

人物同士の距離を画面の距離として見せ、その積み重ねを終盤まで持っていく。

だから最終回を絶賛する人が多いのも分かります。

ぶっちゃけ、序盤で「何がそんなに面白いん?」となるタイプの作品ではあります。

でも、その分だけ後から効いてくる。

『86』は最初から全部分からせる作品ではなく、視聴者が少しずつ作品との距離を縮めていくアニメなんだと思います。

検索結果のひどいという一言だけで判断するより、重い戦争SFやじっくり積み上げる人間ドラマが好きなら、一度自分の目で確かめてみてください。

逆に序盤を見てどうしても合わないなら、無理に高評価へ合わせる必要もありません。

アニメって、評価点を当てるゲームじゃないですからね。

放送時期、続編、イベントなどの情報は変更される場合があります。

正確な情報は公式サイトをご確認ください。

また、有料サービスの契約や商品の購入などで判断に迷う場合は、利用条件を十分に確認し、必要に応じて最終的な判断は専門家にご相談ください。

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