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進撃の巨人の壁の名前は?マリア・ローゼ・シーナと地区一覧を徹底解説

進撃の巨人

『進撃の巨人』といえば、巨人の脅威から人類を守る巨大な壁が象徴的な存在です。

作品を観ていて「壁の名前って何だったっけ?」と思った人も多いはず。実は壁にはそれぞれ名前と役割があり、さらに壁ごとに特徴的な地区も存在します。

この記事では「壁の名前」を軸に、壁の構造・役割・各地区の名称をストーリーの重要シーンとあわせてわかりやすく解説します。

進撃の巨人の壁はなぜ存在するのか

『進撃の巨人』の世界で最も印象的な存在といえば、やはり巨大な三重の壁でしょう。人類は長い間、この壁に守られて生き延びてきました。壁の外には人を食べる巨人が徘徊しており、壁がなければ人類は一瞬で滅びてしまいます。

物語の冒頭、エレンやミカサ、アルミンが暮らすシガンシナ区はその最前線に位置していました。超大型巨人が突然現れて壁を破壊したことで、人類の平穏な生活は一瞬にして崩れ去ります。このシーンは、壁がただの建物ではなく、人類の最後の砦であることを強烈に印象づけました。

それでは、この壁はどのような仕組みで人々を守っているのでしょうか。ここからは壁の特徴や秘密に迫っていきます。

人類を守る三重の防御構造

壁は三重に連なっており、外側から「ウォール・マリア」「ウォール・ローゼ」「ウォール・シーナ」と名づけられています。

それぞれ高さはおよそ50メートル。巨人たちの平均的な大きさが3〜15メートル程度であることを考えると、彼らが容易に越えることはできない構造になっています。壁の厚さも10メートルほどあり、まるで大陸を分断するかのような規模で作られているのです。

さらに、壁の形状には特徴があります。外側に突き出した「突出区」と呼ばれる場所が点在しており、人間が密集していることで巨人をおびき寄せやすい仕組みになっています。この設計は、巨人を管理しつつ防衛コストを減らすための工夫でした。しかし、シガンシナ区のように突出した場所は、同時に巨人に襲われやすいリスクを抱えてもいたのです。

壁と巨人の秘密

当初、人々にとって壁は「神の恵み」であり、ただの防御施設として信じられていました。ウォール教という宗教団体も存在し、壁を「女神」として崇拝するほどでした。彼らにとって壁は不可侵であり、補修すらも壁を汚す行為だと考えられていたのです。

しかし物語が進むにつれ、壁には驚くべき秘密が隠されていることが明らかになります。実は壁の内部は巨人の硬化能力で作られており、その支柱となっているのは「超大型の巨人」だったのです。人類を守るはずの壁が、実は巨人そのものによって支えられていたという事実は、作品全体のテーマに深く関わる重要な伏線でした。

こうした背景を理解すると、壁が単なる防御設備ではなく、巨人の歴史そのものと密接に関わっていることがわかります。

三重の壁の名前と意味

三重の壁にはそれぞれ固有の名前がつけられています。この名前は単なる識別のためではなく、作品世界における歴史や文化とも深く結びついています。

名前の由来は「始祖ユミル」の三人の娘にちなんでつけられたとされています。つまり壁は単なる建造物ではなく、人類と巨人の起源に関わる象徴的な存在でもあるのです。

ここからは、それぞれの壁について詳しく見ていきましょう。

最外壁「ウォール・マリア」

「ウォール・マリア」は三つの壁の中で最も外側に位置し、人類と巨人の最前線を守っていました。総延長はおよそ3200キロメートルに及び、広大な大地を覆っていたとされます。

エレンたちが暮らしていたシガンシナ区も、このウォール・マリアの南端に存在しました。しかし845年、突如出現した超大型巨人と鎧の巨人によってウォール・マリアは突破され、人類は広大な領土を失ってしまいます。この事件は物語の幕開けにあたり、多くの人々を難民へと追いやりました。

850年には調査兵団の奮闘によって奪還作戦が成功しますが、その代償は大きく、人類に巨人の恐怖を再び突きつける結果となりました。

中間の壁「ウォール・ローゼ」

「ウォール・ローゼ」はウォール・マリアの内側にある二つ目の壁です。マリアが陥落した後は、人類の生存圏の最前線となりました。

ここにはトロスト区をはじめ、多くの重要な地区が存在します。特に850年の超大型巨人の再来によってトロスト区の壁が破られた際、エレンが初めて巨人化して戦ったシーンは読者に強烈な印象を残しました。サシャの故郷であるダウパー村や、コニーの故郷であるラガコ村もローゼの内に位置しており、住人が巨人化させられる悲劇の舞台ともなっています。

