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『幼馴染が私を殺そうとしてきます』はネタバレありで結末解説

アニメ・漫画

こんにちは、たたみの冷凍みかん箱管理人のtatamiです。アニオタとして日々いろんなアニメや漫画、SMARTOONを追いかけているんですが、その中でも最近ずっと気になっていたのが、ピッコマで話題になっている『幼馴染が私を殺そうとしてきます』です。

検索から来てくれたあなたは、おそらく幼馴染が私を殺そうとしてきますのネタバレやあらすじ、結末ネタバレや最終回の黒幕、レリアが誰と結ばれるのか、原作小説と漫画版の違い、ピッコマでどこまで読めるか、無料でどこまで進めるかあたりが気になっているはずです。ランキング上位のロマンスファンタジーSMARTOONって聞くと「本当にハッピーエンドなの?」「完結しているの?」「全話ネタバレを先にざっくり知っておきたい」と不安と好奇心が同時に湧いてきますよね。

さらに、幼馴染が私を殺そうとしてきますのネタバレ考察や感想レビュー、口コミをチェックしてから読むか決めたい人もいると思いますし、韓国原作小説版と日本語の漫画版の違い、ロマンスファンタジーとしてどこが刺さるのか、幼馴染たちの愛と殺意がどれくらい重たいのかも事前に知っておきたいところかなと思います。「幼馴染が私を殺そうとしてきますの原作小説はどこで読めるの?」「アニメ化の予定はあるの?」みたいなところも、地味に気になりますよね。

この記事では、幼馴染が私を殺そうとしてきますのネタバレを含むあらすじや結末、黒幕の正体、レリアと幼馴染たちの関係性、誰と結ばれるのかという核心部分まで、アニオタ目線で分かりやすく整理していきます。もちろん、がっつりネタバレ前提なので、本編をじっくり味わいたいあなたは、読むタイミングだけ少し気をつけてもらえるといいかなと思います。「この先は自己責任で!」という感じで、一緒に物語を振り返っていきましょう。

  • 『幼馴染が私を殺そうとしてきます』の基本情報と世界観をざっくり把握できる
  • 転生と幼少期編のネタバレを通して、幼馴染たちの関係性の土台を理解できる
  • 殺意の理由や黒幕の正体、最終的なカップルなど結末の流れが整理できる
  • 作品の感想や評価ポイントから、自分に合うかどうかの判断材料を持てる

『幼馴染が私を殺そうとしてきます』のネタバレ前に押さえる基本情報

ここから先は、ネタバレに入る前の準備タイムです。まずは『幼馴染が私を殺そうとしてきます』という作品がどんな媒体で読めるのか、どんな世界観と転生設定なのか、そしてどんな人に刺さりやすい物語なのかを整理していきます。先に全体像をイメージしておくと、この後の細かいネタバレもかなり理解しやすくなるので、軽く肩ならしのつもりで読み進めてもらえると嬉しいです。

作品概要

まずは、作品そのものの基本情報からざっくりまとめていきます。『幼馴染が私を殺そうとしてきます』は、韓国発のロマンスファンタジー小説を原作としたSMARTOON(縦読みフルカラー漫画)で、日本ではピッコマで配信されています。ピッコマ内の恋愛・ロマンスファンタジー系ランキングでも常に上位にいて、「あ、このタイトル見たことある!」という人も多いはずです。

ジャンルとしては「転生」「悪役サイド」「逆ハーレム」「幼馴染」「後悔もの」と、最近の韓国ロマンスファンタジー界隈で人気の要素をこれでもかと詰め込んだ構成になっています。舞台は複数の帝国が存在するファンタジー世界で、政治・権力争い・暗殺・竜討伐といった、王道ファンタジー要素もたっぷり。そこに「転生したのにモブ寄りの脇役&死亡フラグ付き」という、なかなかハードなスタート地点が重なります。

主人公は前世、日本で不治の病に苦しみながら若くして亡くなった少女。死ぬまでの時間を、大好きな小説の世界に没頭することで支えていたタイプの子です。その彼女が目を覚ました場所が、まさにその愛読していた小説の世界。…なのに、転生先として引き当てたのは「序盤で理不尽に退場する皇女レリア・アウラリア」という、かなり運の悪い役どころです。

