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『メイドインアビス』2期はひどい?不評の理由を検証

アニメ・漫画

皆さんは『メイドインアビス』という作品を知っていますか?

かわいらしいキャラクターデザインと、底の見えない巨大な縦穴を降りていく冒険。

この組み合わせだけを見ると王道ファンタジーっぽいのですが、実際に観ると「いや、そっちまでやるんかい」と声が出るくらい容赦がありません。

特にTVアニメ2期『メイドインアビス 烈日の黄金郷』について調べると、2期はつまらない、テンポが悪い、グロい、気持ち悪い、過去編が長いといった言葉が気になる人も多いはずです。

成れ果て村に入ってから1期のような冒険感が薄れたと感じたり、ナナチの出番が気になったり、そもそも映画を含めた見る順番が分からず、話についていけなくなった人もいるかもしれません。

僕も映像作品を年間数百本観ていますが、『烈日の黄金郷』は1期と同じテンションを期待すると、かなり面食らうタイプの続編です。

ただ、映像の作り方まで追っていくと、単純に「2期になってつまらなくなった」と片付けるにはあまりにも惜しいんすよ。

この記事では重要なネタバレをできるだけ避けながら、『メイドインアビス』2期がひどいと言われる理由と、それでも高く評価される理由を、構成・カメラ・音・声優の演技まで含めて掘っていきます。

  • 2期がつまらないと言われる理由
  • グロさや気持ち悪さが増した理由
  • 成れ果て村編と過去編の見方
  • 1期・映画・2期の正しい見る順番

『メイドインアビス』2期がひどい理由

『メイドインアビス』2期に対する否定的な感想を見ていくと、映像の品質が急に落ちたというより、1期で好きになった要素と2期が重点的に描くものの違いで評価が割れている印象です。

1期は「次の階層には何があるんだろう」という下降型の冒険そのものが推進力でした。

ところが2期は、一つの場所と、そこに染みついた記憶や価値観を掘り続けます。

だからこそ、同じ作品なのに視聴時の感触がかなり違うんですよね。

僕が感じる最大のポイントは、2期が旅の物語から滞在の物語へ切り替わっていることです。

この切り替えを面白いと感じるか、停滞と感じるかで評価がかなり変わります。

2期はつまらない?

結論から言うと、『メイドインアビス』2期をつまらないと感じる人がいるのは、かなり理解できます。

ただ、僕は作品そのものの完成度が低いというより、1期とは面白さを発生させる仕組みが違うことが大きいと思っています。

1期では、リコとレグがアビスを下降するたびに風景が変わり、生物が変わり、ルールまで変化していました。

視聴者はキャラクターと一緒に未知の場所へ踏み込めるので、画面そのものに「次を見たい」という欲求が発生します。

いわばロードムービーに近い設計です。

それに対して2期は、成れ果て村という限られた場所に腰を据え、そこに存在する社会や価値観を徐々に見せていきます。

場所を移動することで情報を追加するのではなく、同じ場所を何度も見せながら意味を変化させていくんです。

この違い、アニメとしてはかなりデカい。

最初は奇妙でちょっとコミカルに見えたものが、背景を知ったあとにはまったく別のものとして見えてくる。

映画でいうなら、ロケーションを次々変える冒険映画から、一つの町の歴史を掘り返す群像劇へジャンルチェンジしたような感覚ですね。

ネット上でも「1期のようにどんどん先へ進む感じがない」という趣旨の反応が見られる一方、作品レビューでは2期そのものを高く評価する声もかなり目立ちます。

なので、つまらないという感想そのものを否定する必要はありません。

冒険のスピード感を求めていた人にとっては、確かに好みから外れやすいです。

逆に、設定の裏側や人間の欲望が形になっていく過程が好きなら、2期のほうが刺さる可能性すらあります。

2期は1期の劣化版ではなく、同じ世界を別ジャンルの文法で撮った続編。

僕にはそんな作品に見えました。

テンポが悪い?

