みなさんは転スラのアニメの作画がひどいと言われているのはご存知でしょうか。
転スラこと『転生したらスライムだった件』は伏瀬先生のなろう系原作小説で、アニメ化をしたことでさらに有名になった作品です。
とても人気の高い作品である転スラなのですが、実はアニメ版転スラの作画が悪い意味で話題になっているのはご存知でしょうか。
特に最近放送されたアニメ3期は”ひどい”という声をよく聞きます。
というわけで今回は、転スラのアニメ、特に3期の作画が”ひどい”と言われる理由を、作画崩壊やアニメ制作会社、評価について触れながら解説していきたいと思います!
転スラのアニメは3期で作画が変わったのか
まず、転スラのアニメで、よく聞くのが3期で作画が変わったという声です。
転スラのアニメが初めて放送されたのは、2018年です。
1期の放送が2018年10月から2019年3月。
2期の放送が2021年4月から6月。
3期は2024年4月から9月です。
作画が変わったとなれば、一番最初に考えられる可能性としては、アニメーション制作会社が変わったことです。
しかし、1期から3期までのアニメーション制作会社は”エイトビット”というところです。
ですので、3期の作画は制作会社が変わったことによる変化ではないということです。
普通アニメーション制作会社が変わるとなると、アニメの作画の根本的な部分である、キャラクターデザインや描線の太さ、演出なども変わると考えられます。
しかし、転スラ3期の作画は1、2期と比べて上記のような要素は変わっていません。
それでは、何が変わったのでしょうか。
実は変わったのは作画ではなく、展開による演出の仕方だと私は思います。
1期と2期は割と動きが多い展開でした。
具体的には、1期では、リムルが色んな種族を仲間にして、時に衝突を繰り返しながら、強くなっていく様が描かれます。
2期では、ファルムス王国との大きな戦いが描かれます。
1期・2期に共通して言えるのが、大きなバトルや見せ場、派手な展開が多いということです。
それに対して、3期では、前半は西方聖教会とファルムス王国のくだり、後半では開国祭編が始まります。
後半については、1期・2期と展開が異なるのは一目瞭然だと思います。
前半はバトルや派手展開ではないの?と思う人もいるかもしれませんが、ありえないくらい”会議”をしていて、話が進みません。
悪くいうと、間延びになっているような展開が続きます。
この点において、3期はひどいと言っている人も結構いると思います。
つまり、会議ばっかりしている展開と平和な開国祭の展開が続くため、全く雰囲気やアクションが異なるものとなっているというわけです。
よって、1期・2期と比べると場面転換のテンポや動きなどが少ないため、「変わった」という人が現れたというふうに考えます。
転スラのアニメ3期が作画崩壊によりひどいと言われる理由
3期では、作画ではなく話の展開により演出の仕方が変わったということを言いましたが、実は転スラの3期には作画崩壊と言われているような点もあると思います。
そういった点を含めて、まずは、転スラのアニメ全体の作画の特徴を見ていき、さらに、”作画”の中でもどこが”ひどい”と言われているのかについて解説していきたいと思います。
転スラのアニメ全体の作画の特徴
まず、転スラのアニメーション制作会社である”エイトビット”の話をしたいと思います。
エイトビットの代表作としては、『ヤマノススメ』シリーズのような日常系や『魔法科高校の劣等生 来訪者編』のような王道バトル系、『ブルーロック』のような動きの多いスポーツ系と幅広いアニメを制作しています。
数年前まではあまり有名ではなかった制作会社だったが、ここ数年で人気タイトルの続編などの制作を始めたことによって、知名度が上がっている印象です。
特に『魔法科高校の劣等生』に関しては、これまで超有名どころだった”MADHOUSE”が制作を手掛けていたのに、来訪者編と劇場版からエイトビットに制作が移っています。
”エイトビット”の特徴としては、特出して何か秀でたことがあるというわけではないイメージです。
つまるところ、普通のアニメ制作会社という印象です。
作画に関しては、見せ場や重要なシーンでは作画はすごい良いと思うし、日常シーンや大事ではないシーンでは、割と手を抜いていると思います。
もちろん、アニメによって作画の仕方は変わっていますが、だいたいのアニメが作画の良いシーンと悪いシーンがあるイメージです。
転スラのアニメ全体の特徴としては、バトルシーンよりも日常シーンのが多いため、手を抜いているように感じるシーンが多くなってしまっていると思います。
しかし、劇場版でもない限りは、手を抜くところでは抜く、気合を入れるところでは気合を入れるというやり方は全然悪くないと思います。
そうそう毎作画を神のレベルまで持っていけるような会社はないと思います。
しかし、転スラは”普通”の中でも、作画がひどいというようなシーンが目立つので、これから具体的に指摘していきたいと思います。
ひどい点①:のっぺらぼう
まず、一番目立つと思うのが、キャラクターの顔をのっぺらぼうにするというところです。
一番わかりやすいシーンは、転スラ3期の第一オープニングでの1カット。
リムル含むメインキャラクターたちが空から落ちてきて、大きなスライムの上でバウンドするというシーンです。
