アニメ『亜人』は、桜井画門による人気漫画を原作としたサスペンスアクション作品で、2016年に放送されました。
重厚なテーマと迫力のあるバトル展開で一部には高い評価を受けた一方で、「ひどい」「原作と違う」「CGが無理」といった否定的な意見も根強く存在します。
この記事では、『亜人』のアニメがなぜ「ひどい」と言われるのか、原作との違いや具体的なシーンを取り上げながら、逆に評価されている魅力についても丁寧に紹介していきます。
初めて『亜人』に触れる方にもわかりやすく徹底解説します。
亜人のアニメがひどい:基本情報と評価

まずは亜人のアニメがひどいという前に、基本情報と視聴者からの評価についてまとめます。
作品を理解する上で重要な前提としてご覧ください。
あらすじ
高校生・永井圭は、ある日突然トラックに轢かれ死亡します。ところが、その直後に体が再生し、生き返ったことで、彼が“不死者=亜人”であることが周囲に知られてしまいます。亜人は人間社会では危険視される存在であり、国家の監視・研究対象とされるため、永井は突如として賞金首となり、逃亡生活を強いられます。
彼に手を差し伸べたのは、唯一の友人である海斗。海斗と共に逃げる永井だったが、国家による非人道的な実験や、同じ亜人でありながら人類を敵と見なす佐藤との遭遇を経て、永井は次第に人間としての立場を再確認していきます。
その過程で明らかになっていく亜人という存在の秘密、IBM(インビジブル・ブラック・マター)と呼ばれる能力、国家機関の思惑、そして佐藤が仕掛ける凄惨なテロ行為の数々。永井は自身の運命と向き合い、「人類の側に立って戦う」と覚悟を固めていきます。
物語はサスペンス、アクション、社会的テーマが交錯し、視聴者に問いを投げかける構成になっています。人間とは何か、命とは何か、という根源的な問いに迫るストーリーが展開されるのも本作の大きな特徴です。
主な登場人物
- 永井圭(CV:宮野真守):本作の主人公。
冷静で自己中心的な性格の持ち主だったが、物語を通じて少しずつ他者を思いやる心や人間としての誇りを取り戻していく。IBM(インビジブル・ブラック・マター)の操作に秀でており、戦術的な思考と冷静な判断力で、状況を優位に導く頭脳派タイプ。人類の味方として佐藤と対立する中心人物。 - 佐藤(CV:大塚芳忠):通称“帽子”と呼ばれる元軍人の亜人。
冷酷非道なテロリストでありながら、綿密な戦術と計画性をもつ策略家としての側面を併せ持つ。ゲーム感覚で人類への攻撃を行い、政府転覆すらも視野に入れた大規模な作戦を実行する、まさに“絶対悪”の象徴。 - 海斗(CV:細谷佳正):永井の幼なじみで、物語初期から一貫して彼を信じて支え続ける存在。
自らの危険も顧みず、逃亡中の永井を助けるなど、誠実で義理堅い性格。戦闘には関わらないものの、永井の精神的支柱として大きな役割を果たす。 - 戸崎優(CV:櫻井孝宏):厚生労働省で亜人管理を担当する政府職員。
非情かつ現実主義的な判断を下すことが多く、冷たい印象を与えるが、国家の安定と秩序のために行動している。実は強い信念を持っており、組織の中で孤独に戦う一面も描かれる。 - 下村泉(CV:小松未可子):戸崎の直属の部下で、自身も亜人である。
戦闘能力が非常に高く、冷静沈着な判断力を持つクールな女性。任務を淡々とこなすプロフェッショナルでありながら、戸崎との間には信頼関係が育まれており、時折見せる人間らしさが魅力。
アニメの概要:どこまで?完結してる?
