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京アニの作画崩壊はあるのか?けいおんや聲の形で有名な京都アニメーションの作画が良いと言われる理由を解説・考察!

アニメ制作会社

みなさんは京アニをご存知でしょうか?

作画が良いアニメ制作会社といえば?と聞くと大抵の人が京都アニメーションを答えのひとつとしてあげると思います。

そんな京アニは、これまで作画崩壊を起こしたことがあるのでしょうか?気になるところであると思います。

というわけで今回は、『けいおん!』や『聲の形』などの作品で有名な京アニの作画が良いと言われる理由について解説していきたいと思います。

京アニってどんなアニメ制作会社?

まずは「京アニ」こと京都アニメーションがどんな会社なのか、簡単におさらいしていきたいと思います。

基本情報

  • 正式名称:株式会社 京都アニメーション
  • 所在地:京都府宇治市
  • 設立:1985年
  • 初期は仕上げ・動画などの下請け業務が中心
  • 2000年代から元請制作へと本格シフト

代表作には:

年代作品名あらすじ・特徴
2000年代AIR空をテーマにした幻想的で感動的な物語。Key原作。泣けるアニメの代表格。
涼宮ハルヒの憂鬱宇宙人・未来人・超能力者が登場するSF学園物語。エンドレスエイトで有名。
CLANNADCLANNADは人生。
2010年代けいおん!女子高生の軽音楽部の日常。音楽・友情・ゆるさが魅力。アニソン業界に革命を起こしたアニメ。
氷菓古典部に所属する高校生たちが身近な謎を解く青春ミステリ。映像美と雰囲気が魅力。
響け!ユーフォニアム吹奏楽部での成長と葛藤をリアルに描く青春ドラマ。心理描写と音響演出が高評価。
ヴァイオレット・エヴァーガーデン戦争で心を閉ざした少女が代筆業を通して感情を学んでいく。映像美と感動で話題。
2020年代ツルネ弓道に打ち込む男子高校生の成長と仲間との絆。静かで繊細な青春描写が光る。
小林さんちのメイドラゴンS異世界からやってきたドラゴンのトールと普通のOL小林さんとの交流を描くコメディ。

などがあります。

そうそうたる、神アニメ中の神アニメを世に生み出してきたアニメ制作会社と言えるわけです。

基本的にアニメーションにおいても、ストーリーにおいても見て損をするようなアニメはないので、何みても当たりというところがこの会社の強みだと思います。

京アニに“作画崩壊”はあるのか?

さて、本題ですが、「京アニに作画崩壊ってあるの?」という疑問について。

結論から言うと、作画崩壊はほぼ皆無です。

作画崩壊ではなく、”作画ミス”と呼べるようなものはいくつかありますが、大きく崩壊した作画、キャラの顔が崩れているみたいなものは見当たりません。

作画ミスとして有名なのは、けいおん!の律の横顔でしょうか。

ぜひ「けいおん 作画崩壊」や「けいおん 作画ミス」でググってみてください。

問題の画像すぐ出てきます。

作画が悪いとかではないので、アニメを流れで見ていたら気付きませんが、よくよく考えたら違和感あるよね、という話だと思います。

なぜ作画崩壊が起きにくいのか?

京アニのアニメはなぜ作画崩壊が起きにくいのか、考えられるのは以下の理由です。

理由1:自社スタッフが主に作画をしている

多くのアニメーション制作会社は、原画・動画・仕上げなど、アニメーション制作の中でも時間と手間がかかる部分の仕事に関しては、外注していることが多いです。(全てを外注しているわけではありませんが。)

外注の中には、下請けのアニメーション制作会社や、フリーランスのアニメーター、さらには海外のアニメーターにも仕事を割り振る場合があるそうです。

関わる人数が増えれば増えるほど、管理が難しくなるため、作画の統一が難しくなるのだと考えられます。

それに比べて、京都アニメーションは、フリーランス中心ではなく、京アニスタッフが中心で作画の構成されており、自社でしっかり育成されているスタッフであるため、作画崩壊なくアニメを作ることができるのだと考えられます。

理由2:スケジュール管理が徹底されている

テレビアニメにしろ、劇場アニメにしろ、必ず映像作品にはデッドラインが存在します。

特にテレビアニメの場合、テレビ局が放送枠を確保しており、必ず毎週その時間に決まった番組を放送しなくてはならないです。

デッドラインまでに納品しなければ、アニメ制作会社としての信用が下がりますから、必ず納品期限までには間に合わせなければなりません。

総編集という手もあるようですが。

ですので、アニメ制作においてはスケジュールに余裕を持って制作が進められますが、現場によってはどうしても、スケジュールが押してしまうことがあります。

その時に、納品に間に合わせるために、作画の質を下げてでも完成させるということになると、作画崩壊や作画ミスが連発されるものです。

特に最近の大量生産されているアニメは、どんなスケジュール感でやっているか知りませんが、アニメーターの方々が命をすり減らして作っているということは容易に想像できます。

京アニで作画崩壊が起きないのは、このスケジュールを常に余裕を持って取り組んでいるからであるといえます。

理由3:演出と作画の連携が強い

これもよくあるパターンですが、作画崩壊が起きる原因として考えられるのは、アニメ制作の現場でそれぞれの部署が連携していないことにあるようです。

私も実写の現場を何度か経験していますが、撮影現場ではそれぞれの部署は基本的にそれぞれの部署のことに全力で取り組むため、全体を見るということが難しくなってきます。

それが悪いことだとは思いませんが、全体が少しでも見えていれば、それぞれの部署の演出も統一性が生まれてくるとは思います。

アニメの現場でもおそらくそれは同じです。

加えてアニメは部署が多いので、連携が難しくなってくるかと思います。

そんな中京アニが作画崩壊しないのは、絵コンテ・原画・撮影・美術などの部署が“分断”されず、密に連携していることの現れだと考えられます。

京アニの作画はなぜ良いのか?