原作小説は韓国語で完結済みで、漫画版も本編としてはしっかり着地点が見えているタイプの作品です。長期連載中のタイトルだと、「本当に完結まで行くのか不安…」という心配もつきまとうんですが、この作品は完結ルートが存在しているので、その点は安心して追いかけていけるかなと思います。

媒体情報のざっくりまとめ

項目内容
作品名『幼馴染が私を殺そうとしてきます』
媒体SMARTOON(縦読みカラー漫画)
配信ピッコマ(基本的に独占配信系)
原作韓国発ロマンスファンタジー小説(完結済み)
紙の単行本KADOKAWA・FLOS COMICレーベルから刊行予定

「とりあえずどこで読めばいいの?」という疑問に対しては、基本的にピッコマで読めばOKというシンプルな答えになります。待てば0円で少しずつ読み進められるタイプの作品なので、気になる人はまずアプリで試してみるのが一番手っ取り早いですよ。

転生設定

次に、この作品の心臓部になっている転生設定について、もう少し深く掘り下げていきます。転生系と聞くと「チートスキルで無双」「ゲームの知識を駆使して攻略」みたいなイメージを持つ人も多いと思うんですが、『幼馴染が私を殺そうとしてきます』はもう少しダークで、感情重視の方向に振り切れた作品です。

前世の少女は、不治の病で長い闘病生活を送っていた読書好き。彼女にとって、小説を読む時間は現実の痛みや苦しみを忘れられる、数少ない救いでした。そんな彼女が愛していた物語の世界に、気づいたら転生していた──というスタートまでは、転生ものとしては王道寄りですよね。

ただし問題は、与えられた役割。彼女が転生したのは、ヒロインでも悪役令嬢でもなく、「原作小説の序盤で溺死する皇女レリア・アウラリア」。しかも、その死はほぼ「使い捨てのコマ」として扱われていて、ストーリー上の扱いとしてもかなりひどいものです。前世で十分苦しんで死んだはずなのに、また理不尽な死が確定している役を引かされるわけで、ここでレリアが絶望するのも無理はありません。

主人公レリアのスタートライン

レリアがこの世界で最初に抱く願いは、とてもシンプルです。それは「今度こそ、静かに穏やかに生きて死にたい」ということ。派手な成功とか、チート能力とかじゃなくて、ただただ「前世よりマシな人生であってほしい」という、控えめだけど切実な望みなんですよね。

でも現実は、そんな彼女の願いに全然寄り添ってくれません。皇帝からは「皇太子の替え玉」という危険な役目を押し付けられ、周囲の大人たちは彼女を一人の人間ではなく「便利な部品」としか見ていない。前世と同じく、自分の意思とは関係ないところで人生が決められていく感覚が、ここでしっかり描かれています。

チートの代わりに与えられたもの

多くの転生作品では、ここで「ゲーム画面が見える」「ステータスが表示される」といった分かりやすいチートが出てくるんですが、レリアに与えられるのはもっと地味で、けれど現実的なものです。彼女は母方の血筋から受け継いだ錬金術の才能を持っていて、のちにそれを鍛えることで自分の身を守る手段を手にしていきます。

この錬金術は、後半になるほど「システム」「クエスト」的なゲーム要素をまとっていくんですが、根っこはあくまで「生き延びるための手段」です。前世で病気に翻弄されてきた彼女にとって、自分の手で自分の身体を守り、周りの人たちを助けることができる力を得る──この流れは、かなりエモい成長物語として読めます。

転生ものとしての爽快感よりも、「2周目の人生で、どうにか前よりましな選択肢を掴みたい」という必死さを味わいたい人には、かなり刺さる設定だと思いますよ。

幼少期編

個人的に『幼馴染が私を殺そうとしてきます』の中で一番好きなパートが、この幼少期編です。ここで描かれるレリア(レオ)と幼馴染たちの関係性が、とにかく尊い。後半の殺意や後悔が全部ここに回収されてくるので、「この章だけでも読む価値ある」と断言したくなるくらいの完成度です。

舞台は、五つの帝国の皇族が集まる神聖中立区域。ここは、戦争や暗殺から切り離された、文字通り「聖域」のような場所で、各国の皇太子・皇女たちが一定期間を一緒に過ごすことになっています。本来であればアウラリア帝国の皇太子レオが参加するはずだったのですが、暗殺の危険を恐れた皇帝は、自分の息子ではなく娘のレリアを「替え玉」として送り込むことを選びます。

