みなさんはアニメ『進撃の巨人』のアニメ制作会社であるWIT STUDIOが辞退したことをご存知でしょうか。
正確にいうと、アニメ3期までをWIT STUDIOが担当し、4期からは別の制作会社に移っています。
3期と4期で作画やキャラデザが異なっていたことに困惑した人も多くいたかもしれませんが、それはアニメ制作会社が変わっていたからなのです。
では、アニメの1〜3期を担当したWIT STUDIOはなぜアニメ制作を辞退したのでしょうか。
今回はアニメ『進撃の巨人』の制作会社が変更された理由と、4期を担当した制作会社:MAPPAの作画はすごいのか、ひどいのかを徹底解説して行きたいと思います。
進撃の巨人の制作会社であるWIT STUDIOが辞退した理由

アニメ『進撃の巨人』は2013年にSeason1が制作され、2017年:Season2、2018年:Season3前半、2019年:Season3後半が制作され、ここまではWIT STUDIOがアニメ制作を担当しています。
それで、The Final Seasonは3パートに分割され放送されました。
2020年12月〜2021年3月:Part1、2022年:Part2、2023年:完結編というふうに放送され、アニメ制作をMAPPAが担当しました。
当時はファイナルシーズンのPVを見て、興奮しつつも、作画が変わっていたことに戸惑いを感じたことをよく覚えています。
なぜ、3シーズンに渡って『進撃の巨人』の制作を担当してきたWIT STUDIOが制作を辞退したのでしょうか。
実は、公式からの制作を辞退した詳しい理由の発表は現時点ではありません。
というか、アニメの放送が終わって、2年、完結編をまとめた劇場版の公開も2024年にあり、それも終了した現在では、今更制作会社変更の理由を公式が発表するとは考えがたいです。
ですので、制作会社変更された理由を世間的に言われていることと私独自の視点から考察して行きたいと思います。
理由①:コストと利益が釣り合わない
当たり前ですが、アニメ制作は慈善活動でやっているわけではなく、生産活動として行われているものです。
よって、必ず会社は利益を出さなくてはいけません。
アニメや映画の制作においては、その作品を制作する利益がコストを上回っていなければなりません。
しかし、WIT STUDIOが制作する『進撃の巨人』は明らかにクオリティ過多(クオリティが高すぎます)。
アニメーションの制作に多大なコストを要していたはずです。
それなのに、2010年代は円盤が徐々に売れなくなっていった時期でもあり、アニメグッズや映画の収入だけでは、高クオリティの作画を維持できなかったのではないかと考えられます。
理由②:他の作品との兼ね合い
理由①に加えて、WIT STUDIOが同時期に他作品の制作に携わっていたことも理由として挙げられます。
WIT STUDIOでは、進撃の巨人のファイナルシーズンが放送されていた2020年から2023年の間に割とビッグタイトルやオリジナルタイトルの制作が多く入っています。
- 2020:『グレートプリテンダー』
- 2021:『王様ランキング』『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』
- 2022:『バブル』(劇場アニメ)、『SPY×FAMILY』、『ムーンライズ』(ネトフリオリジナル)
- 2023:『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』『王様ランキング-勇気の宝箱-』
劇場アニメやネトフリアニメなど大きな仕事がたくさん入っていることが伺えます。
もちろん、進撃の巨人というビッグタイトルの制作もしたかったのは山々なのでしょうが、会社はどの仕事を取って、捨てるか選択しなければなりません。
アルミンも言っているように、何も捨てることができない人は、何も変えられない。
なので、WITは選んだんです。
進撃の巨人1本でやっていくことにかけるのか、それとも、もっとたくさんの仕事を請け負って制作できる作品の幅を増やすのか。
詰めるところ、自分たちのキャパシティで作れるか作れないかを慎重に判断した結果だと思います。
理由③:当初の想定よりも原作が人気になり過ぎた
これは原作の事情でもあると思うのですが、原作『進撃の巨人』を作者の諫山創先生はもっと早く終わらせる予定だったそうです。
しかし、みるみるうちに超絶人気漫画になってしまい、いくつか新たな展開が増えたことによって、当初の想定よりも長くなってしまったということです。
それでもなお面白いのが、この漫画のすごいところであります。
それで、アニメ1期が放送された2013年時点では、『進撃の巨人』がここまでの人気作品になるとは想定されておらず、4期まで制作するキャパシティを想定していなかったのではないでしょうか。
そのため、当初想定していたのがアニメ3期まで、それ以降はやるつもりがなかったから他の制作会社に移譲したということが考えられます。
理由④:マーレ編以前と以降では雰囲気が変わる
これはかなり個人的な意見なのですが、Season1~3:マーレ編以前とThe Final Season:マーレ編以降では、原作の雰囲気が変わってくるので、制作会社の変更もある程度許容されたというのが、私の意見です。
3期の最終話『壁の向こう側へ』から4期の初回『海の向こう側』までは数年の時間的な飛躍があります。
よって、エレンたちのキャラデザが変わっていても、ストーリー的違和感は最小限に収まると思います。
例えば、1期、2期からいきなり3期でMAPPAに制作会社が変わっていたら、キャラデザや作画がまるで違うということでかなり批判が出たかもしれません。(ゆるキャンやはたらく魔王さま!などがその事例です)
今回は時間的飛躍があったことや、マーレという新たな舞台で物語が展開されるため、場所や雰囲気を心機一転させてもまだ許容できると考えたのではないでしょうか。
というか、許容できたのは私自身でもあるので、作り手の方も同じように考えていたらいいな、という希望的観測にすぎませんが。。。
MAPPAの作画はすごい?ひどい?

