よふかしのうたのアニメがひどい理由は？魅力や評価、配信なども含めて解説！

アニメ『よふかしのうた』は、独特の夜の世界観と吸血鬼との交流を描く異色の青春ストーリーとして注目されました。

しかし、その一方で「ひどい」との声も一部に存在しています。

なぜそうしたようふかしのうたのアニメが「ひどい」という評価が生まれたのか？

ここでは、アニメの基本情報やあらすじを紹介しつつ、「ひどい」と言われる理由と、逆に高評価を得ている魅力についても掘り下げていきます。

よふかしのうたのアニメがひどい：基本情報と評価

アニメ『よふかしのうた』のSeason1は、2022年7月から9月まで放送され、全13話で構成されています。

Season2は2025年７月より放送予定です。

原作は『だがしかし』で知られるコトヤマ先生による同名漫画で、週刊少年サンデーで連載されていました。

アニメーション制作はライデンフィルムが担当し、監督は板村智幸氏が務めています。

あらすじ

夜守コウは不登校の中学2年生。日中の生活に意味を見出せなくなった彼は、夜の街に強い魅力を感じるようになります。学校にも家庭にも居場所を見い出せず、孤独を抱えながら夜の散歩に出る日々を過ごしていたある日、彼は運命的に吸血鬼の少女・七草ナズナと出会います。

ナズナはどこか気だるげで自由奔放な性格の持ち主で、人間とは一線を画すミステリアスな存在です。彼女との出会いは、コウの人生を大きく変えるきっかけとなります。ナズナに血を吸われたことで、コウは「吸血鬼になりたい」と強く願うようになりますが、吸血鬼になるには“吸血鬼に恋をする”という特別な条件が必要であると知らされます。

恋愛を経験したことのないコウは、ナズナに恋をするという目的を持って夜の街に通うようになり、次第に夜の世界に深く関わっていきます。吸血鬼との不思議な関係、彼らの生態やルール、そして同じように夜に彷徨う人間たちとの出会いが、コウに新たな価値観や問いを与えていきます。

この物語は、昼の世界では得られない自由と孤独が広がる夜という舞台で、自分自身と向き合い、誰かと関わることの意味を探し続ける少年の成長を描いています。誰かとつながること、孤独を受け入れること、そして選択することの重みが、静かに、しかし確かにコウの中で変化をもたらしていくのです。

主な登場人物＆声優

• 夜守コウ（CV：佐藤元）
  不登校の中学2年生で、日中の生活に価値を見出せなくなり、夜の世界に足を踏み入れた少年。無表情で淡々としているが、内面には複雑な感情を抱えており、ナズナとの出会いを通して変化していく。吸血鬼になりたいという思いから、夜の街に足繁く通うようになる。
  
• 七草ナズナ（CV：雨宮天）
  自由奔放で気まぐれな性格の吸血鬼。コウに血を吸わせることで夜の楽しさを教え、彼の世界を広げていく。見た目は幼く見えるが、実は年齢不詳で、どこか影のあるキャラクター。恋愛には疎く、コウとの関係にしばしば戸惑いを見せる。
  
• 朝井アキラ（CV：花守ゆみり）
  コウの幼なじみで、彼の不登校を心配している少女。明るく真面目で友達思い。コウが夜に出歩くようになったことを気にしており、再び日常に引き戻そうと努力する。彼の変化に戸惑いながらも、理解しようとする姿勢が描かれている。
  
• 鶯餡子（CV：沢城みゆき）
  探偵を名乗る謎多き女性。表向きは落ち着いた大人の女性だが、実は吸血鬼を敵視しており、彼らの存在に強い執着を見せる。コウに接近し、吸血鬼との関係に警鐘を鳴らすが、その真意は複雑で、物語に緊張感を与える存在。
  
• 桔梗セリ（CV：戸松遥）
  ナズナと同じく吸血鬼で、人間との関係に積極的なスタンスをとっている。外見はクールで華やか、口調も大人びており、自信家な一面がある。ナズナとは性格が対照的で、コウとの関係性にも興味を示す。

アニメ概要：何話までアニメ化？

アニメ『よふかしのうた』の１期では、原作の序盤から中盤、具体的には第1巻から第4巻前後までのストーリーが丁寧に映像化されています。

主人公・夜守コウと吸血鬼・七草ナズナの出会いから始まり、夜の街を舞台にした彼らの交流、吸血鬼として生きることの条件やルールについての描写、そして物語を大きく動かす存在である探偵・鶯餡子の登場に至るまでが描かれています。

特にコウが吸血鬼になるための条件——「吸血鬼に恋をすること」という設定を巡って展開される彼とナズナの微妙な関係性や、吸血鬼たちそれぞれのキャラクターの背景などが丁寧に描写されており、世界観を深く掘り下げた構成になっています。