レリアは髪を切り、男装をし、「レオ」として他国の皇太子たちの前に立つことになります。彼女は最初、自分がここでどう振る舞えばいいのかも分からず、怯えと緊張でいっぱい。それでも、目の前にいる少年たちが本当に楽しそうに笑ったり、ぶつかり合ったりしているのを見て、「この時間だけは、ちゃんと生きたい」と思うようになっていきます。

四人の幼馴染たちとの出会い

ここでレオ(レリア)が出会うのが、メインとなる四人の幼馴染たちです。

名前立場レオ(レリア)に対する第一印象関係の変化
オスカーフレスベルグ帝国の皇太子生意気なライバル候補一番近くでレオを観察する本命ポジションへ
カリックス武闘派国家の皇太子ケンカ相手兼、腕試しの相手命を預け合う戦友ポジションへ
グリフィス知性派国家の皇太子ちょっと面倒な問題児レオの秘密を見抜きかける観察者へ
ロミオ芸術・文化国家の皇太子気が合う友達候補一番最初に心を開いてくれる親友へ

最初のうちは、彼らは「妙に落ち着いたアウラリアの皇太子」に対して警戒心を抱いています。政治的な駆け引きもある世界なので、「弱みを見せたら負け」「隙を見せたら利用される」という緊張感は常にある。でも、レオはレリアとしての性格が出てしまうせいで、つい相手を助けたり、空気を和ませたりしてしまうんですよね。

そこに彼らが徐々に打ち解けていく姿が、本当に青春していて尊いです。一緒に訓練をしたり、夜中にこっそり抜け出して星を眺めたり、将来の夢を語り合ったり…。彼らにとってレオは、同じ皇族としてのしがらみを理解しつつも、「肩を並べてバカをやれる唯一の相手」になっていきます。

神聖中立区域での時間の意味

この幼少期編で積み重ねられた時間が、後の「殺意」と「後悔」をすべて照らし返す鏡になります。彼らはこの場所で、「大人たちとは違う、自分たちなりの未来」を夢見ます。いつかそれぞれの国を継いだあとも、中立区域で再会しよう、世界をもっと良くしようと語り合う。その約束があるからこそ、「親友だと思っていたレオを奪われた」という認識が、彼らの中で許せない裏切りに変わるわけです。

読んでいて一番つらいのは、読者だけが「レオ=レリア」という事実を知っている状態で、この尊い幼少期パートを追いかけることになる点です。彼らがかわした約束も、笑い合った思い出も、後から全部「取り返しのつかない過去」になると分かっているからこそ、一つひとつのエピソードが刺さってくるんですよね。

おすすめ層

ここまでで、作品の雰囲気や世界観はなんとなく伝わったかなと思います。このセクションでは、「結局どんな人にこの作品をおすすめしたいのか」「逆にどんな人はちょっと注意が必要か」を、もう少し具体的に書いていきます。

こんなあなたに刺さりやすい作品です。

  • 後悔もの・ざまあ系ロマンスファンタジーが好き
  • 幼馴染との友情がこじれて愛憎に変わる展開に弱い
  • ヤンデレ気味のヒーローに執着されるヒロイン像が好き
  • 長期連載のSMARTOONで、感情をじっくり追うのが好き
  • 転生先がチートではなく、弱い立場から這い上がる話が読みたい

特に、「一度関係が壊れてしまったあとに、時間をかけて修復していく物語」が好きな人には、かなり刺さると思います。レリアと幼馴染たちは、ただ誤解が解けて仲直りして終わり、という甘い展開ではありません。言葉にした暴力、実際に向けられた殺意、見捨てられたと感じた時間──その全部を抱えたまま、それでも前に進もうとする姿が描かれます。

逆に、注意しておきたいポイントもあります。まず、暴言や精神的な追い込み描写がそれなりにあるので、「登場人物がヒロインにきついことを言う展開が本当に無理」という人にはしんどい部分も出てくるはずです。また、錬金術やシステム要素が絡むパートでは、ゲーム的な用語やクエスト的展開も登場するので、完全に地に足のついた恋愛一本で進む作品が好みの人は、好みが分かれるかもしれません。