ここまで、WIT STUDIOが進撃の巨人のアニメ制作を辞退した理由について考察してきました。
では、ファイナルシーズンの制作会社であるMAPPAの作画はどのような評価を受けているのでしょうか。
MAPPA作画はすごいという意見
MAPPAの作画がすごいという意見は下記のようなものです。
- 原作寄りの作画が良い
- 演出がすごい
- 地ならしのシーンがすごい
原作寄りの作画が良い
MAPPAの作画は主にキャラクターデザインを含め、原作に寄せた作画になっています。
そのため、原作ファンからは、原作寄りの作画をしてくれたことに賞賛の声を寄せています。
演出がすごい
『呪術廻戦』や『チェンソーマン』でも見られるようなMAPPAの神がかった演出が『進撃の巨人』にも反映されているという意見です。
特に、マーレ編に漂う、ダークな雰囲気をしっかりと体現できていると思います。
地ならしのシーンがすごい
こちらは、私の個人的な意見なのですが、地ならしのシーンは原作の迫力を超えていたと思います。
原作では地ならしのシーンは淡々と描かれていると思いましたが、MAPPA版では、私たちにとてつもない絶望を与えてくれました。
どこにも逃げ場のない絶望感、あの世界の住民の気持ちになってみることができる描写だったと思います。
MAPPA作画はひどいという意見
MAPPAの作画がひどいという意見は下記のようなものです。
- 原作寄りの作画がひどい
- 作画崩壊
- 巨人のCG化
【進撃の巨人】MAPPAの作画がひどいと言われる理由については下記の記事で詳しく解説しています。
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MAPPAの作画がひどい!?アニメ『進撃の巨人』のアニメ制作会社を解説!WIT STUDIOとの比較も!
テレビ版とBD/DVD版で大幅に作画修正が行われた
これはよくある話なのですが、テレビ放送が終わった後にBD/DVD版で作画や演出、整音などが改善されることがあります。
進撃の巨人のファイナルシーズンの場合ですと、作画の改善、色彩・仕上げの改善、効果の改善などが行われている様子でした。
ですので、ある程度はテレビ版よりも見応えのある内容にはなっていたとは思いますが、根本的にキャラデザが変わっているので、ひどいという意見の人の作画崩壊以外のひどい理由のカバーはできていないとは思います。
まとめ

本日はアニメ『進撃の巨人』の制作会社WIT STUDIOが3期でアニメの制作を辞退した理由について考察・解説してきました。
金銭的理由や他作品との兼ね合いなど、会社の事情で変わった面が大きいと考えられます。
その結果として、良くも悪くもファイナルシーズンは話題になり多くの人が視聴したと思います。
ファイナルシーズンの制作ができないという最悪の結果にならなかったことはよかったとして、引き受けてくださった MAPPAには感謝ですね。
進撃の巨人ファイナルシーズンをまだ見ていない方はぜひ見てみて下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

アニメ・映画が大好きで毎日色んな作品を見ています。その中で自分が良い!と思った作品を多くの人に見てもらいたいです。そのために、その作品のどこが面白いのか、レビューや考察などの記事を書いています。
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