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『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』(コクーン)のアニメはどこで見れる?視聴方法まとめ【NHKプラス】

アニメ・漫画

2025年、戦後80年の節目に放送されたアニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』。

原作は、今日マチ子さんによる戦争漫画『cocoon』(コクーン)。

沖縄のひめゆり学徒隊を題材に、少女たちの生と死、友情を描いた心打つ物語です。

SNSでは「どこで見られるの?」「NHKプラスで配信してる?」という声が続出。

この記事では、アニメ『cocoon』の視聴方法・配信状況・再放送の可能性、そして原作を楽しむ方法までわかりやすくまとめます。

アニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』(コクーン)はどこで見れる?

2025年、戦後80年の節目に放送されたアニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』。
原作は今日マチ子さんによる漫画『cocoon』で、第二次世界大戦末期の沖縄を舞台に、学徒隊として動員された少女たちの生と死を描いた作品です。

主人公・サンと親友マユを中心に、友情、恐怖、希望、そして別れが交錯する物語は、静かで美しいのに胸が苦しくなるような余韻を残します。
放送直後からSNSでは「涙が止まらなかった」「映像と音楽が心に刺さる」と話題になり、「どこで見られるの?」という声が多く上がりました。

ここでは、『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』を視聴できる方法を、順を追って詳しく紹介します。
NHKプラスでの見逃し配信や地上波放送の情報、配信期間、さらに見逃した後に観る方法まで、丁寧に解説していきます。

NHKプラスで見逃し配信中(期間限定)

結論から言うと『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』は、NHKの公式見逃し配信サービス「NHKプラス」で配信されていました。

しかし、一週間の期間限定配信で今現在は配信されていません。

NHKプラスは、放送された番組をスマートフォンやパソコンで無料視聴できるサービスです。
登録はメールアドレスと確認コードを入力するだけで完了し、簡単に使うことができます。

アニメ『cocoon』は放送後、NHKプラスの「特集アニメ」カテゴリで配信されていました。

配信映像では、今日マチ子さんの原作に通じる繊細な筆致と淡い色彩が印象的です。
サンが洞窟で負傷兵の看護をする場面では、蝋燭の炎が小さく揺れ、彼女たちの恐怖や優しさが画面全体ににじみ出ています。
音楽は牛尾憲輔さんが担当し、波の音や風の音など、自然音を生かした静かなサウンドが心を包み込みます。

NHK総合では2025年8月25日に放送

『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』は、2025年8月25日にNHK総合で放送されました。
放送時間は23時45分からで、深夜の静けさの中に作品の重みがより際立つ構成となっていました。

実はこの作品、同年3月30日にNHK BSで先行放送されており、夏の地上波放送は“再放送”にあたります。
戦後80年という節目の年に、再び多くの人に戦争と平和を考えてもらうために放送された特集アニメでした。

放送当日はSNS上で「#cocoonアニメ」がトレンド入り。
「静かで苦しいのに、目が離せなかった」「音も色もセリフも少ないのに、心に残る」といった感想が相次ぎました。
満島ひかりさんが声を担当するマユの落ち着いた響きと、伊藤万理華さん演じるサンの純粋さが対照的に響き合い、観る人の感情を揺さぶりました。

また、エンディングで流れた「ずっと ずっと ずっと 〜cocoon Ver.〜」も多くの人の心に残りました。
原曲は「羊毛とおはな」によるもので、それを伊藤万理華さんが優しく歌い上げ、原田郁子さんがアレンジを担当。
静かな祈りのような旋律が、作品の余韻をさらに深めています。

放送後はNHKプラスで約1週間の見逃し配信あり

NHKプラスでは、地上波で放送された番組を放送終了後から約1週間、無料で視聴できます。
『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』も例外ではなく、2025年8月26日から9月1日ごろまで見逃し配信が行われていました。

この期間中は、スマホやパソコン、タブレットなどでいつでも視聴が可能。
通学の合間や夜の静かな時間に、一人でじっくり観る人も多かったようです。

アニメの内容は決して派手ではありません。
むしろ、静けさと間によって心を掴むタイプの作品です。
再生するたびに、サンやマユの表情の奥にある感情を新しく感じ取れるでしょう。

ただし、配信が終了すると番組ページ自体が非公開になります。
見逃しを防ぐためには、NHKプラスにログインしたあと「お気に入り登録」をしておくのがおすすめです。
そうすれば配信開始時にすぐ気づけます。