雰囲気が近い他作品としては、悪役令嬢×後悔ルート寄りの『お姉様、今世では私が王妃よ』のネタバレ解説記事や、未来視を活かして破滅フラグを回避していく『公女様は未来を見通す』のネタバレ解説記事とも相性がいいと思います。あのあたりの作品が「刺さる」と感じたあなたは、『幼馴染が私を殺そうとしてきます』もかなり高確率でハマるはずです。

いったんまとめると、「しんどいけど、その分だけ感情のリターンも大きい作品」を求めている人には、間違いなくおすすめできます。逆に、日常の癒やしとしてゆるふわラブコメだけを摂取したい時期には、ちょっとタイミングを見た方がいいかもしれません。そのあたり、自分のメンタルとの相談も大事ですよ。

『幼馴染が私を殺そうとしてきます』のネタバレでわかる結末と黒幕

ここから先はいよいよ、本格的なネタバレゾーンです。幼少期編であれだけ仲良しだった幼馴染たちが、なぜタイトル通り「私を殺そうとしてくる」のか。レオの正体がどのように明かされるのか。黒幕は誰で、最終的に誰と誰が結ばれるのか。物語全体の流れを追いながら、順番に整理していきます。

「ハッピーエンドかどうかだけ早く知りたい」というあなたもいると思うので、そのあたりも途中で触れつつ、ラストまでの道筋をたどっていきますね。ここからは本当にがっつり核心部分に踏み込むので、未読でまっさらな状態を保ちたい場合は、いったんブックマークしてから離脱するのも全然アリです。

殺意の理由

まずは、一番気になるであろう「幼馴染たちがレリアに殺意を向ける理由」から。ここは作品のテーマそのものに関わる部分なので、少し丁寧に見ていきます。

神聖中立区域での交流期間が終わったあと、レオとして過ごしていた時間は強制的に終わりを迎えます。レオ(レリア)はアウラリアへ戻ることになりますが、そこで待っていたのは皇帝による政治的な駒としての扱いと、暗殺の危機です。皇帝にとって「皇太子レオ」は、権力争いの道具にすぎません。危険が高まれば切り捨てることも辞さないタイプで、レリアはその渦中に放り込まれます。

その結果、レオは「死んだこと」にされます。実際にはレリアとして生き延びる道を選ぶのですが、対外的には「皇太子レオ死亡」という事実だけが残ることになる。このときに重要なのが、「誰がレオを死なせたことになっているか」です。皇帝の権力争いの中で、レリアは「レオを見殺しにした皇女」「皇太子の死に関与した疑いのある人物」として扱われ、彼女の名前はレオの死と結びついたものとして各国に伝わってしまいます。

一方その頃、幼馴染たちはそれぞれの国で地獄のような日々を過ごしています。親友の訃報を聞かされ、レオを守れなかった自分たちを責めつつ、戦場に出て光竜を討伐したり、国内の政争に巻き込まれたり。彼らは彼らで、自分たちなりの「生き延びる戦い」を続けているわけです。

そんな彼らが再びアウラリアの地を踏むのは、大陸の英雄として讃えられるタイミングです。もちろん表向きは「祝賀」と「弔い」のためですが、本音としては「レオの死の真相を確かめたい」という思いが強い。その彼らの前に差し出されるのが、「レオの姉(あるいは妹)として紹介されるレリア」と、「彼女が皇太子を死に追いやった」というストーリーです。

ここで、彼らの中で怒りが一気に燃え上がります。自分たちの大切な親友を奪った相手が、この目の前の皇女レリアだと刷り込まれているからです。もともと正義感が強く、誰かを守るためなら自分を削ることも厭わないタイプの彼らは、「レオの仇を討つ」という形でレリアに殺意を向けるようになります。

ここがポイント

幼馴染たちは「無意味な残酷さ」からレリアを殺そうとしているわけではなく、彼らなりの「正義」と「友情」の延長線上で行動しています。このひねりのおかげで、単純な悪役として憎めないし、後の後悔パートも重みが出ているんですよね。

こうして、「親友の仇」としてのレリアに対する殺意が固定化されてしまった状態で、彼らはレリアと再会し、容赦ない言葉と行動で彼女を追い詰めていくことになります。

レオの正体

次に、「レオの正体」という作品最大のギミックについてです。読者は早い段階から「レオ=レリア」という事実を知っていますが、登場人物たちはそうではありません。この情報の非対称性が、物語にずっと緊張感を与え続けることになります。