ウォール・ローゼは物語後半までたびたび戦いの舞台となり、人類の希望と絶望が交錯する象徴的な存在でした。

最内壁「ウォール・シーナ」

「ウォール・シーナ」は三重の壁の最も内側にあり、王政や貴族たちの本拠地でした。王都ミットラスをはじめ、政府機関や憲兵団本部が集まっており、いわば人類社会の中枢です。

ここでは外の脅威から守られた特権的な暮らしが営まれていましたが、その裏ではレイス家による記憶の改ざんや王政の腐敗が進んでいました。ストヘス区では女型の巨人を捕らえる作戦が行われ、エレンとアニの壮絶な戦いによって街が崩壊するなど、物語の転換点となる出来事が数多く起こっています。

また、シーナの北に位置するオルブド区では、巨人化したロッド・レイスが侵攻し、調査兵団による壮絶な掃討作戦が繰り広げられました。

壁の名前と特徴まとめ

最後に、三つの壁の特徴を表で整理します。

壁の名前位置主な特徴・出来事
ウォール・マリア最外壁シガンシナ区を含む。845年に超大型と鎧の巨人に突破される。850年に奪還。
ウォール・ローゼ中間の壁トロスト区、ダウパー村、ラガコ村を含む。エレン初の巨人化や住人の巨人化事件。
ウォール・シーナ最内壁王都ミットラスを擁する。ストヘス区の女型巨人戦やロッド・レイスの侵攻。

こうして振り返ると、「ウォール・マリア」「ウォール・ローゼ」「ウォール・シーナ」という三つの壁は、それぞれが物語の重要な舞台となっており、ただの地理的区分以上の意味を持っていることがわかります。

壁は人類を守るための最後の砦であり、同時に巨人の秘密と人類の歴史を語る象徴でもあったのです。

ウォール・マリアに存在する主要地区

(画像引用元:進撃の巨人メモwiki

三重の壁のうち、最も外側に位置するのがウォール・マリアです。ここは人類の生存圏と巨人の世界を隔てる最前線であり、多くの人々が暮らしながらも常に危険と隣り合わせでした。物語はこのウォール・マリアから始まり、やがてその崩壊が人類に大きな悲劇をもたらします。ここでは、マリアに属する代表的な地区や村について解説します。

シガンシナ区と物語の始まり

『進撃の巨人』の物語は、エレン・イェーガー、ミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルトの三人が暮らしていたシガンシナ区から始まります。

シガンシナ区はウォール・マリア南部の突出区に位置し、防衛と生活の拠点として機能していました。しかし845年、突如として現れた超大型巨人がその巨大な足で壁を破壊し、続いて鎧の巨人が内側へと突入してきます。

その瞬間、平和だったシガンシナは地獄絵図へと変貌しました。多くの住民が逃げ惑い、エレンの母カルラも巨人に捕食されるという衝撃的な場面が描かれました。この出来事が、エレンに「巨人を駆逐する」という強い動機を与え、人類と巨人との戦いの物語が幕を開けたのです。

シガンシナ区はその後、ウォール・マリアの奪還作戦の最前線となり、再び物語の大きな舞台として登場します。

クィンタ区や南東の村の悲劇

ウォール・マリアにはシガンシナ区以外にもいくつかの突出区や村が存在していました。その一つがクィンタ区です。クィンタ区はマリア西部の突出区に位置していましたが、超大型巨人の襲撃により避難や防衛が間に合わず、孤立してしまいました。住民や兵士たちは逃げ場を失い、ほとんど全滅に近い悲劇を迎えています。

さらに、マリア南東には地図にも載らないような小さな村が存在しました。ここはライナー、ベルトルト、アニの出身地とされていましたが、ウォール・マリアの陥落後に巨人に襲われ壊滅してしまいます。後に彼らが「戦士」として壁を破壊する側の人間だったことが判明すると、この村にまつわる過去の描写がより重く響いてきます。

ウォール・マリアは、人類にとって広大な領土と豊かな資源を抱える場所であったと同時に、巨人の脅威が最初に襲いかかる危険地帯でもありました。そのため、陥落の影響は計り知れないもので、人々の生活と歴史を大きく変えてしまったのです。