また、アニメでは原作の台詞や演出をほぼ忠実に再現しつつ、ナズナの不器用な優しさやコウの繊細な心情がより視覚的に伝わるよう工夫が施されています。

このように、アニメ第1期では物語の起点とテーマが集約された重要なパートが網羅されており、続編への布石としても意味のある構成となっています。

評価

レビューサイトでは平均して3.7点前後と比較的高い評価を記録しています。

特に作品の世界観やビジュアル、そして音楽に対する称賛が目立っており、「夜の描写が美しく幻想的」「音楽が物語と絶妙にマッチしていて没入感が高い」といった声が数多く寄せられています。

また、主題歌を担当したCreepy Nutsの楽曲センスが作品の雰囲気と非常に合っているという意見もあります。

その一方で、「ストーリーがあまり進展しない」「会話中心でアクション性に欠ける」など、ストーリー展開や演出のテンポ感についての不満も見られます。

SNS上では「ゆったりした雰囲気が心地よい」と感じる視聴者と、「何も起きないまま終わる印象を受けた」と感じる視聴者で意見が分かれる傾向にあります。

加えて、キャラクター同士の関係性の描写に対して「繊細でリアル」と評価する人もいれば、「感情の動きが乏しく、感情移入しづらい」と感じる人もおり、作品の特性が評価に強く影響していることがうかがえます。

全体としては、作品の雰囲気や演出、音楽面に高評価が集まっているものの、ストーリー性やテンポに対しては好みが分かれるという評価結果となっています。

詳しい「ひどい」という理由については後ほど解説します。

配信

2025年時点で、『よふかしのうた』は以下の配信サービスで視聴可能です：

配信サービス名	配信形態	無料体験期間	月額料金（税込）
U-NEXT	見放題	31日間	2,189円
DMM TV	見放題	14日間	550円
dアニメストア	見放題	31日間	550円
Hulu	見放題	なし	1,026円
Netflix	見放題	なし	790円〜
FODプレミアム	見放題	なし	976円
TELASA	見放題	15日間	618円

※時期によって配信情報は異なるので、適宜公式サイトをチェックしてください。

よふかしのうたのアニメがひどい理由と魅力

ここからは、なぜ「ひどい」と言われてしまうのか、その具体的な理由を挙げつつ、その一方で評価されている点についても紹介していきます。

ひどい理由１：ストーリー展開が遅すぎる

原作に忠実であることは一定の評価を受けていますが、アニメとしての展開に期待していた視聴者にとっては、物語のテンポが非常に緩やかである点が物足りなさにつながっているようです。

特にアニメの第1話から第3話にかけては、主に舞台設定の説明や登場人物の紹介が中心であり、ストーリー上の大きな動きやドラマチックな展開がほとんど見られません。

そのため、視聴者の中には「何も進展しない」「話が動かない」という印象を受けてしまう人もいました。

さらに、主人公のコウとナズナの関係性も最初は大きく変化せず、淡々と夜の街を歩いたり、雑談を重ねたりするシーンが続くため、物語に起伏を求める層には単調に映ってしまう傾向があります。

作品の持つ空気感や会話の間を楽しめるタイプの視聴者には響く一方で、テンポ重視の視聴者には途中で離脱されやすい構成となってしまっているのです。

また、アニメという表現形式であるにもかかわらず、ビジュアルや演出を通じたストーリーテリングよりも、静かで抑制された描写が中心となっており、視覚的な盛り上がりを求める視聴者にとっては物足りなさが際立ちます。

ひどい理由２：作画が安定しない回がある

全体として作画の評価は非常に高く、特に夜の背景描写やライティングにおいては絶賛の声も少なくありません。

しかし、全13話を通して完全に安定していたわけではなく、一部の回では明らかに品質のばらつきが見られました。

背景とキャラクターの動きの整合性が取れていないシーンや、遠景での作画が簡略化されすぎていたシーンが複数確認されています。

特に指摘が多かったのは、第5話や第9話など、アクションや吸血鬼らしい動きが求められる場面での違和感です。

キャラクターの動作が滑らかでなかったり、顔のパーツの位置が崩れていたりといった描写の粗が、没入感を妨げる要因となってしまいました。

また、動きのあるシーンにおいて演出が精彩を欠く場面もあり、緊張感が薄れてしまうといった意見も見受けられました。

このような作画の乱れは、特に美しい映像に期待していた視聴者層にとっては大きな不満材料となったようです。

とはいうものの、全体的に一定基準の作画クオリティは超えていると思いました。

より上位のレベルを目指している人には、上記のように写ったのだと思います。

アニメーションという表現手段において作画の安定性は物語の説得力にも直結するため、クオリティの波は作品全体の評価に少なからず影響を及ぼしています。

ひどい理由３：BGMやSEの音量バランスが悪い

音楽のクオリティは高く、Creepy Nutsによる主題歌や劇伴のセンスも作品の魅力の一つとされていますが、一部の視聴者からは「BGMの音量が大きすぎてセリフが聞き取りづらい」との不満が上がっています。

