2025年7月よりPrime Videoで独占配信が始まった実写版ドラマ『笑ゥせぇるすまん』。
藤子不二雄Ⓐの名作漫画を原作に、秋山竜次(ロバート)がモグロ福造を演じることで注目を集めています。
しかし、SNSやレビューでは「面白い!」という声と「ひどい」という声が真っ二つに分かれているのも事実。
本記事では、実写ドラマ『笑ゥせぇるすまん』2025年版の基本情報から、「ひどい」と言われる理由、逆に評価される魅力までを徹底的にまとめました。
結論から言えば――原作再現を求めると物足りないが、秋山竜次のキャラ芸を楽しむ作品として観れば十分アリ。
その理由を詳しく解説していきます。
ドラマ『笑ゥせぇるすまん』(実写2025)の基本情報
実写ドラマ版『笑ゥせぇるすまん』は、藤子不二雄Ⓐの名作漫画を原作とする最新映像化作品です。
2025年7月18日からPrime Videoで全12話が独占配信され、大きな注目を集めました。
配信開始と同時にランキング上位に食い込み、SNSでも話題を独占するなど、幅広い層から注目を浴びました。
ここでは、作品の基本情報をより詳しく整理してご紹介します。
作品概要(放送時期・制作会社・主題歌)
放送時期は2025年7月18日から8月1日までの3週間で、毎週金曜日に4話ずつ配信される形式でした。
短期間で一気に完結するリリーススタイルは「イッキ見」需要に合致し、週末ごとにSNSで大きな盛り上がりを見せました。
制作はテレビ東京とFCCの共同で行われ、演出には伊藤征章や長部洋平など経験豊富な監督陣が参加。
脚本には宮藤官九郎、マギー、細川徹、岩崎う大といった豪華脚本家陣が加わり、原作の持つブラックユーモアを令和の空気感にアップデートしました。
オムニバス形式で、原作の有名エピソードの令和版リメイクや完全オリジナルストーリーを交えて展開することで、原作ファンも初見の視聴者も楽しめる構成になっています。
主題歌は秋山竜次(ロバート)が演じる喪黒福造が歌い踊る「モグリズム」。
この楽曲はエンディングで毎回異なるバージョンが披露され、全12話すべてで映像と音楽が変化するという斬新な演出が施されました。
中毒性のあるリズムと耳に残る歌詞がSNSを中心に大きな反響を呼び、配信当初から「頭から離れない」とトレンド入りするほどの人気を集めました。
さらに、オープニングテーマはアニメ版を手掛けた田中公平によるメインテーマを現代風にアレンジ。
暗闇から喪黒が歩み出てくる演出もアニメ版のオマージュとしてファンに強く支持され、アニメ世代から新規の若年層まで幅広く訴求する仕掛けが盛り込まれています。
(参照サイト:https://www.tv-tokyo.co.jp/warausalesman/)
あらすじ(ネタバレなし紹介)
物語は、黒いスーツと帽子を身にまとった謎のセールスマン・喪黒福造が、人々の“ココロのスキマ”を埋めるために現れるところから始まります。
悩みや欲望を抱えた人物に対し、喪黒は不思議な力やサービスを提供しますが、その代償として必ず「約束」を課します。
その約束を守れば満足が得られるものの、破ってしまったときには容赦なく制裁が下され、人々は破滅の道へと進んでしまう――。
エピソードは一話完結のオムニバス形式で展開され、現代人の欲望や弱さを鋭く切り取って描き出します。
回ごとに主人公となるゲストキャラクターが異なり、彼らがどのように喪黒と出会い、どんな願望を叶え、そしてどのような結末を迎えるのかが見どころとなります。
時にコミカルに、時にシリアスに、そして不条理に物語は進み、視聴者は「もし自分が同じ状況だったら」と想像せずにはいられません。
ブラックユーモアを基盤としつつも、笑いと恐怖が紙一重で交錯する独特の空気感が漂い、ただのホラーでもコメディでもない「大人の寓話」としての味わいが本作の大きな魅力です。
登場人物とキャスト(秋山竜次・山本耕史・仲間由紀恵ほか)
主人公・喪黒福造を演じるのはロバートの秋山竜次。
見た目・声・仕草に至るまで徹底的に作り込み、あの「オーッホッホッホッ」という笑い声も再現しました。
ゲストキャストには、山本耕史、斉藤由貴、千葉雄大、本郷奏多、あの、黒島結菜、井桁弘恵、中川大志、仲間由紀恵、國村隼、勝地涼、濱田岳、小日向文世など、映画や舞台でも活躍する俳優陣が多数出演。