ウォール・ローゼに存在する主要地区

ウォール・マリアが失われた後、人類の最前線となったのがウォール・ローゼです。ここはマリアに比べると内側に位置しており、多くの人々が避難して暮らすようになりました。しかし、巨人の脅威がなくなったわけではなく、ローゼ内でも数々の事件や戦闘が繰り広げられます。ここからは、物語の重要な舞台となった地区や村を紹介します。

トロスト区と超大型巨人の再来

トロスト区はウォール・ローゼ南部に位置する突出区で、駐屯兵団の本部も置かれている重要な拠点でした。

850年、訓練兵団を卒業したばかりのエレンや仲間たちが配属された直後、再び超大型巨人が現れます。シガンシナでの惨劇から5年後、人類は再び壁を破壊される絶望的な状況に追い込まれました。

このときの戦いでは多くの兵士が命を落とし、アルミンも巨人に呑み込まれかけるなど緊迫した場面が続きました。しかし、この戦いの中でエレンが初めて巨人化の力を発揮し、人類に反撃の希望をもたらします。壁の扉を大岩で塞ぐシーンは、作品を代表する名場面のひとつです。

トロスト区はその後もリーブス商会の拠点として登場し、人間同士の権力争いや経済活動の舞台としても描かれていきました。

ダウパー村やラガコ村の悲劇

ウォール・ローゼ内には小さな村も数多く存在します。その中でも印象的なのが、サシャの故郷であるダウパー村と、コニーの故郷であるラガコ村です。

ダウパー村は山奥にあり、少数の狩人が暮らしていました。サシャが弓を持って森で狩りをする描写は、彼女のルーツを表しています。しかし、ウォール・マリア陥落後に外部の人々が流入し、森や獲物は減少して生活が厳しくなっていきました。サシャが村に戻った際には、巨人に家を襲われて少女を救うシーンが描かれ、彼女の成長を示す印象的なエピソードとなりました。

一方、ラガコ村は獣の巨人によって住人全員が無垢の巨人にされてしまいます。コニーが帰郷した際、自宅に倒れ込む巨人を目撃し、その姿が母親であることを知る場面は衝撃的でした。彼の「母ちゃん…?」という言葉は、巨人の正体が人間であることを示す大きな伏線となったのです。

ウトガルド城での獣の巨人戦

ウォール・ローゼ内にはウトガルド城という古い城も存在しました。ここは一度廃墟となっていましたが、調査兵団が野営地として利用した際、獣の巨人に率いられた巨人の群れに襲われます。

リヴァイ兵長が不在の中、若い兵士たちやユミル、ライナー、ベルトルトらが奮闘しました。特にユミルが自ら巨人化して仲間を守るシーンは、彼女の過去と正体が明らかになる重要な場面でした。

ウトガルド城での戦いは、ただの巨人との戦闘ではなく、獣の巨人という新たな脅威の登場と、仲間の正体が少しずつ明らかになっていく転換点でもありました。

ウォール・マリアとウォール・ローゼの主要地区まとめ

最後に、今回紹介した地区や村を表で整理します。

壁の名前地区・村特徴・出来事
ウォール・マリアシガンシナ区エレンの故郷。超大型巨人の襲撃で崩壊し、物語が始まる。
ウォール・マリアクィンタ区避難が間に合わず孤立し、壊滅的被害を受ける。
ウォール・マリア南東の村ライナー、ベルトルト、アニの出身地。巨人により壊滅。
ウォール・ローゼトロスト区850年に超大型巨人が再来。エレン初の巨人化。
ウォール・ローゼダウパー村サシャの故郷。狩人の村だが巨人に襲撃される。
ウォール・ローゼラガコ村コニーの故郷。住民が巨人化させられる衝撃の事件。
ウォール・ローゼウトガルド城獣の巨人と初遭遇。ユミルが仲間を守るために巨人化。

ウォール・シーナに存在する主要地区

三重の壁の中で最も内側にあるのが「ウォール・シーナ」です。
ここは王族や貴族が住む特権階級の世界であり、他の壁内の人々とは生活水準も環境も大きく違っていました。

また、物語の重要な転換点の多くがこのウォール・シーナで起きています。
王都ミットラスでの権力争い、ストヘス区での女型の巨人との激闘、そしてオルブド区でのロッド・レイスの侵攻など、いずれも壁の内側の秘密や人類の運命に大きく関わる出来事ばかりです。