これは特に、ナズナとコウが静かな夜の街を歩きながら会話するようなシーンで顕著に感じられ、視聴の妨げになってしまうこともあるようです。

本作は「夜の静けさ」や「孤独」を大切にした演出が特徴であり、そうした空気感を損なわない音響設計が求められる作品です。

そのため、BGMやSE（効果音）の音量がセリフにかぶってしまうと、雰囲気を味わいにくくなってしまいます。

また、耳障りと感じるほどの音響の偏りは、繊細な感情の動きやキャラクター同士の空気感を感じ取る妨げになるとの指摘もあります。

一方で、音楽自体のクオリティや選曲は非常に評価されており、「もう少し音響バランスを調整すればさらに良くなるのに」と惜しまれる声も多数見られました。

演出や音楽の方向性自体は良好であるにもかかわらず、その「配置」の問題によって、作品全体の印象に影を落としてしまっていることが、視聴体験の質を左右している一因となっています。

ひどい理由４：感情の盛り上がりに欠ける

淡々とした雰囲気を重視する作風のため、キャラクターの感情が爆発するようなシーンが少なく、感情の起伏が緩やかで視聴者の共感を得にくいと感じる人もいました。

特に青春ものとしての熱量や、バトルアニメ的なドラマチックな展開を期待して見始めた層にとっては、登場人物たちの静かなやり取りが続く展開に物足りなさを感じたようです。

コウとナズナの関係性は、恋愛と友情の間を揺れ動く微妙な距離感が魅力でもありますが、その曖昧さが「感情の爆発」や「葛藤の深さ」として描かれることが少なく、観ていて盛り上がる瞬間に欠けるという指摘につながっています。

感情の揺れが丁寧に描かれているという評価もありますが、それを「静かすぎて平坦」と受け止める視聴者も一定数存在します。

また、演出においても急激な展開や強い感情を引き出すようなカメラワークや音楽の盛り上げが控えめなため、全体として静的で落ち着いた印象を受ける構成になっています。

こうした演出が作品の魅力でもある一方で、エンタメ性を求める視聴者にとっては「心が動かされる瞬間が少ない」と感じられてしまったのかもしれません。

魅力１：夜の描写と世界観が圧倒的に美しい

タイトル通り「夜」が主題である本作は、その背景美術やライティングに非常に力が入っており、視聴者に夜の持つ静けさや広がり、そして時に不安や期待を感じさせる空気感を余すところなく伝えています。

特に、街灯やネオンが反射する都会の風景や、アスファルトに映る光、そしてわずかな風の音など、細部にわたる描写が非常に丁寧で、「夜の空気」が肌に感じられるような演出となっています。

また、ライティングにおいても工夫が凝らされており、シーンごとの感情や雰囲気を視覚的に支える要素として大きな役割を果たしています。

ナズナとコウが歩く場面では、時に柔らかい青みがかった照明が使われ、孤独や安心感を同時に表現していたり、夜の都会の無機質な光が人の感情を映し出すような印象を与えたりします。

さらに、夜の描写は単に風景美に留まらず、キャラクターの内面と密接にリンクしている点も注目すべき魅力です。

夜の中でしか呼吸できないような登場人物たちの心の在り方と、作品全体の色彩設計が美しく融合しており、視覚的に「夜ふかしの気分」を体感できるというよりも、感情と風景が一体化したような没入感を味わえる構成となっています。

このように、視覚表現を通じて「夜」というテーマを極めて高い精度で描写した本作は、その美しさと表現力によって、多くの視聴者の心を強く惹きつけることに成功しています。