幼少期編での彼らにとって、レオは「アウラリアの皇太子」であり、「自分たちと同じく帝国を背負う立場の親友」です。男性として接しているし、外見上も完全に男にしか見えない。性格は少し大人びていて、時々年齢以上に達観したことを言うけれど、それも「苦労している皇太子なんだな」くらいの認識にしかなっていません。

一方で、レリアは「いつかこの嘘がばれたら、自分は処分される」という恐怖を抱えたまま、彼らとの時間を過ごしています。だからこそ、どれだけ打ち解けても、自分から正体を明かすことはないし、彼らと未来を語るときも、どこか一歩引いたまま話すことが多い。それでも幼馴染たちにとっては、レオとの時間はかけがえのない宝物になっていきます。

そして、レオの死が告げられたあとの世界では、レリアは「皇女」としての姿で表舞台に戻ることになります。レオとしての人格は封印され、彼女は政治的な立ち位置と、レオの死の責任を押し付けられたポジションを背負わされる。ここで「レオ」と「レリア」が外見上も役割的にも完全に切り離されるので、幼馴染たちが同一人物だと気づきにくい構造ができあがるわけです。

なぜ正体を明かせないのか

もしここでレリアが「実は私がレオなんだよ」と言ってしまえば、多くの悲劇は即座に回避できたかもしれません。でも、彼女にはそれができない理由が山ほどあります。

  • 皇太子の替え玉に娘を使っていた事実が露呈すると、アウラリア帝国そのものの信用問題になる
  • 皇帝の怒りを買えば、レリア自身だけでなく、彼女を支えてくれている人たちも巻き添えになる
  • 「本当は死んでいなかった」ことが明らかになれば、レオの死を政治的に利用していた勢力が一気に動き出す

レリアは、自分の身ひとつの問題ではなく、関わってくれている人たちの安全も含めて判断しなければならない立場にいます。だからこそ、「今ここで真実を明かすこと」が必ずしも最善とは言えない。頭では分かっていても、心のどこかでは「本当は今すぐ全部話してしまいたい」と思っている。その葛藤が、物語の中でもずっと描かれていきます。

読者としては、「今だ、言っちゃえ!」と何度も思う瞬間があるんですが、レリアが飲み込むたびに、彼女の状況の厳しさを再認識させられます。ここが、この作品ならではの苦くておいしい部分かなと感じています。

四人の後悔

レオの正体が少しずつ浮かび上がってくるにつれて、幼馴染たちの心情も大きく揺れ始めます。この「違和感の積み重ね」と「確信に変わる瞬間」、そしてそこからの「後悔の地獄」が、後半の読みどころです。

最初に違和感を覚えるのは、やはりオスカーです。レリアの何気ない発言や、ふとした仕草、戦略の立て方、人の守り方が、かつてのレオと完璧に重なる瞬間が何度も訪れます。彼は理性では「そんなはずはない」と否定しつつも、感情のどこかで「もしや」という予感を拭いきれません。

カリックスも、戦場で背中を預けられるかどうかで相手を判断するタイプなので、レリアと共闘したときに「昔レオと感じていた安心感」に気づきます。ただ、彼は単純で一直線だからこそ、「それでもレオの仇だ」という認識から抜け出せず、自分の中の矛盾に苦しむことになります。

グリフィスは情報を扱う立場なので、レオの死とレリアの立場に関する矛盾を、資料や証言から薄々感じ取るようになります。論理的に見れば見るほど、「これはあまりにも不自然だ」という結論に近づいていく。でも、その答えを口に出してしまえば、今の自分の行動が取り返しのつかないものになることも分かっているので、簡単には認められない。

ロミオは、感情が何よりも先に動くタイプです。レリアと接する中で、何度も「レオみたいだ」と感じ、そのたびに胸が痛くなります。彼は比較的早い段階で、「もし彼女がレオだったら、自分は何をしてしまったことになるんだろう」と考え始めてしまう分、一番分かりやすく壊れていくキャラクターかもしれません。