- 放送時期:
- 第1期:2016年1月〜4月(全13話)で、原作第1巻から第5巻程度の内容をカバー。
- 第2期『亜人 -衝突-』:2016年10月〜12月(全13話)で、原作の中盤以降をベースにアニメオリジナルの展開が挿入されている。
- 構成:全2期構成で、原作の主要エピソードをなぞりつつ、後半はアニメ独自の結末が描かれるスタイル。物語のテーマや対立構造は維持されているものの、キャラクターの動機や関係性には違いが見られ、原作とアニメで印象が変わる。原作はその後も連載が続き、2017年に完結したため、アニメは一種の“独自解釈による完結”を先に迎えた形となっている。
- 映画版:アニメと並行して全3部作の劇場アニメが制作・公開されており(2015年〜2016年)、ストーリーラインはテレビシリーズとほぼ同様だが、演出やテンポ、音響面において映画ならではの重厚感が加わっている。
劇場版では一部シーンの追加・再編集が行われており、アニメファンの間でも評価が分かれるポイントの一つとなっている。
原作との違い
アニメは原作の展開をなぞる形ではあるものの、限られた尺の中で収めるためにテンポが非常に早く、原作でじっくり描かれていた心理描写や会話シーンが大幅に省略されています。
とくに永井圭の内面の変化や、海斗や戸崎との関係性の発展などが簡略化されており、物語の深みやキャラクターの成長が視覚的・感情的に伝わりにくくなっています。
アニメ独自のシーンや結末が用意されていることも、原作ファンからは評価が分かれるポイントです。
原作では丁寧に描かれていた戦略や伏線が省略され、アニメではよりアクション重視の演出に転換されているため、緊張感は増す一方で、原作の“考える余地”がなくなってしまったという指摘もあります。
また、原作後半で重要な位置を占める人物や設定の扱いがアニメでは異なっており、世界観の解釈にもズレが見られます。
特に佐藤の目的や思想についての深堀りが足りないとの声があり、彼の行動に説得力を感じられないという意見も見受けられました。
総じて、原作のテーマ性やキャラクターの魅力を圧縮してしまっている点が、原作既読者の間で“違和感”や“不満”として受け止められている要因の一つです。
評価
- 肯定的評価:
- CGアクションのスピード感と重厚な雰囲気に一部好評価
- 宮野真守・大塚芳忠ら声優の演技力に高い評価
- 佐藤というヴィランの魅力が際立っているとの声も
- 否定的評価:
- CGの動きに違和感、表情が固い
- 展開が早すぎて感情の流れが追いにくい
- 原作との違いが大きく、ファンには受け入れづらい部分も
あとで詳しく見ていきたいと思います。
配信
- 2024年現在の配信状況(確認可能例):
配信サービス名 | 配信形態 | 無料体験期間 | 月額料金(税込) | 備考 |
---|---|---|---|---|
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J STREAM | 見放題 | なし | 1,100円 | J加入者向けサービス。 |
ABEMA | 見放題 | なし | 580円 | 多彩な作品を無料で24時間配信。 |
- BD/DVD展開:全2期のBlu-ray BOX発売済み
- 原作:全17巻で完結済み(講談社)
※配信情報については時期によって異なる場合があるので、適宜公式サイトをご確認ください。
亜人のアニメがひどい理由と魅力

ここからは、亜人のアニメが「ひどい」と言われる原因を具体的に検証すると同時に、実は評価されている魅力にも光を当てていきます。
意外と知られていない好ポイントにも注目してください。
理由1:アニメオリジナル
アニメでは原作の途中までをベースにしつつも、終盤の展開や結末にアニメオリジナルの要素が多く盛り込まれています。
そのため、原作に思い入れのあるファンの中には、「こんな終わり方は納得できない」「原作の良さを台無しにしている」といった厳しい意見も見られます。