魅力２：音楽と主題歌のセンス

Creepy Nutsによる主題歌「堕天」やエンディング「よふかしのうた」は、作品の世界観に完璧にマッチしており、視聴後も耳に残る印象的な楽曲です。

彼らの音楽は、深夜の静けさや青春の葛藤、吸血鬼との非日常的な世界観を絶妙に音で表現しており、楽曲単体としても非常に高い評価を受けています。

また、劇伴（BGM）はシーンごとの雰囲気を丁寧に演出し、視聴者の感情を自然と導いてくれる存在です。

例えば、ナズナとコウが静かに語り合うシーンでは、控えめで余韻のある旋律が使用され、彼らの心の距離感を繊細に描き出しています。

一方で、吸血鬼特有のスリリングな展開や緊張感のある場面では、重厚なリズムや不協和音が効果的に用いられ、視聴者に独特の緊張感を与えます。

さらに、音楽全体のディレクションも洗練されており、映像と音のタイミングが絶妙で、まるで一本のMV（ミュージックビデオ）を観ているかのような一体感があります。

音楽が単なる背景にとどまらず、作品の演出の一部として機能している点が、他作品との差別化にもつながっています。

魅力３：キャラクター同士の距離感の描写

ナズナとコウの距離感や、吸血鬼たちの個性豊かな関係性が、どこか「ゆるくも深い」ものとして描かれており、多くの視聴者が共感しました。

恋愛というよりも「夜の友達」という関係性の新しさが好評です。

ナズナはコウに対して常に距離を取りつつも、どこかで彼を見守っており、一方のコウもナズナに対して恋愛感情と憧れの境界を曖昧にしたまま接していきます。

この「言葉にしない関係性」こそが本作の魅力であり、明確に定義されない人間関係のなかにこそリアルがあるというテーマが感じ取れます。

また、他の吸血鬼たちもそれぞれが自分なりのスタンスで人間と接しており、愛情や興味、支配や同情といった感情が複雑に絡み合っています。

こうしたキャラクター同士の絡みが、ただの対立構造やラブコメの枠に収まらず、作品全体に深みを与えています。

これらの距離感は、現代の若者が抱える「つながりたいけど縛られたくない」というジレンマをうまく表現しており、多くの視聴者にとって身近に感じられるテーマとして共鳴しています。

魅力４：思春期の孤独と夜の自由を描いたメッセージ性

夜にしか自由になれない少年が、吸血鬼との出会いを通じて自己のアイデンティティを模索する——そんな本作のテーマは、現代の多くの若者にとって強く共鳴するものとなっています。

特に、学校や家庭、社会の枠に居場所を見いだせず、自分が本当に何者であるかを問い続ける若者たちにとって、この作品はまるで“夜という時間の中にだけ自分が存在してよいと認められる”という優しい救済の物語として受け止められています。

夜の街を歩くという行動自体が、現実のルールから解き放たれた自由の象徴となり、そこに登場する吸血鬼たちは、社会の常識にとらわれない“もう一つの生き方”のメタファーとして描かれています。

コウがナズナと出会い、自分自身の内面を探る過程は、自己肯定感や承認欲求、孤独との向き合い方など、思春期特有の心理を非常に繊細に描いています。

また、本作では派手な演出や感情の爆発よりも、静かで穏やかなやり取りを通じて心の奥深くに訴えかけるセリフや場面が多く、それが逆に視聴者の心に深く染み込む要素となっています。

「何者かにならなければ」というプレッシャーに押しつぶされそうになっている若者に対し、「今のままでも、夜の中でなら生きていける」とそっと寄り添ってくれるような作品の姿勢が、多くの共感と癒しを生み出しているのです。

総括：ポイント

アニメ『よふかしのうた』は、その幻想的な夜の世界観、静かながらも確かな感情表現、そしてCreepy Nutsによる音楽が高く評価される一方で、物語のテンポや演出の抑制的な表現スタイルが「物足りない」「退屈」と感じる視聴者もおり、評価が大きく二分される作品となっています。

特に、登場人物たちの関係性を丁寧に描く一方で、劇的な展開や感情の爆発を求める層には静かすぎると映り、また、作画や音響演出に関しても回によってムラがあることから、没入感を損ねる要因になったことも否定できません。

しかし、それらを補って余りある“夜”という時間と空間に込められた哲学や、思春期の葛藤を映し出す繊細な表現は、まさに他のアニメにはない独自性を生み出しています。

全体を通して、本作は派手さや明快な起承転結を求めるエンタメ志向の作品とは一線を画しており、静謐な空気感や未完成な関係性、そしてどこか満たされない登場人物たちの心の揺れを描くことで、観る人に余白と想像の余地を与える作品です。

その意味で、刺さる人には非常に深く刺さる一方、そうでない人には静かに通り過ぎてしまう、まさに“夜のような”作品だといえるでしょう。

ポイントまとめ：

• 幻想的な夜の描写と音楽が作品の没入感を高めている
• 静かで繊細な表現に魅力を感じる一方で、物語の進行が遅く感じられる視聴者も
• 作画・音響に一定のバラつきがあるため、視聴体験に差が出やすい
• 恋愛要素よりも「つながり」や「孤独」が主題として描かれた新しい青春のかたち
• 評価は分かれやすいが、深く共感する人にとっては人生の一部になるような作品

最後まで読んでいただきありがとうございました。