それぞれの「後悔」の方向性

  • オスカー:早く気づけたのに、すぐに守れなかった自分への後悔
  • カリックス:拳を向けてしまった瞬間の記憶が一生消えない後悔
  • グリフィス:情報のプロとして、真実を見抜けなかったことへの後悔
  • ロミオ:誰よりも先に友達になったのに、誰よりも傷つけてしまった後悔

真実が露わになったとき、彼らの中で共通するのは「守りたかったはずの親友を、自分たちが自らの手で追い詰めていた」という絶望です。ここから先は、誰かが悪いとか、善悪で簡単に割り切れる話ではありません。全員が被害者であり、加害者でもあるという、重たい現実と向き合う必要が出てきます。

この後悔パートが丁寧に描かれているおかげで、「ただ溺愛に転じました」で終わらないのがこの作品の良さです。彼らはレリアに許しを乞う側であると同時に、自分自身を赦せるかどうかとも戦わないといけない。その二重のしんどさが、物語に深みを与えているなと感じました。

黒幕の正体

さて、ここまでの悲劇を設計してきた黒幕についても触れておきましょう。結論から言うと、物語の元凶はレリアの父であるアウラリア皇帝です。彼は、自分の権力と立場を守るためなら、家族でさえ平気で駒として扱うタイプの人物で、レオの替え玉としてレリアを送り込んだ張本人でもあります。

皇帝は、レオの死をきっかけに国内の反対勢力を一掃したり、他国との力関係を有利に運んだりするために、情報を意図的に操作します。その過程で、「レオの死にレリアが関与している」というストーリーが作られ、各国に流されていきます。幼馴染たちがレリアを「仇」と認識する土台は、ほぼこの情報操作によって形成されたものと言っていいでしょう。

さらに、レリアの母方の血筋──錬金術師としての才能も、皇帝にとっては利用価値のある道具にすぎません。レリアの母は、その才能のせいで皇帝に目をつけられ、結果として悲惨な人生を送ることになっています。レリアが「誰かの役に立つ力」を怖がるのは、単に自信がないからではなく、「自分が有用であればあるほど、権力者に利用されてしまう」という恐怖を身近で見てきたからでもあります。

こうして振り返ると、皇帝は単に分かりやすい「悪役」というよりは、権力の論理が極限まで進んだ結果としての怪物という感じに近いです。家族愛や情よりも、国家の体面や自分の地位を優先することを何度も選んできた人間の行き着く先として描かれていて、単純に「ざまあ!」して終わり、というタイプの敵ではありません。

皇帝の末路と物語のテーマ

皇帝の末路は、政治的にも精神的にも追い詰められた末の自滅寄りです。敵としてスカッと倒されるというより、今まで無視してきたもの、踏みにじってきたものが一気に跳ね返ってくる形になっていて、「因果応報」という言葉がよく似合う結末だなと感じました。

最終カップル

「誰とくっつくのかだけ教えて!」というあなた向けに、最終カップルについてもしっかり書いておきます。最終的にレリアと結ばれるのは、フレスベルグ帝国の皇太子オスカーです。

オスカーは、幼少期から一貫してレオ(レリア)に対して特別な感情を抱いていたキャラクター。最初はそれを「ライバル心」や「親友への信頼」として処理していましたが、物語が進むにつれて、それがもっと深い感情であることを自覚していきます。レリアに対する態度も、最初は刺々しく見えることがありますが、その裏には彼なりの不器用な優しさが隠れていることが多いです。

レオの正体が明らかになったあと、オスカーは誰よりも早くレリアの過去と向き合う側に回ります。自分が向けてしまった疑いと攻撃、守れなかった日々、見て見ぬふりをしてしまった瞬間──そういったものから目をそらさず、彼女に対する償いとこれからを同時に考えようとする姿が、とても印象的です。

レリア側も、オスカーに対しては複雑な感情を抱いています。親友だった頃の記憶、殺意を向けられた恐怖、そして何度も助けられた安心感。全部が入り混じった状態からのスタートなので、「はい、ここからイチャラブです」とはいきません。それでも、時間をかけて信頼を取り戻し、再び隣に立てるようになっていく過程が丁寧に描かれています。