ここからは、ウォール・シーナの代表的な地区について詳しく見ていきましょう。

王都ミットラスと王政の中心

ウォール・シーナの中心に位置する王都ミットラスは、人類の政治と権力が集中する場所です。
憲兵団本部や政府機関、そして王宮がここにあり、庶民の生活圏とは全く異なる雰囲気を漂わせています。

王都の内部では豊かな暮らしが営まれていました。食糧や物資が優先的に集められ、街並みも華やかで、壁外からの脅威を感じることはほとんどありません。
一方で、ウォール・マリアやウォール・ローゼで苦しむ人々の声は届かず、ここに住む人々は「自分たちが守られて当然」という感覚を強く持っていました。

物語の中でも、エレンの処遇を決める審議や、調査兵団と憲兵団の対立など、王都で行われた出来事は人類の命運を左右するものばかりです。
特に印象的なのは、王政打倒のクーデターです。真の王であるヒストリア・レイスが王位に就いた瞬間、長く続いた「偽りの王政」が終わりを迎えました。

ミットラスはただの政治の中心ではなく、人類の歴史を大きく動かす舞台でもあったのです。

ストヘス区と女型の巨人との戦い

ウォール・シーナの東に位置するストヘス区は、物語の中で最も激しい市街戦が繰り広げられた場所です。
ここで起きたのが「女型の巨人拘束作戦」でした。

アニ・レオンハートが女型の巨人であることを暴かれ、街の中で激しい戦闘が繰り広げられます。
石畳の街路が破壊され、建物が次々と崩れ落ち、人々が逃げ惑う姿は、巨人との戦いがもたらす現実的な被害を強烈に描き出していました。

この戦いの中で、エレンは巨人化してアニと真っ向からぶつかり合います。二人の巨人が拳を交えるたびに、街は粉々に壊れていきました。
アニが涙を流しながら結晶に閉じこもったシーンは、多くの読者や視聴者に強い印象を残したはずです。

ストヘス区の戦いは、調査兵団が巨人化能力を持つ人間と正面からぶつかる初めての大きな戦闘でした。
それは「人類同士の戦い」という新しいテーマを示す出来事でもあったのです。

オルブド区とロッド・レイスの侵攻

ウォール・シーナ北に位置するオルブド区は、ロッド・レイスの巨人化による侵攻の舞台となりました。
ロッド・レイスは、薬を使って自ら巨人化しましたが、異常に大きな体を持ちながらも自立できず、地面を這いながら進む「異形の巨人」となりました。

その巨体は街へと迫り、進むたびに地面をえぐり、建物を押しつぶしていきます。
オルブド区の人々は避難を余儀なくされ、絶望の中で兵団たちは必死に戦略を練りました。

最終的に、この戦いの中心となったのはヒストリアでした。
彼女は自らの父であるロッドを仕留めることで、王家の血を引く者としての覚悟を示し、人々の前で新たな女王として立つことを決意します。

オルブド区の戦いは、単なる巨人討伐ではなく、「王の血筋」と「人類の未来」が重なり合う場面でした。
ここでのヒストリアの選択は、後に彼女が女王として人々を導く象徴的な出来事となったのです。

まとめ

ウォール・シーナの地区は、物語の核心に直結する舞台が数多く登場しました。
王都ミットラスでは王政の腐敗と改革、ストヘス区では人類同士の衝突、オルブド区では王家の因縁と未来の女王の誕生。

それぞれの出来事は、人類が巨人に立ち向かうだけでなく、内部の矛盾や権力争いといった「人間社会の壁」を描き出していました。

最後に表で整理しておきましょう。

地区名特徴と役割主な出来事
王都ミットラス王政の中心。貴族と権力者の世界。王政打倒、ヒストリアの即位
ストヘス区東の突出区。市街戦の舞台。女型の巨人拘束作戦、アニとの戦い
オルブド区北の突出区。民衆も多く住む街。ロッド・レイス巨人の侵攻、ヒストリアの決断

ウォール・シーナは「安全な内側の壁」でありながら、その中で繰り広げられたのは人類の運命を左右する大事件ばかりでした。
それは『進撃の巨人』が単なる巨人との戦いを超えて、人間同士の矛盾や選択を描いた作品であることを示しているのです。

壁の構造に隠された秘密

『進撃の巨人』に登場する三重の壁は、人類を守るための最後の砦として描かれてきました。しかし物語が進むにつれて、その壁はただの巨大な石の構造物ではなく、深い謎と秘密を抱えていることが明らかになります。最初は人々にとって「神の恵み」として信仰の対象だった壁。しかしその裏側には、巨人の歴史や人類の記憶に関わる大きな真実が隠されていました。