先ほどまでは作画崩壊を起こさない理由についてお話ししてきましたが、ここからはなぜ作画が良いのかという理由について話していきます。

一言に「アニメの作画がいい」と言っても様々な角度があります。

その中でも、京アニが優れていると考えられる点を紹介していきたいと思います。

  • 原画・動画などの基礎が丁寧
  • 絵コンテ・レイアウトなどで描写を作り込む
  • 撮影・効果・仕上げ(美術)が優れている

理由1:原画・動画などの基礎が丁寧

キャラクターの描き分け、統一性や難しい動きの作画などは疎かにされれば、その後の工程をどれだけすごく仕上げたとしても、出来の悪いアニメーションになってしまいます。

建築でいうところの基礎工事なんかに当たると思います。

ここを疎かにしてしまえば、どれだけいい資材や技術を使おうが、建物は立ちません。

基本的に「作画が良い」と呼ばれるアニメ制作会社は、ここの基礎部分がしっかりしているので、良いアニメーションを生み出せるのだと思います。

つまり、作画が良い!の最低条件が「原画・動画」のような基礎工程にかかっているわけです。

京アニの場合は、ただ単に作画が良いだけではなく、一枚一枚が非常に丁寧に描かれています。

京アニのアニメを何でもいいので見てみて、適当なシーンで止めてみてください。

どこで止めても、それが壁紙にできるほどのクオリティの画がほとんどだと思います。

特に劇場版。

普通に作画が良いと言われているアニメと京アニのアニメを比較してみるとよくわかると思います。

理由2:絵コンテ・レイアウトなどで描写を作り込む

先ほどは、作りはじめの段階の基礎の話をしましたが、ここでは、作り始める前の設計図のお話しをしたいと思います。

他の記事にもたくさん書いていることですが、アニメーションの演出(見やすさなど)を決めるのは絵コンテやレイアウトという工程になります。

アニメーション全体の流れ、カット割、画の構成をこの過程で行なっていき、演出家が一番作業に集中する工程でもあります。

京アニのアニメは、この絵コンテ・レイアウトが他のアニメ制作会社よりも独創的です。

独自のテンポ感を持っていると思います。

たくさん特徴はありますが、ここでは、情景描写の多さという点を挙げておきます。

情景描写とは、登場人物の気持ちを反映させた風景や小道具のインサートカットのことです。

極端な例を言うと、登場人物が悲しくなれば、外で雨が降っている様子が1カット挟まる。とかです。

京アニは日常系アニメだろうが、ファンタジーアニメだろうが、コメディであろうが、この情景描写をたくさん使います。

本当に大量に情景描写が出てきます。

これによって、映像としての魅力が格段に高くなると思います。

あまり逆の例を出すのはよくないかもしれませんが、例えば「転スラ」というアニメでは、登場人物たちがテーブルを囲んで会議するシーンがたくさん出てきますが、情景描写は一切出てきません。

ずっと、登場人物たちの姿しか描かれないのです。

それが悪いとは思いませんが、私は情景描写がある方が好みです。

とにかく、こういった設計図:絵コンテ・レイアウトレベルできちんと演出がされているため、作画が良いという評価になるのだと思います。

理由3:効果・仕上げ・背景美術が優れている

最後はわかりやすいところだと思いますが、効果・仕上げ・背景美術などが段違いに優れていると思います。

背景美術が良いのは見ればわかると思います。

効果・仕上げが良いと言うのは、わかりにくいかもしれませんが、もっとわかりやすく言うと「色彩」と「ライティング(照明)」です。

これも実写の経験から言えることですが、映像作品において演出をするのは、監督や演出家だけではありません。

撮影・音響・照明・美術などの各部署が作品に合わせてそれぞれの演出をするのです。

その中でも、「色彩」と「ライティング(照明)」は演出の幅が広いものだと思います。

描写ごとの登場人物の感情に合わせてそれらの設定を決めていくのです。

演出に関係なさそうな部署が、演出をしているアニメほど深みのある作品になると思います。

京アニはただ綺麗な「色彩」、綺麗な「ライティング(照明)」なだけではなく、それぞれの部署が演出をしているので、深みのあるアニメーションを生み出すことができているのだと思います。

その延長上で、アニメの知識がない私たちには、作画が良い!と言うふうになるのです。

ただ作画が良いだけではなく、それぞれが自分の演出をしているというところだけでもぜひ覚えておいてほしいです。

まとめ:京アニの作画は「奇跡」じゃない、「積み重ね」だった

というわけで、今日は「京アニの作画はなぜ崩壊しないのか?なぜこんなに良いのか?」というテーマをじっくり解説してきました。

京アニは、前提としてアニメーションの基礎をきちんと実行しているだけではなく、社員の方々一人一人が作品と向き合いそれぞれの演出をやっているため、素晴らしいアニメーションを作れているのだと思います。

ここまで読んでいただいた皆さんには、ぜひ、ただ作画が良い!だけではなく、なぜ作画が良いのかを京アニ作品にとどまらず考えてみてほしいと思います!

そうするとアニメがもっと面白くなりますし、アニメーターの方々の苦労や楽しさも知ることができると思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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