以下の表に、視聴スケジュールをまとめました。

サービス期間内容補足
NHK総合2025年8月25日テレビ放送夜23:45より放送
NHKプラス放送翌日〜約1週間見逃し配信登録無料、スマホ・PC対応
NHK BS2025年3月30日初回放送BSプレミアム枠
NHKプラス(再配信)不定期過去作品再掲載の可能性再掲載時は告知あり

配信終了後はU-NEXTやBlu-ray/DVDもチェック

もしNHKプラスの配信期間が過ぎてしまった場合でも、あきらめる必要はありません。
『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』は、今後U-NEXTBlu-ray/DVDでの展開が期待されています。

実際に、同作の舞台版『cocoon』はU-NEXTで配信され、Blu-rayも発売されました。
アニメ版もNHKエンタープライズが制作しているため、映像ソフト化される可能性は高いと見られています。

Blu-rayやDVDが発売されれば、特典映像やメイキング、監督・キャストのインタビューなどが収録されるかもしれません。
伊奈透光監督のこだわりや、伊藤万理華さん・満島ひかりさんの収録時のエピソードなどが見られるなら、ファンにとっては貴重な資料になるでしょう。

また、U-NEXTのような動画配信サービスであれば、舞台版・アニメ版・関連ドキュメンタリーなどをまとめて視聴できる可能性があります。
観るたびに異なる感情を呼び起こす『cocoon』だからこそ、何度も触れられる環境があるのは大きな魅力です。

最後に、視聴手段を整理しておきましょう。

視聴方法内容メリット
NHKプラス放送後1週間の無料配信登録だけで簡単に視聴できる
U-NEXT有料配信(予定)高画質で舞台版も視聴可
Blu-ray/DVD映像ソフト永久保存・特典付き
NHK再放送不定期放送無料で観られる場合あり

アニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』は、一度観たら忘れられない作品です。
サンとマユが暗い洞窟で小さな光を頼りに生きようとする姿は、時代を超えて心に残ります。
たとえNHKプラスの配信が終わっても、その世界はBlu-rayでも原作漫画でも続いていきます。

「また会いたい」と思ったとき、彼女たちはきっとそこにいます。
静かに、でも確かに、私たちに語りかけてくれるはずです。

アニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』(コクーン)はどこでみれる?作品情報まとめ

アニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』は、ただの戦争アニメではありません。
それは、戦火の中で生きた少女たちの声を、今の時代に静かに伝える“祈りのような作品”です。
放送後、SNSでは「こんなアニメをNHKが作ってくれたことに感謝」「映像も音もすべてが美しかった」と感動の声が相次ぎました。

この作品が多くの人の心に深く残ったのは、内容の重さだけでなく、映像の質、声の表現、音楽の力、そしてスタッフの情熱が一体となっていたからです。
ここでは、そんな『cocoon』アニメの制作の裏側や見どころを詳しく紹介します。

NHKエンタープライズ制作の高品質アニメーション

『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』を手がけたのは、NHKエンタープライズ。
スタジオジブリ出身の舘野仁美さんがアニメーションプロデューサーを務め、制作は「ササユリ」というスタジオが担当しました。

NHKエンタープライズといえば、『岸辺露伴は動かない』や『雨を告げる漂流団地』など、映像表現にこだわる作品を多く生み出してきたチーム。
本作でもその丁寧な作画と構成力が存分に発揮されています。

特に印象的なのは、沖縄の自然と戦場が交差する映像表現です。
冒頭、海岸で少女たちが青い空を見上げるシーンでは、光の粒が砂の上で踊り、平和な時間が広がっています。
ところが次の瞬間、空が赤く染まり、爆音とともに地面が揺れる。
このコントラストが、「日常」と「戦争」の境界の薄さを痛いほど伝えます。

背景美術を担当したのは渡邊洋一さん。
湿った空気や洞窟の冷たさまで感じられる描写は、アニメというよりも一枚の絵画のようです。
光の使い方にも細心の工夫があり、少女たちの揺れる心を“光と影”で語るような映像になっています。

このように、『cocoon』はNHKエンタープライズならではの静謐な映像美で構成され、派手な演出ではなく“静けさの中の緊張”を描く作品となりました。

アニメ版スタッフ・キャスト一覧(監督・声優・音楽)