特に物語のクライマックスにおける佐藤との決着の描写や、永井圭の心理的成長プロセスに関しては、原作と比べると駆け足気味で、深みが不足していると指摘されています。
また、原作ではじっくりと積み上げられていた伏線や登場人物の関係性の変化が、アニメでは簡略化または削除されている場面が多く、そのため視聴者がキャラクターの行動に感情移入しにくい構造になってしまっています。
たとえば、永井がどのような心の変化を経て「人類の側に立つ」と決意したのかという重要な流れが、アニメでは唐突に描かれており、彼の信念の深さが感じられにくくなっています。
アニメオリジナルの終盤では、アクションや演出に力が入っている一方で、物語としての整合性や余韻に欠けるという評価もあります。
これにより、原作ファンからは「物語の重みが削がれてしまった」「もっとキャラの心情を丁寧に描いてほしかった」といった失望の声が上がっています。
理由2:キャラが弱い
アニメではキャラクターの心情や過去に関する描写が十分に掘り下げられておらず、「誰に感情移入すればいいのかわからない」「登場人物が記号的に見える」といった声が多く上がっています。
主人公である永井圭はまだしも、彼を支える海斗や、重要なポジションにいる下村泉、さらには政府側のキーパーソンである戸崎優など、いずれも表面的なセリフや行動に終始しており、彼らがなぜそのように行動しているのかという背景が分かりにくい構成となっています。
とくに海斗に関しては、永井を命がけで助ける存在として重要な役割を担っているにもかかわらず、彼自身の動機や葛藤についての描写がほとんどなく、ただの「都合の良い友人」になってしまっていると感じる視聴者も少なくありません。
また、下村泉も非常に優秀で魅力的なキャラクターであるはずですが、彼女の過去や感情が語られる場面が少なく、戸崎との関係性の深さもぼんやりとしか伝わってきません。
こうした背景描写の不足によって、視聴者はキャラクターの感情の変化に共感しづらく、物語全体が淡白に感じられてしまう傾向にあります。
これが、アニメ『亜人』が「キャラが弱い」と言われる大きな理由のひとつとなっているのです。
理由3:CG
本作はポリゴン・ピクチュアズ制作によるフル3DCGアニメーションであり、手描きアニメが主流の日本アニメにおいては珍しい挑戦的な作品でした。
しかしその革新性とは裏腹に、多くの視聴者からは「違和感を覚える」「感情移入がしにくい」といった否定的な反応が寄せられました。
セル画アニメでできる作品を3DCGでやってしまうとどうなるかについては下記の記事で詳しく解説しています。
2Dアニメーションでできるものを3DCGでやると批判されがち【宝石の国】
特に問題視されたのはキャラクターの表情と動作です。
セル画アニメでは繊細な表情の変化や目の演技などが重視されますが、3DCGではその表現力がやや劣るため、人物の心情が伝わりにくく、結果としてキャラが「無表情」「人形のようだ」と感じられることが多かったようです。
また、日常会話シーンなどの動きが硬く、視聴者の没入感を妨げてしまうという指摘もありました。
ただし、戦闘シーンにおいては一部で好意的な評価も見られます。
IBM(インビジブル・ブラック・マター)の動きや、銃撃戦の迫力は3DCGならではのダイナミックさを生んでおり、スピード感やカメラワークの自由度の高さが光る場面もあります。
それでも、「アクションはすごいけど日常パートがチープに見える」という意見が多く、全体としてCGの活用が作品にバランスよく作用しているとは言いがたい状況でした。
結果として、CGの技術的完成度そのものよりも、表現の向き不向きと演出意図のギャップが「ひどい」と言われる要因につながっているといえるでしょう。
理由4:テンポの早さと省略
原作の展開をアニメという限られた尺に収める必要があるため、全体的にテンポが非常に速くなってしまっています。
原作ではじっくりと時間をかけて描かれていた心理描写やキャラクターの心の変化が、アニメでは数カットや数セリフで済まされており、視聴者が感情の流れを追いきれないという事態が頻発しています。