各話の主人公として登場し、喪黒と関わることで人生の転機を迎える役割を担っています。
以下、登場人物とキャストを表にまとめました。
話数 | タイトル | キャラクター名 | キャスト |
---|---|---|---|
第1話 | たのもしい顔 | 頼母子雄介 | 山本耕史 |
第2話 | シーソーゲーム | 肌野羽里世 / 庵地英治 | 斉藤由貴 / 千葉雄大 |
第3話 | ソックリさん | 三重岳ハルオ / 造田花 | 本郷奏多 / あの |
第4話 | 決断ステッキ | 大井真宵 | 黒島結菜 |
第5話 | 夢の一発屋 | 本人役 | 石田重廣 / 保科有里 |
第6話 | デトックスヒロイン | 本音ユウコ | 井桁弘恵 |
第7話 | 地下アイドル | 森コミスギー / ルームシェア娘 | 髙嶋政伸 / OCHA NORMA |
第8話 | 借りパクの泉 | 貸作公平 | 中川大志 |
第9話 | イン主婦エンサー | 飯根星夜 | 仲間由紀恵 |
第10話 | 海馬ガム | 顔出カタル | 國村隼 |
第11話 | ホワイト上司 | 白川かぶる | 勝地涼 |
第12話 | サブスクおじいちゃん | 加手井守 / 大久保彦三郎 | 濱田岳 / 小日向文世 |
配信状況(Prime Video独占配信・全12話)
本作はPrime Video独占配信となっており、他のサブスクサービスでは視聴できません。
配信開始直後には視聴ランキング2位にランクインし、多くのユーザーがアクセスしました。
視聴形態は見放題で、Amazonプライム会員であれば追加料金なしで楽しめます。
評価・レビュー:賛否両論
ドラマ『笑ゥせぇるすまん』(実写2025)に関しては、SNSやレビューサイトでの視聴者の声がはっきり二分しています。
ここでは実際に寄せられた代表的な感想を整理してみます。
肯定的な意見では、やはり秋山竜次の喪黒福造に対する評価が多く見られます。
- 「声のトーンや笑い方までアニメ版を思わせる完成度で驚いた」
- 「秋山さんが喪黒そのものに見えてきて、もう他の俳優では考えられない」
- 「毎回違う『モグリズム』がクセになる。エンディングだけでも楽しめる」
また、ゲストキャストに関しても「仲間由紀恵や國村隼など、普段見られない役どころで新鮮」「各話ごとに豪華な俳優が出てきて飽きない」といった声が上がっています。
SNS上では「今週のゲストが楽しみ」という投稿も多く、キャスティングの話題性が作品を盛り上げていることがわかります。
一方で、否定的な意見も少なくありません。
- 「コントっぽすぎて、シリアスさや不気味さが感じられない」
- 「原作のダークな雰囲気を期待していたので、軽すぎてがっかり」
- 「せっかく豪華キャストなのに、秋山さんに全部持っていかれてしまっている」
特に原作やアニメ版に馴染みがある層からは「ブラックユーモアや背筋が凍る怖さが薄れている」との不満が多く見られました。
まとめると、「秋山竜次のキャラ芸を楽しむ派」と「原作の再現度を求める派」で評価が大きく分かれているのが現状です。
「ひどい」と感じるか「面白い」と感じるかは、どちらの視点で見るかによって大きく変わるといえるでしょう。
このあと、私の意見も踏まえつつ、ひどい理由と魅力をまとめていきたいと思います。
ドラマ『笑ゥせぇるすまん』(実写2025)が「ひどい」と言われる理由
配信が始まるや否や、SNSやレビューサイトでは「面白い!」という声と同時に「ひどい」と酷評する声も多く見られました。
なぜここまで評価が分かれてしまったのでしょうか。
視聴者の意見をもとにその理由を整理します。
ひどい理由① コント感が強すぎてドラマ性が薄い
主演の秋山竜次が持ち前のキャラクター芸を前面に押し出しているため、「コント番組を見ているようだ」という感想が多く寄せられました。
特に第1話の山本耕史との顔芸合戦のような場面は、視聴者から「お笑いネタの延長にしか見えない」という声が上がり、シリアスな物語を期待した人には大きな不満となりました。
さらに、そのコント的な雰囲気が物語の緊張感を削ぎ、原作が持っていたブラックユーモアの皮肉さや恐怖感が霞んでしまったという指摘もあります。