この作品を支えるスタッフとキャストの顔ぶれは、まさに“実力派の集結”と言えるものでした。
監督は伊奈透光さん。
絵コンテ、脚本、作画監督までを自ら手掛け、作品全体の世界観を統一させています。

伊奈監督はインタビューで、「静かに流れる時間の中で、少女たちが“生きること”と“死ぬこと”を考える物語にしたかった」と語っています。
その言葉通り、派手な戦闘シーンは一切なく、登場人物たちの呼吸、視線、そして沈黙の間で感情を描いています。

音楽を担当したのは牛尾憲輔さん。
映画『竜とそばかすの姫』などでも知られる作曲家で、繊細なピアノや電子音を組み合わせ、戦争の混沌の中にある“人の温度”を表現しました。

声優陣も豪華です。
主人公・サンを演じるのは元乃木坂46の伊藤万理華さん。
声優初挑戦ながら、どこか壊れそうな少女の声を見事に演じ切っています。
マユ役には満島ひかりさん。
かつて少女だった頃の無邪気さと、大人びた包容力を併せ持つ声が、物語に深みを与えています。

その他にも、日笠陽子さん(タマキ役)、古賀葵さん(ユリ役)、赤﨑千夏さん(マリ役)など、実力派声優たちが脇を固めています。

作品の主要スタッフ・キャストをまとめると、以下の通りです。

役職名前主な代表作
原作今日マチ子『アノネ、』『ぱらいそ』
監督・脚本伊奈透光『ヨルムンガンド』(作画参加)
音楽牛尾憲輔『竜とそばかすの姫』『サイダーのように言葉が湧き上がる』
アニメーションP舘野仁美元スタジオジブリ・『風立ちぬ』制作
主人公・サン伊藤万理華元乃木坂46/声優初挑戦
マユ満島ひかり『愛のむきだし』『カルテット』

それぞれが持つ感性と経験が、作品の空気そのものを形作っているのです。

満島ひかり×伊藤万理華の共演が話題に

放送前から最も注目を集めたのが、満島ひかりさんと伊藤万理華さんの共演です。
この二人の組み合わせには、偶然ではなく“必然”のような深い意味がありました。

満島ひかりさんは、沖縄出身の俳優。
『cocoon』の舞台である沖縄の空気を知る彼女がマユを演じることで、作品に“現地の記憶”が吹き込まれました。
一方で、伊藤万理華さんは“今を生きる少女の象徴”としてサンを演じています。

アニメの中盤、洞窟で爆音が響き、サンが震える場面があります。
マユはそっと手を握り、「大丈夫、外にはまだ光がある」と囁きます。
その声がまるで現実の誰かを励ましているように響くのは、満島さんの演技が“体験から出る言葉”だからです。

伊藤さんもまた、アイドル活動を経て表現者としての成長を遂げた人物。
彼女の演じるサンには、「生きたい」と「怖い」の狭間で揺れる等身大の感情があり、それが観る人に強く共感を呼びます。

SNSでも、「二人の声がまるで詩のよう」「呼吸まで演技になっている」と高評価が続出しました。
この共演は、まさに“世代を超えた命の継承”そのものだったのです。

主題歌「ずっと ずっと ずっと 〜cocoon Ver.〜」の余韻

エンディングで流れる「ずっと ずっと ずっと 〜cocoon Ver.〜」は、作品全体を包み込むような温かさを持っています。
原曲は音楽デュオ「羊毛とおはな」の名曲で、それをサン役の伊藤万理華さんがカバーしています。
アレンジを手がけたのは原田郁子さん(クラムボン)。

この楽曲は、作品の最後、サンが崩れかけた洞窟の中で空を見上げるシーンで流れます。
爆撃の音が遠くで響き、風が止まり、静寂の中で彼女の目に涙が浮かぶ。
その瞬間、音楽がふっと入ってくるのです。

歌詞の「ずっと、ずっと、ずっと、あなたを想ってる」という言葉が、サンとマユだけでなく、戦争で失われたすべての命への祈りとして響きます。
まるで時間が止まったような映像と音の調和に、視聴者の多くが涙を流しました。

この曲はNHKプラスの配信でも完全に聴くことができ、エンドロールまで静かに再生されます。
音を消さず、ぜひ最後まで見届けてほしい名シーンです。

視聴の注意点——NHKプラス利用には会員登録が必要

『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』をNHKプラスで視聴するには、事前の会員登録が必要です。
NHKの受信契約がある世帯であれば、誰でも無料で登録できます。