テンポについては、2期への苦言として一番納得しやすいポイントです。

ぶっちゃけ、中盤で「まだ村にいるんだ」と感じる瞬間はあります。

1期は階層を降りること自体が物語の進行として目に見えました。

一方、2期では物理的な移動量が少なくなるため、物語が止まったように感じやすい。

実際、海外のファンコミュニティでも「1期は複数の階層を進んだのに、2期は一つの場所へ長く滞在する」という点をテンポの違いとして挙げる反応があります。

ただし、ここで面白いのが、場所は進まないのに情報量はかなり多いことです。

価値という概念、村独自の決まり、登場人物それぞれの欲望、現在と過去のつながり。

画面上の移動速度と、物語内部の情報密度が逆方向になっています。

だから「テンポが遅い」と「内容が薄い」はイコールではありません。

むしろ2期は情報を詰め込みながら、視聴者にその意味をすぐ説明しない。

このため、体感時間が長くなりやすいんです。

映像面でも同じです。

村では遠景の冒険ショットより、キャラクターと異形の住人を同じフレームへ収める場面が増えます。

視線の高さや距離感を使い、「ここにはここの日常がある」と思わせてから違和感を差し込む。

カットが次へ次へと観客を運ぶのではなく、画面の中を観察させる方向へ変わっているんですね。

ただ、毎週1話ずつ追う視聴方法では、この構成がじれったく感じやすいのも事実です。

話の全貌が見えるまで判断を保留させる場面が多いため、一気見のほうが構造を掴みやすい作品だと僕は感じます。

Z世代って短尺動画に慣れまくっているので、数十秒単位で刺激が切り替わる映像を日常的に浴びています。

その感覚で観ると、この「分からない状態に滞在させる」演出は結構しんどい。

でも、だからこそ後半で意味がつながった瞬間の感覚が独特なんすよ。

グロい描写

『メイドインアビス』2期がひどいと言われる理由として、グロい描写は避けて通れません。

しかも本作の嫌らしいところは、単純に血の量を増やして怖がらせる作品ではないことです。

もっと生理的。

肉体の形、食べること、生き物として存在すること、その境界線をグニャッと崩してきます。

僕が映像的にかなり上手いと思うのは、残酷な場面だけ急にホラー映画の画作りへ変えないところです。

背景美術は美しいまま。

キャラクターの丸みも残る。

色彩も世界観から大幅には逸脱しません。

なのに起こっている出来事だけがえげつない。

かわいい画面と残酷な情報を同じフレームへ同居させることで、脳が逃げる場所をなくしているわけです。

普通のホラーなら、暗い画面や不穏な音楽が「ここから怖いですよ」と教えてくれます。

『メイドインアビス』は、その予告線がかなり曖昧。

日常っぽいやり取りのすぐ横に異様なものが存在していて、住人たちもそれを当たり前として受け入れている。

この温度差がグロさを増幅しています。

レビューでも、作品を高く評価しながら同時に「グロい」「残酷」と感じている反応が確認できます。

僕はここを単なる悪趣味とは切り捨てたくありません。

アビスという場所では、人間社会で当たり前だと思っていた身体のルールや倫理が通用しない。

その事実をセリフだけではなく、視聴者の身体感覚にまで届けるのがグロ描写の役割だからです。

とはいえ苦手な人に「芸術だから我慢して観ろ」なんて言うつもりもありません。

無理なものは無理です。

映像表現として意味があっても、不快感まで消えるわけではないっすからね。

気持ち悪い場面

グロいと気持ち悪いは、似ているようでちょっと違います。

2期で僕がキツいと思うのは、直接的な残酷表現以上に、価値観の基準がこちら側と噛み合わない瞬間です。

成れ果て村では、僕たちが普段使っている「かわいそう」「それはやってはいけない」「普通はこうする」という物差しが簡単には通用しません。

だから視聴者は、画面のどこへ感情を置けばいいのか分からなくなる。

この居心地の悪さが気持ち悪さにつながっています。

演出もかなり意地悪です。

異形のキャラクターを怪物として遠ざけるのではなく、会話させ、生活させ、個性まで与える。

すると最初は「怖い見た目だな」と思っていた存在へ少しずつ親近感が湧いてきます。

そこで倫理的に理解しにくい出来事をぶつけられる。

僕たちが勝手に作った安心できるカテゴリーを、後からひっくり返してくるんですよ。

この感覚って、現実の人間関係にも少し似ています。

仕事でも学校でも、最初は「この人はいい人」「この人は苦手」とラベルを貼りたくなるじゃないですか。

でも関わっていくと、その二択では説明できない部分が出てくる。

『メイドインアビス』2期は、それを極端なファンタジーとして突きつけているように感じます。

僕は2期の気持ち悪さを欠点だけとは見ていません。

理解できない文化の中へ観客を放り込み、簡単に善悪判定できない状態を作ること自体が、この章の体験になっています。

とはいえ、生理的な描写が苦手な人にはかなりハードです。

そこは「名作なんだから大丈夫」と無理して突破する必要はありません。

成れ果て村とは

成れ果て村は、2期の評価を左右する最大の舞台です。

公式サイトでも、深界六層に存在し、成れ果てたちが独自の価値観のもとで暮らす村として紹介されています。

(出典:TVアニメ『メイドインアビス』公式サイト)