一方で、秋山の芸風を知っているファンからは「コント風だからこそ面白い」と評価する声もあり、作品の見方によって受け止め方が大きく分かれている点も特徴的です。
こうしたギャップが「ドラマ性の薄さ」として批判の的になりつつも、一部では新しい試みとして肯定的に捉えられています。
ひどい理由② 原作のダークさや恐怖感が弱い
原作やアニメ版『笑ゥせぇるすまん』は、人間の欲望や破滅を冷酷に描くダークな作風が特徴です。
登場人物が欲望に振り回され、最後には喪黒によって破滅に導かれる様は、恐怖と皮肉が入り混じったブラックユーモアの真骨頂でした。
しかし実写版では演出が全体的にコメディ寄りとなり、その“ゾクッとする怖さ”や“背筋が凍る不気味さ”が大幅に薄まったと感じる視聴者が多く見受けられます。
喪黒のキャラクターも、冷酷なセールスマンというより「ただ笑わせるキャラ」に見えてしまうシーンが目立ち、「本来の不気味さが消えてしまった」という意見は少なくありません。
さらに、効果音や演出面でも緊張感を煽る工夫が少なく、原作特有のダークさが再現されていない点が、期待とのギャップを大きくしているのです。
ひどい理由③ 豪華キャストが秋山竜次に飲まれている
山本耕史や仲間由紀恵など、実力派キャストが揃っているものの、秋山竜次が放つキャラクターのインパクトが強烈すぎて、ゲスト出演者たちが本来持つ存在感や演技の魅力を十分に発揮できていないという指摘が多く見られます。
本来であれば物語に厚みを持たせるはずの豪華共演が結果的に背景に追いやられ、「秋山ワンマンショー」と評されるシーンが目立つのは残念です。
中には、せっかくの実力派俳優が脇役に徹してしまい、彼らの持ち味をもっと活かしてほしかったという不満の声や、脚本や演出が秋山中心に寄りすぎたことで全体のバランスが崩れてしまったという意見もあります。
結果として、多彩な役者陣の競演が十分に楽しめず、作品全体の奥行きが損なわれているように映る点が「ひどい」と感じられる大きな要因の一つとなっています。
ひどい理由④ 実写化に必要な“リアリティ”が欠けている
原作をリスペクトするあまり、舞台美術や演出がアニメ版に近づけられた結果、「実写ならではのリアルさ」が抜け落ちてしまったとの声もあります。
本来であれば映像ならではの臨場感や質感を強調することで観る側を物語に没入させる必要がありますが、その部分が弱く、特撮的な演出や舞台風のデフォルメが前に出すぎてしまったため、世界観がリアルに感じられないという指摘が目立ちます。
結果として、シュールなブラックコメディとしての風味よりも単なるコント風コメディに寄ってしまい、「緊張感がない」「現実味が薄い」との批判を招いてしまいました。
さらに、背景美術や照明も演劇的で平面的な印象が強く、登場人物の感情が現実的に伝わりにくかった点も「ひどい」と言われる大きな要因となっています。
ドラマ『笑ゥせぇるすまん』(実写2025)の魅力
一方で、実写ドラマ版ならではの魅力を高く評価する声も少なくありません。
ここではポジティブな意見を中心に、作品の楽しみ方をご紹介します。
魅力① 秋山竜次の喪黒福造は唯一無二
秋山竜次が演じる喪黒福造は、アニメ版の大平透や玄田哲章による声の再現度が高く、見た目のインパクトも抜群です。
さらに、独特の体格や表情の作り方、そして声のトーンや間の取り方に至るまで徹底的に研究されており、観る者に強烈な印象を与えます。
秋山の芸人としてのキャラ変能力や即興的な芝居のセンスが存分に活かされ、「喪黒=秋山」という新しいイメージを作り上げました。
視聴者の中には「もう秋山以外では考えられない」と絶賛する人も多く、特に笑い声や仕草の再現度の高さはSNS上でも話題になりました。
また、秋山自身の持つ独特の存在感がキャラクターと完全に融合しており、演技を超えて“秋山喪黒”という新しいキャラクターを確立したとも言えるでしょう。
魅力② 豪華すぎるゲストキャストの競演
各話で登場するゲストキャストは豪華そのもの。
仲間由紀恵がインフルエンサー主婦を演じる回や、國村隼が不気味な老人を演じる回など、普段見られない役柄に挑戦する俳優陣の姿は見応えがあります。
さらに山本耕史が頼もしすぎる男を演じて顔芸で存在感を放つ第1話、黒島結菜が迷える若い女性をリアルに演じる第4話、濱田岳や小日向文世が“サブスクおじいちゃん”として登場する最終話など、話題性と演技力を兼ね備えたゲストが続々と登場します。