登録は公式サイトから行い、メールアドレスとパスワードを設定するだけ。
認証メールを受け取って確認すれば、すぐに利用可能になります。
ただし、登録から利用開始までに数時間かかることもあるため、放送直前に登録するよりは余裕をもって準備しておくのが安心です。

NHKプラスではスマートフォン・タブレット・パソコンのどれでも視聴でき、ログインすればいつでもどこでも観ることができます。
通信量が気になる人はWi-Fi環境での視聴をおすすめします。

見逃し配信の期間は放送日からおよそ1週間。
期間を過ぎると視聴ができなくなるため、「お気に入り」機能を活用してチェックするのがおすすめです。

以下に、NHKプラス利用時のポイントをまとめます。

項目内容
利用料無料(NHK受信契約者)
視聴方法スマホ・PC・タブレット
登録方法メールアドレスと認証コード
配信期間放送後約1週間
注意点登録に時間がかかる場合あり

見逃した人のために——『cocoon』の世界を楽しむもうひとつの方法

アニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』は、戦後80年の節目に放送された特別な作品でした。
「もう一度観たい」「見逃してしまった」という声が多く上がっていますが、実はこの物語を味わう方法はアニメだけではありません。

今日マチ子さんが描いた原作漫画、藤田貴大さんが演出した舞台版など、同じ『cocoon』の世界を別の形で感じることができます。
それぞれの表現には、戦争や命についての異なる“見え方”や“感じ方”が込められています。
ここでは、アニメを見逃した人のために、『cocoon』という作品をもっと深く楽しむための方法を紹介していきます。

原作漫画『cocoon』(今日マチ子)を読む

アニメ『cocoon〜ある夏の少女たちより〜』の原作となったのは、漫画家・今日マチ子さんの同名作品『cocoon』です。
2009年から2010年にかけて雑誌『Eleganceイブ』(秋田書店)で連載され、全1巻にまとめられています。

物語の舞台は、第二次世界大戦中の沖縄。
女学生たちは「ひめゆり学徒隊」として看護要員に動員され、戦場の最前線で傷ついた兵士を看護します。
主人公・サンは、友人のマユやクラスメイトとともに、洞窟(ガマ)で必死に生き延びようとします。

漫画のページをめくると、淡い鉛筆のような線と白い余白が印象的です。
その静かな絵の中に、少女たちの「生きたい」「怖い」「守りたい」という感情が詰まっています。
戦闘シーンの迫力よりも、少女たちの“息づかい”が中心に描かれているのが、この作品の最大の特徴です。

印象的な場面のひとつに、サンが暗い洞窟の中で、「ここはいつまで続くの?」とマユに問いかけるシーンがあります。
マユは答えず、ただサンの肩にそっと手を置く。
その小さな仕草が、どんな言葉よりも温かく、そして切ないのです。

電子書籍ストアで購入可能(Kindle・BookLiveなど)

『cocoon』の原作漫画は、現在も電子書籍で読むことができます。
AmazonのKindle、BookLive、楽天Koboなど、多くの主要電子書籍ストアで配信中です。

紙の本は2010年に単行本として発売され、2015年には秋田文庫から文庫版も刊行されました。
電子版ではスマートフォンやタブレットで手軽に読むことができ、モノクロの繊細な絵が画面でも美しく再現されています。

特に電子版では、拡大して読むと今日マチ子さんの細かい線の重なりまで見えるため、印刷版とはまた違った味わいがあります。
ページをスワイプして読み進めるたびに、静けさの中で少女たちの声が聞こえてくるようです。

購入できる代表的なストアを以下にまとめました。

電子書籍ストア特徴配信形態
Kindle(Amazon)読み放題プラン対応あり単品購入・Unlimited対象
BookLive無料試し読みあり単品購入
楽天Koboクーポンキャンペーンが多い単品購入
eBookJapanTポイントが貯まる単品購入

どのストアでも、すぐに購入して読むことができます。
アニメで涙した人も、漫画で初めて触れる人も、手元で何度でもページを開くことができるのが電子版の魅力です。

同作者による「戦争三部作」として読むと深く味わえる

今日マチ子さんは、『cocoon』のほかに『アノネ、』『ぱらいそ』という2つの作品も発表しています。
この3作品は「戦争三部作」と呼ばれ、異なる視点から戦時下の人々を描いています。