見てもらったらわかる通り、全員顔が描かれていません。
のっぺらぼうです。
確かに、遠くにいる人の顔を省略して描かないこととかはよくあることです。
しかし、この画面に写っているのは割と至近距離のメインキャラクターたちです。
しかもそれほど遠いわけではありません。
さらに、オープニングの人カットです。
これは「ひどい!」という意見が出ても仕方がないと思います。
素人が見ても「手を抜いているんじゃないの?」とわかってしまうような作画です。
百歩譲って目は描くのが難しかったとしても、口は描いて欲しいとは思いました。
他にもここのカットは体のバランスや手の形なども単純化されており、「さすがにこれは…」と思ってしまうような作画だと思います。
これが本編のあまり重要ではないシーンとかならまだいいんです。
でも、オープニングだから毎回見るものだし、なんならYouTubeにこのオープニング映像公式からあがってます。
ここのカット以外にものっぺらぼうは割と多用されています。
他のカットではそこまで気になるものは少ないので、まあよしとしておきますが、オープニングの冒頭でこれをやっているというのは、もう少し工夫できなかったのかなと思います。
よって、ひどい・作画崩壊の点としてあげさせてもらいました。
ひどい点②:フレームレート
アニメーションにおいてフレームレートは重要な役割を果たします。
そもそもアニメーションとは、静止画を連続で繋げ、動いているように見せる仮現運動によって見ることができるものです。
フレームレートは1秒間に何枚の静止画が入っているかということで、映像の滑らかさを左右します。
アニメにおいては、コマ打ちというふうに表現します。
とにかく、1秒間に入っている静止画が多ければ多いほど、アニメーションはヌルヌル滑らかに動くわけです。
これはそのアニメのシーンごとに使い分けられるものです。
例えば、動きの多いアクションシーンでは、ヌルヌル動いた方が視聴者も見ていて気持ちがいいので、フレームレートを高く描きます。
その分労力や時間がかかります。
逆に、会話のシーンや単調なシーンでは、極端な話口や目だけ動かしていればいいわけですから、フレームレートを高くする必要がないというわけです。
しかし、あまりにも不自然にそれをやってしまうと「作画がひどい」というふうに思われてしまいます。
先ほど例に挙げたオープニングのカットをもう一度例に出します。
空からメインキャラクターが降ってきて、スライムにバウンドするカットです。
動きカクカク過ぎます。
フレームレートが低い証拠です。
スローモーションにして、何枚で動いていたか数えてみましたが、5秒間で20フレームでした。
これはつまり、1秒で4フレーム=4fpsということになります。
通常私たちが見ている実写映像は24〜60fpsとかなので、とてもカクカク動いているように見えるでしょう。
本編にもフレームレートが低いところは何カットかあると思いますが、これもオープニングの冒頭でやることではないと思います。
これも、ひどい・作画崩壊と言われて当然のことだと思いました。
ひどい点③:キャラクターデザイン
最後はキャラクターデザインについてです。
これはよく作画崩壊として言われやすことだと思います。
キャラクターの作画が統一されていないということです。
毎週放送しているアニメなどでよく見られると思います。
基本的にアニメーションは複数のアニメーターが同時進行的に作画を進めるので、キャラクターの作画を統一させるために、一つの統一された設定画をもとに描いていきます。
しかし、スケジュールの圧迫や労働環境などにより、度々キャラクターの作画に統一性がなくなってしまうアニメがあります。
今回の転スラの場合はどうかというと、そこまで作画崩壊と言えるレベルまでキャラクターの顔が崩れているところはないと思います。
強いて言えば、①で述べたのっぺらぼうくらいで、そんなに気になるところはない感じです。
ただ、転スラというアニメは、とにかくキャラクターが多いアニメですので、キャラの描きわけは大変なんだろうなとは思います。
それで顔というより、体のバランスや不自然なショットがあることくらいで、安定しているといえば安定しているのかなと思います。
あとは、好みの問題だとは思いますので、もっと安定性のあるアニメーションを期待している人にとっては、ひどい、となってしまうと思いましたので、今回はひどい点に入れさせてもらいました。
まとめ
今回は転スラの3期の作画がひどいと話題になっていたので、その実態を調査し、解説してきました。
作画と一口に言っても、様々な要素がありますが、その中でも、キャラクターの作画とフレームレートは目立つ部分ではあったので、今回はそれが目立ったのだと思います。
私自身も転スラの作画について、めちゃくちゃいい!と思ったことはなく、むしろ、ひどいと思うところの方が目に入っていたので、今回きちんと言語化できてよかったと思います。
作画の面では、他のアニメには劣るものの、転スラのストーリーや設定自体はめちゃくちゃ好きなので、万人におすすめする気はないですけれども、刺さる人には刺さるアニメだと思います。(アニメは6周くらいしています。)
最後まで読んでいただきありがとうございますございました。
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