重要なのは、成れ果て村が単なる次のダンジョンではないことです。

普通の冒険作品なら、新しい土地へ到着すると、新しい敵、新しい目的、次の出口が提示されます。

でもこの村は、それ自体が一つの社会として出来上がっている。

通貨に近い概念もあれば、生活もあり、住民同士の関係もあります。

そのため、リコたちは「攻略する冒険者」ではなく、一時的に異文化へ入ってきた旅行者のような立場になるんですね。

僕が好きなのは、背景美術までこの感覚に付き合っているところです。

直線的で人工的な街並みではなく、生物の内部なのか建造物なのか判別しにくい形が画面を埋める。

通路ひとつ取っても、人間向けに設計された空間という安心感がない。

それなのに住人は普通に生活している。

視聴者にとっての異常が、住民にとっての日常として撮られている。

ここがめちゃくちゃ重要です。

僕たちの社会でも、お金や肩書や学歴に「価値がある」と全員で信じているからシステムが成立しています。

就活していると特に感じるんですが、会社名や年収や市場価値みたいな数字に自分まで換算されていく瞬間があるんすよね。

成れ果て村を見ていると、「じゃあ自分にとって価値って何なんだ」と普通に刺されます。

ファンタジーの奇妙な村なのに、テーマは恐ろしく現実的。

このあたりから『メイドインアビス』2期は、冒険アニメというより価値についての寓話に近づいていきます。

過去編が長い?

2期では現在のリコたちだけでなく、過去の出来事も大きな比重を持ちます。

ここも「長い」「本編が進まない」と感じやすい部分です。

僕も最初は、早くリコたちの続きを見せてくれと思いました。

これ、ぶっちゃけ分かるんすよ。

すでに好きになっている主人公たちがいるのに、別の人物たちへ長く時間を使われたら、視聴者としては焦れます。

ただ、最後まで見たあとでは、この過去パートを短くすると2期そのものが成立しにくかったとも感じます。

なぜなら成れ果て村は「変な場所」として存在しているのではなく、誰かの選択が積み重なった結果として存在している場所だからです。

場所のルーツを知らないまま終盤へ進むと、目の前で起きる出来事が単なる奇抜なファンタジーになってしまいます。

そのためアニメは、現在と過去を別々の説明コーナーとして処理せず、少しずつ交差させています。

ここで編集が効いてくる。

現在側で疑問を作り、すぐ答えを出さずに過去側へ移動する。

過去側でも全部は説明せず、再び現在へ戻す。

この往復運動によって、「何が起きたのか」より「どうしてここまで来てしまったのか」を考えさせる構成です。

ただし、欠点がないわけではありません。

固有名詞やルールを覚えながら別時代の人物関係まで追うので、初見では頭が結構忙しい。

ながら見との相性もかなり悪いです。

スマホ見ながら流していると、後半で「この人誰だっけ」が普通に発生します笑。

なので過去編が長く感じた人には、一気に数話見直すのがおすすめです。

場面同士の対応が見えると、印象がかなり変わります。

『メイドインアビス』2期はひどいだけ?