『アノネ、』は東京大空襲を背景に、少女と少年の心の交流を描いた作品。
『ぱらいそ』は、広島の原爆をテーマに、家族と未来のつながりを静かに見つめています。

『cocoon』をこの三部作の中で読むと、単なる戦争漫画ではなく、“戦争を語り継ぐための物語”としての意味がより強く感じられます。
それぞれの作品の主人公は異なりますが、どれも「日常の終わり」と「祈りの始まり」を描いています。

三部作を通して読むと、今日マチ子さんが「少女たちを通して平和を描こう」としていた意図が明確に見えてきます。
戦争の悲劇を声高に語るのではなく、あくまで静かに、まるで夢のように描く——その表現が『cocoon』の世界をより深く理解させてくれます。

舞台版『cocoon』もWOWOW・U-NEXTで配信

『cocoon』は、マームとジプシーによって舞台化もされています。
演出は藤田貴大さん、音楽は原田郁子さん。
2013年に東京芸術劇場で初演され、2015年、2022年と再演を重ねました。

舞台では、原作の淡い世界が「声」と「身体」で表現されています。
出演者たちは舞台上で砂を踏み、息を合わせ、時に沈黙の中に立ち尽くします。
照明の色と音楽のリズムが物語の時間を示し、まるで“生きている絵本”のようでした。

舞台版はWOWOWで放送され、U-NEXTでの配信も行われています。
特に2022年版では、コロナ禍で延期された公演を経て、9都市でのツアーが実現しました。
画面越しでもその熱量が伝わり、アニメとはまた違った「生の力」を感じられます。

アニメが「絵で描く命」だとすれば、舞台は「身体で感じる命」。
どちらも『cocoon』という作品の魂を伝える手段なのです。

アニメとの違い——舞台・漫画・映像の表現比較

『cocoon』の魅力は、媒体によって感じ方がまったく違う点にもあります。
漫画は静けさ、舞台は息づかい、アニメは映像美と音楽の融合。
同じ物語でも、伝わる温度がそれぞれ異なります。

たとえば、漫画ではページの余白が“沈黙”を作ります。
一方、舞台では役者の間(ま)が観客に呼吸のリズムを感じさせます。
アニメでは、光や音が感情の流れを可視化しています。

中でも印象的なのは、マユがサンに手を差し伸べるシーン。
漫画では一枚絵のように描かれ、時間が止まったような静けさがあります。
舞台では、二人の間にゆっくりと風が吹く演出で、観客も息をのむ瞬間です。
アニメでは、音楽とともにその手が震えるように動き、命の重みを感じさせます。

このように、『cocoon』は一つの物語を多様な表現で織りなす“命の多面体”のような作品です。

作品が伝える“いのち”と“記憶”のメッセージ

『cocoon』という言葉は英語で「繭(まゆ)」を意味します。
繭の中で命は守られ、やがて羽化して外の世界へ飛び立ちます。
このタイトルには、「少女たちの魂が戦争という繭の中で苦しみながらも、未来へ続く希望を残した」という願いが込められています。

作中で、サンは「死ぬのが怖い」と言いながらも、最後までマユと手を離しません。
その姿は、絶望の中でも生きようとする人間の強さそのものです。
アニメのラストで、マユの声が重なり、「私たちはここにいる」と響く場面では、画面越しに時代を超えた“記憶の声”が届きます。

『cocoon』が伝えているのは、戦争の悲惨さだけではありません。
それは「命の重さ」と「人のぬくもり」、そして「過去を忘れないという優しさ」です。

戦後80年の今、なぜ『cocoon』が必要とされるのか

戦後80年を迎えた今、『cocoon』が再び注目されている理由は明確です。
それは、戦争を「誰か遠い昔のこと」ではなく、「今を生きる自分たちの物語」として描いているからです。

サンもマユも、特別な英雄ではありません。
どこにでもいる少女たちであり、だからこそ彼女たちの苦しみや希望は、現代の私たちにも響きます。

現代社会でも、不安や孤独の中で「生きる意味」を探す若者が増えています。
『cocoon』は、そんな人たちに「生きることは怖くても、美しい」と語りかけているのかもしれません。

命の物語は、時代が変わっても色あせません。
NHKプラスでアニメを観ることも、漫画を読むことも、舞台を観ることも、すべては同じ“記憶の継承”につながっています。

『cocoon』の世界をもう一度訪れることは、戦争を知ることではなく、「人を想う」ことなのです。
そしてそれこそが、今の時代に最も必要なことなのではないでしょうか。

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