ここでは、壁の正体と、それを取り巻く人々の信仰について掘り下げていきましょう。

巨人によって作られた壁の正体

壁の秘密が初めて明らかになったのは、ウォール・ローゼのトロスト区での防衛戦が終わった直後のことでした。超大型巨人が去った後、破壊された壁の断面から、巨大な人型の顔がのぞいていたのです。この衝撃的な光景は、壁が巨人によって作られていることを示していました。

その後の調査や、物語後半で語られる真実によって、壁の正体は「硬質化した巨人の体」であることが明らかになります。壁は「始祖の巨人」の力を持つフリッツ王によって築かれました。数多の超大型巨人を硬化させ、その巨体を並べることで、三重の壁が完成したのです。

つまり、人類を巨人から守ってきた壁は、皮肉にも巨人そのものによって構成されていたのです。もし彼らが目を覚ませば、壁そのものが人類を飲み込む脅威に変わる。そうした恐怖と隣り合わせで、人々は何も知らずに暮らしていたわけです。

エレンが「地ならし」を発動する場面では、この秘密が最大限に活かされます。眠っていた無数の超大型巨人が壁から姿を現し、足並みをそろえて世界を踏みつぶすシーンは、人類にとって守りであった壁が、最凶の攻撃手段へと反転する瞬間でした。壁の正体がもつ二面性は、『進撃の巨人』という物語の残酷さと深みを象徴しています。

ウォール教と壁を巡る信仰

壁の内部で暮らす人々にとって、壁はただの防衛施設以上の意味を持っていました。その象徴的な存在が「ウォール教」です。ウォール教は壁を神聖な存在として崇拝し、人々に対して「壁こそが人類を守る女神だ」と説いていました。

ウォール教の信者たちは、壁を傷つけることを何よりも嫌いました。壁を補修するために石材を削ることすら、神を冒涜する行為だと見なしたほどです。実際、壁の断面から巨人の顔が見えたとき、ウォール教の指導者たちはそれを隠蔽しようと必死になりました。壁の秘密が明るみに出れば、自分たちの教義や権威が揺らいでしまうからです。

この構図は、現実社会における宗教や権力構造を強く意識させます。信仰は人々に安心を与えますが、同時に真実を覆い隠す手段にもなり得る。ウォール教の存在は、壁そのものがただの物理的な防御ではなく、心理的・社会的な支柱であったことを示しています。

また、信仰の対象であった壁が、実は巨人の体でできていたという事実は、人類の価値観を根底から揺るがすものでした。「守り神」だと思っていたものが「恐怖の源」だったという逆転は、進撃の巨人ならではの残酷な皮肉といえるでしょう。

まとめ|壁の名前から見える進撃の巨人の核心

ここまで、壁に秘められた構造と信仰について解説してきました。『進撃の巨人』において壁は、単なる防衛設備ではなく、巨人の正体や人類の歴史そのものを映し出す装置でした。

三重の壁にはそれぞれ「ウォール・マリア」「ウォール・ローゼ」「ウォール・シーナ」という名前が与えられています。これらは始祖ユミルの三人の娘に由来しており、物語世界の神話や血統と結びついた意味深い存在です。そして、その内部には無数の巨人が眠り、信仰の対象である一方で、破壊の象徴へと変貌する可能性を秘めていました。

最後に、壁の名前とその象徴的な意味をまとめておきましょう。

壁の名前特徴と象徴的意味関連する出来事
ウォール・マリア最外壁。人類と巨人の最前線。守りでありながら最初に突破される。シガンシナ区陥落、マリア奪還作戦
ウォール・ローゼ二重目の壁。人類の生活圏の中心。巨人の襲撃や悲劇が続く。トロスト区攻防戦、ラガコ村事件
ウォール・シーナ最内壁。王政と特権階級の中心。信仰と権力の象徴。女型巨人戦、ロッド・レイス侵攻

壁は人類を守る砦であると同時に、巨人の恐怖、信仰、権力、そして歴史の闇を象徴していました。

『進撃の巨人』という物語は、壁の秘密を解き明かすことから一気にスケールを広げ、最終的には「世界の構造」そのものに迫っていきます。壁の名前を理解することは、物語の核心に近づく第一歩なのです。

※進撃の巨人公式サイトはこちら※

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