ここまで不満が出やすいポイントを見てきましたが、『烈日の黄金郷』を「ひどいアニメ」の一言で終わらせるのはかなり無理があります。

むしろ僕が面白いと思うのは、嫌悪感や停滞感まで作品体験へ組み込んでいることです。

気持ちよく冒険させるだけなら、もっと分かりやすい構成にできたはず。

それをやらず、理解しにくい文化の中で立ち止まらせる。

この攻め方は万人向けではありませんが、作り手の意図が見える作品としてかなり見応えがあります。

ナナチの出番

ナナチ目当てで2期を観る人はかなり多いと思います。

分かる。

んなぁ〜は正義。

ただ、2期では「ナナチがずっと中心で活躍する物語」を期待すると、少し肩透かしになる可能性があります。

一時的に物語の中心から距離ができるため、「もっとナナチを見たい」という人には物足りなく感じる場面もあるでしょう。

僕はここ、人気キャラだから無理やり見せ場を増やす方向へ行かなかった点をむしろ評価しています。

ナナチはすでに1期から映画にかけて、かなり大きな感情の物語を背負っています。

2期でまた同じタイプの悲劇を中心に据えると、作品全体がナナチの人気に寄りかかりかねません。

そこで新しい人物と村の歴史へカメラを渡した。

シリーズを長く続けるうえでは必要な判断だったと思います。

とはいえナナチの物語が雑に放置されるわけでもありません。

過去の感情と向き合う場面では、井澤詩織さんの声がかなり効いています。

『メイドインアビス』って絶叫が注目されがちですが、僕はむしろ言葉になる直前の息遣いが好きです。

ナナチの場合、普段の少し崩した口調があるからこそ、感情が揺れた瞬間の声の質感が刺さる。

アニメは顔の作画だけで感情を説明せず、声にかなり預けています。

これは映像作品としてうまい。

原作のコマでは読者が想像していた「間」に、声優が時間を与えているからです。

ナナチの出番の量だけを見ると不満が出るのは分かります。

ただ、その限られた時間の中で何を背負わせるかという点では、かなり丁寧に扱われています。

2期の評価

『メイドインアビス』2期について検索すると「ひどい」が目立つので、評判の悪い続編だと思ってしまうかもしれません。

でも実際には、作品レビューではかなり好意的な評価も見られます。

Filmarksでは2026年9月時点でも4点台の評価となっており、最近のレビューでも残酷さに触れながら作品自体を高く評価する投稿が確認できます。

もちろんレビューサイトの点数だけで作品の良し悪しを決めるつもりはありません。

僕が面白いと思うのは、褒めている人まで「グロい」「つらい」と言っているところです。

普通ならマイナス要素になるものが、本作では魅力と表裏一体になっています。

映像面でも、2期は相変わらず世界のスケール感を崩していません。

アニメーション制作はキネマシトラス。

監督は小島正幸さん、シリーズ構成・脚本は倉田英之さん、音楽はKevin Penkinさんという布陣です。

特にKevin Penkinさんの音楽は、感情を直接泣かせに来るというより、アビスそのものが巨大な宗教施設みたいに感じられる響きを作っているのが好きなんですよ。

人間ドラマを見ているはずなのに、音が入った瞬間、個人の人生より遥かに大きな時間の中へ放り込まれる。

このスケールの広げ方は映像と音響がセットになって初めて成立します。

また、ファプタを演じる久野美咲さんの芝居もかなり印象的です。

かわいらしさと獣っぽさ、怒り、幼さを全部同じキャラクターの中へ入れる必要がある。

文字だけなら一つの語尾で統一されるセリフでも、アニメでは声の速度や呼吸、音圧によって意味が変わります。

ここは「アニメ化してよかった」と思える部分でした。

僕の中では、2期は気軽に何度も見返したい作品ではありません。

精神的に普通に疲れます笑。

でも「もう見たくない」と「出来が悪い」は別なんですよ。

むしろ忘れにくさでは相当な作品です。

原作との違い

原作漫画とアニメでは、同じ物語でも体験の質が変わります。

漫画では自分のペースでコマを止められるので、成れ果て村の複雑な造形や背景にある情報をじっくり追えます。

理解できなければ前のページへ戻れるのも大きい。

一方、アニメは時間が自動的に進みます。

そのかわり、音、声、色、カメラ移動によって「考える前に感じさせる」ことができます。

2期ではこの違いがかなり大きいです。

例えば異形の存在が登場したとき、漫画なら読者は造形を見ながら自分の速度で受け止められます。

アニメではそこへ動きと声が乗る。

さらに環境音まで入る。

すると「絵として奇妙」だったものが、一気に「そこに生きている何か」へ変わるんですよ。

僕は映像オタクなので、この変換を見るのがめちゃくちゃ楽しい。

特に成れ果てたちのアニメーションは、人間らしい動作へ寄せすぎないのがいい。

完全なモンスターとして動かすのでもなく、人間の芝居をそのまま移植するのでもない。

その中間に置くことで、不思議と生活感が生まれています。

一方で、アニメには尺があります。

漫画なら立ち止まって読める複雑な設定も、映像では数十秒の会話として通過する。

そのため「何を言っているのか分からない」と感じる部分は、原作よりアニメのほうが生まれやすいと思います。

ここはあえて苦言を呈したい。

世界観へ没入している人には気持ちいいのですが、初見への説明としては不親切な瞬間があります。

分からないものは分からないです。

そこまで全部「考察しがいがある」で済ませる必要はないと思っています。

映像の迫力や声優の演技を浴びたいならアニメ。

設定や背景を自分の速度で読み込みたいなら原作。

どちらが上というより、『メイドインアビス』は媒体によって楽しみ方がかなり変わる作品です。

見る順番

『メイドインアビス』2期を観て「話が分からない」「いつの間にこんな状況になったの?」となった人は、まず見る順番を確認してください。

ここ、かなり重要です。

TVアニメ1期の直後にそのまま2期へ進むのではなく、間に『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』が入ります。