ベテランから若手、芸人やアイドルまで幅広いジャンルの俳優が集結しているため、毎話異なる雰囲気を楽しめるのも大きな魅力です。
こうしたバラエティ豊かなキャスティングは、ゲスト目当てで視聴する価値をさらに高めていると言えるでしょう。
魅力③ 主題歌『モグリズム』の中毒性
エンディングで毎回流れる主題歌「モグリズム」は、秋山喪黒が歌って踊る映像とともに強烈な印象を残します。
中毒性のあるメロディと歌詞に加え、毎話異なる映像演出が施されており、SNSでも「モグリズムが頭から離れない」と話題になりました。
さらに、全12話で毎回アレンジが変化するため、一度聴いたら耳から離れないどころか、どのバージョンが好きか語り合う視聴者まで登場しました。
とくに第3話や第8話などでは演出がユーモラスで、その映像を切り取ったショート動画がSNS上で拡散され「エンディングだけでも観る価値がある」とまで言われています。
こうした音楽的な仕掛けがドラマ全体の評価を底上げし、秋山演じる喪黒のキャラ性をより強固にする役割も果たしているのです。
魅力④ 原作を令和風にアップデートした脚本
原作エピソードを令和の時代背景に合わせてアップデートしているのも注目ポイントです。
SNS依存やサブスクサービスへの過剰な依存、現代人の孤独や承認欲求といった社会的テーマが盛り込まれ、令和に生きる人々の「ココロのスキマ」をリアルに映し出しています。
さらに、スマホ文化やデジタル社会での人間関係の希薄さなども巧みに物語に織り込まれ、観る者に強い共感や考察を促します。
オリジナルエピソードも加わっており、原作ファンでも新鮮に楽しめるだけでなく、初めて作品に触れる視聴者にも分かりやすく入り込めるよう工夫されています。
こうした脚本の工夫が、単なるリメイクにとどまらない“現代版 笑ゥせぇるすまん”として成立しているのです。
まとめ|実写版『笑ゥせぇるすまん』を楽しむコツ
実写ドラマ版『笑ゥせぇるすまん』(2025)は、原作やアニメの再現度をそのまま期待すると「ひどい」「肩透かし」と感じる人も少なくありません。
しかし、見方を少し変えて「秋山竜次のキャラクター芸を軸にしたコメディドラマ」と割り切れば、むしろ新鮮で楽しめる作品に変わります。
豪華キャストや脚本家陣による挑戦、そしてSNSを中心に話題になった主題歌『モグリズム』など、角度を変えて注目すれば面白さが倍増します。
原作の再現度を求めると肩透かし
原作やアニメのブラックユーモアや恐怖を存分に味わいたいなら、漫画版やアニメ版を手に取るのがベストです。
実写版はむしろ「原作と同じ土俵で勝負する作品」ではなく、「別の方向性で再構築した新しい試み」と捉えるのが適切でしょう。
原作の再現度を重視するあまりに不満を募らせるより、令和版ならではのアレンジや脚色をどう楽しむかを意識することで、満足度は大きく変わってきます。
秋山竜次の“芸”として割り切れば楽しめる
秋山が演じる喪黒福造は、コント的で誇張された動きや仕草を持ちながらも、唯一無二の存在感を放っています。
そのため「芸人秋山竜次のクリエイターズ・ファイル的な演技」として楽しめば、むしろ本作の魅力が理解しやすいのです。
さらに、毎話異なる豪華ゲスト俳優との絡みや、SNSでバズった中毒性のある主題歌『モグリズム』の演出は、単なる再現ドラマを超えたエンタメ性を提供しています。
肩の力を抜き、「これは原作の実写化ではなく秋山竜次による“新しい笑ゥせぇるすまん”」と割り切って観ることで、従来のファンも新規視聴者も一層楽しめるでしょう。
最終的に本作は、「原作の忠実な再現」よりも「秋山の芸と現代風アレンジを楽しむこと」に価値があります。
見る人のスタンス次第で、賛否が分かれるからこそ話題性が高まり、今後の評価や続編への期待にもつながるのです。

アニメ・映画が大好きで毎日色んな作品を見ています。その中で自分が良い!と思った作品を多くの人に見てもらいたいです。そのために、その作品のどこが面白いのか、レビューや考察などの記事を書いています。
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