最終的には、レリアとオスカーは結婚し、子どもにも恵まれ、家族としての幸せを手に入れることになります。世界観的にも政治的にも、決して平坦な道ではありませんが、二人が選び取った未来として納得できるラストです。「本当にハッピーエンドなの?」という不安に対しては、「ちゃんと幸せな終着点があるタイプの作品だよ」と胸を張って言える結末だと思います。

他の幼馴染たちは、それぞれレリアへの感情を抱えたまま、友人として、あるいは「もしもの未来」を心のどこかで諦めきれない存在として彼女の側に残ります。完全に吹っ切るわけでも、未練タラタラで邪魔をするわけでもない、絶妙な距離感で着地させてくれているので、逆ハーレム好きとしてはかなり満足度の高いラストかなと感じました。

同じく「誰とくっつくのか問題」が大きなテーマになっている韓国ウェブトゥーン原作作品としては、復讐と結婚が絡み合う『私の夫と結婚して』の漫画最終回ネタバレ記事もあるので、「最終カップルの決まり方」を比較して楽しみたいあなたにはこちらもおすすめです。

感想と評価

最後に、アニオタ目線で『幼馴染が私を殺そうとしてきます』を読み終えたあとに感じたことを、ざっくりまとめておきます。ここまで読んでくれたあなたなら、もうだいたい自分に合いそうかどうかは見えてきていると思いますが、背中を押す一言になればうれしいです。

まず一番推したいのは、幼少期編と再会後のギャップのえぐさです。神聖中立区域での青春が本当に眩しく描かれているからこそ、その後の殺意と冷たい言葉が、読者の心にも容赦なく突き刺さってきます。レオと幼馴染たちが笑い合っていたシーンを思い出しながら、レリアが同じ相手から罵倒される姿を見せられるのは、かなりの精神攻撃です。でも、そのしんどさがあるからこそ、後悔と赦しのシーンが何倍にも重く感じられるんですよね。

次に良かったのが、「後悔もの」としての描写の丁寧さです。幼馴染たちは、単に「ごめんね」と謝って終わりではなく、自分たちがしてきたことを自分で認め、その上でどう生きていくかを考え直すところまで描かれています。レリアの側もまた、簡単に「みんな悪くなかったよ」と許すわけではなく、自分の心の傷と向き合いながら、少しずつ歩み寄っていきます。

一方で、人によって好みが分かれそうだなと思ったのは、錬金術システムやクエスト要素が強くなる中盤以降です。個人的には、ゲーム的な要素でレリアの成長が視覚化されるのはかなり楽しかったですが、「感情ドラマだけを濃厚に味わいたい」という人からすると、やや情報量が多く感じるかもしれません。ここは本当に好みの問題なので、「ゲームシステム系の演出が好きかどうか」で評価が変わるポイントかなと感じました。

個人的な総評(ざっくり)

  • 幼少期編:満点でおすすめしたいレベルの尊さと青春感
  • 再会〜殺意フェーズ:感情を削られつつも一気読み必須の緊張感
  • 後悔と贖罪フェーズ:キャラそれぞれの心情がしっかり掘られていて満足度高め
  • システム要素:ゲーム系演出が好きならプラス、苦手ならややマイナスかも

総合的には、「しんどいけど、その分めちゃくちゃ美味しい」タイプのロマンスファンタジーだと思います。感情を振り回される作品が好きなあなたには、かなり強くおすすめできますし、逆に「最近ちょっとメンタルが弱ってるから、あんまり重いのは…」というタイミングなら、体調が整ったときのご褒美として取っておくのもアリです。

配信・視聴環境についての注意

幼馴染が私を殺そうとしてきますの原作小説や漫画を読むときは、必ず公式アプリや正規の電子書籍ストアを利用してください。違法アップロードサイトやいわゆるrawサイトは、ウイルス感染や個人情報の流出などのリスクがあるだけでなく、作者さんや出版社の正当な収入を奪ってしまう行為でもあります。

著作権や海賊版に関する基本的な情報は、文化庁の公式情報ポータルなどで分かりやすくまとめられているので、一度目を通しておくと安心です。(出典:文化庁「著作権の基本と海賊版」

作品の最新配信状況や価格、キャンペーン情報などは、あくまで一般的な目安として受け取ってもらい、正確な情報は公式サイトや公式アプリ内のお知らせをご確認ください。また、著作権や法律に関する細かな判断が必要な場面では、最終的な判断は弁護士などの専門家にご相談ください。

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