この映画はおまけの外伝ではありません。

1期から2期へ物語をつなぐ本編です。

順番作品位置づけ
1TVアニメ『メイドインアビス』物語の始まり
2『劇場版メイドインアビス 深き魂の黎明』1期の続き
3『メイドインアビス 烈日の黄金郷』TVアニメ2期

なお、『旅立ちの夜明け』『放浪する黄昏』はTVアニメ1期を再構成した総集編なので、TVシリーズ1期をすでに観ている場合、本筋を追うために改めて必須というわけではありません。

初見なら、TV1期から『深き魂の黎明』、そして『烈日の黄金郷』という流れが分かりやすいです。

映画を飛ばして2期へ行ってしまうと、キャラクターの状況や重要なアイテムについて「説明されていない情報が突然出てきた」ように感じます。

それで2期を「意味不明」「つまらない」と判断してしまったなら、作品側ではなく視聴順が原因になっている可能性があります。

僕もシリーズ物でたまにやらかしますが、最近のアニメってTVシリーズの間へ劇場版を挟むケースが普通にあるので油断できないんすよね。

サブタイトルだけでは総集編なのか完全新作なのか分かりにくいのも罠。

『メイドインアビス』の場合は、最低限「1期→深き魂の黎明→2期」だけ覚えておけばOKです。

なお、配信状況や上映状況は時期によって変わるため、視聴する際は各配信サービスや作品公式サイトで最新情報を確認してください。

2期ひどい説まとめ

『メイドインアビス』2期がひどいと言われる背景には、確かに分かりやすい理由があります。

1期より舞台の移動が少なく、成れ果て村へ長く滞在する。

過去パートも大きく扱われる。

グロい描写や生理的に気持ち悪い表現もあり、気軽に見られるアニメとは言いにくいです。

ナナチたちの冒険だけをテンポよく追いたい人には、途中で「これじゃない」と感じる可能性もあります。

だから「ひどい」と感じた人の感想まで間違いだとは思いません。

ただ、僕が最後まで観た感覚では、2期は出来が悪くなったというより、作品が意図的に気持ちいい冒険から離れたというほうが近いです。

1期ではアビスを降りることが未知との遭遇でした。

2期では、一つの場所へ留まり、その場所がどうして生まれたのかを見ること自体が未知との遭遇になります。

つまり、「次はどこへ行くのか」という横方向の興味から、「目の前にあるものは何なのか」という縦方向の興味へ変わった。

この構造変更が合わなければ、2期はかなりつらい。

逆にハマれば、1期以上に『メイドインアビス』という作品の思想が見えてきます。

僕が特に好きなのは、価値というテーマです。

人は何に価値を感じるのか。

自分にとって大切なものと、他人にとって大切なものが衝突したらどうするのか。

そして願いは、本当に叶えば幸福なのか。

ファンタジーの皮をかぶっていますが、やっていることはかなり人間臭い。

現実でも僕らは、会社から見た価値、SNS上の数字、他人からの評価みたいな尺度に囲まれて生きています。

でも、それらが自分の価値そのものなのかと言われると、たぶん違う。

成れ果て村を見ていると、その当たり前を一度グチャッと壊される感覚があります。

そこまで踏み込んでいるから、かわいいキャラクターが未知の世界を旅するだけでは終わらない。

そして僕は、そこが『メイドインアビス』の一番怖くて、一番面白いところだと思っています。

『メイドインアビス』2期は万人向けではありません。

テンポ、グロ描写、成れ果て村、過去編の比重は間違いなく好みが分かれます。

しかし、それらは単なる失速ではなく、2期が「冒険の先にある価値と願い」を描くために選んだ表現でもあります。

なので、「『メイドインアビス』2期はひどいらしいから観なくていい」と検索結果だけで切ってしまうのは、ちょっともったいないです。

1期と『深き魂の黎明』まで好きだったなら、少なくとも成れ果て村が何を意味しているのかが見えてくるところまでは付き合ってみてほしいっすね。

そのうえで合わなければ、それはもう相性です。

名作だから全員が好きになる必要なんてない。

でも映像、音楽、声優の芝居、そして物語の構造まで含めて見ると、『烈日の黄金郷』は「ひどい」の一言では到底収まらない、かなり異様で面白い続編でした。

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