特に永井圭が人間側に立つ決意を固めるまでの過程や、佐藤の計画に揺さぶられながらも信念を確立していく精神的な変遷などは、原作では丁寧に描かれているものの、アニメではあっさりと展開されており、「キャラの成長に納得できない」「突然人格が変わったように感じる」といった視聴者の戸惑いを招いています。
また、伏線の回収やキャラクター同士の関係性も省略されることが多く、本来ならば名シーンとなるはずの場面が、唐突で印象に残らないものになってしまっているという意見もあります。
例えば、海斗との絆や戸崎と下村の信頼関係が十分に描かれないまま展開が進んでしまい、感動や余韻が薄れてしまう結果となっています。
こうしたテンポの早さと内容の圧縮は、ストーリー展開のスピード感を生むというメリットもありますが、その分ドラマ性や人物描写の厚みが削がれ、視聴者が置いてきぼりになる構成になってしまっているのが現実です。
この構成上の問題が、アニメ版『亜人』に対する「物足りなさ」や「感情移入できない」という評価につながっているのです。
魅力1:佐藤のキャラクター性
「ひどい」と言われる一方で、佐藤というキャラに関しては大きな支持があります。
彼の冷徹さとゲーム感覚の戦術、軍事的知識を駆使した作戦の数々は、まさに“最強のヴィラン”として視聴者の記憶に残る存在です。
その魅力の一つは、彼が単なる悪役ではなく、極めて論理的かつ戦略的に動く点にあります。
佐藤は無駄な動きをせず、常に先手を打つ計算高さを持ち合わせており、敵であるにもかかわらず「かっこいい」「憧れる」とすら言われることもあります。
冷静沈着に見えて、行動には確固たる意志があり、政府や警察の裏をかく作戦には視聴者も驚かされます。
また、彼の“ゲーム感覚”は物語に強烈なアクセントを加えています。あくまで遊びのように人命を扱いながらも、目的は徹底して追求する。
そのギャップが、狂気と知性を併せ持つキャラクター像として強く印象付けられているのです。
さらに、声優・大塚芳忠さんの演技がその魅力を一層引き立てており、落ち着いた声のトーンで語られる残酷な台詞には鳥肌が立つという声もあります。
彼の存在はストーリーの軸を引き締める重要な役割を担っており、彼が登場するシーンはどれも緊張感と迫力に満ちているため、シリーズ全体の印象を決定づけていると言っても過言ではありません。
魅力2:音響・演技のクオリティ
声優陣の演技は、アニメ『亜人』における最大の魅力の一つとして多くの視聴者から評価されています。
とくに宮野真守さん(永井圭)と大塚芳忠さん(佐藤)の掛け合いは迫力に満ち、ストーリーに圧倒的な緊張感と説得力をもたらしています。
宮野さんの演技は、永井の冷静さと心の揺れ、そして人間としての葛藤を丁寧に表現しており、視聴者が彼の心の内を感じ取れる繊細なアプローチが光ります。
一方、大塚芳忠さんは佐藤の冷酷さ、残虐さ、そしてどこか人間的な趣きを絶妙にバランス良く演じ分けており、その深みのある低音ボイスは物語の不気味さと知的な雰囲気を引き立てています。
とくに、静かに語るシーンと激昂するシーンのギャップが印象的で、佐藤というキャラクターに命を吹き込んでいます。
逆に声が良すぎて、映像に合ってないということも考えられますが。。。
さらに、BGM(劇伴音楽)も作品全体の世界観を支える重要な要素となっています。
サスペンス調の音楽や、戦闘シーンでの高揚感を誘うサウンドは、視聴者の感情を巧みに操り、シーンごとの雰囲気を効果的に盛り上げます。
特定の場面では、音楽がセリフ以上に緊張感を伝えており、まさに映像と音の融合による没入感を実現しています。
また、効果音の使い方も非常に秀逸で、IBMの発動音や銃撃音のリアリティがアクションの臨場感を倍増させています。
音響全体に対するこだわりが随所に見られ、演出の完成度を高めている点も見逃せません。
魅力3:現代社会に通じるテーマ
「差別」「国家と個人の対立」「メディア操作」など、現実社会に通じるテーマが物語全体に巧みに織り込まれているのも、『亜人』という作品の大きな魅力です。
単なる亜人同士の戦闘や逃亡劇にとどまらず、社会構造に潜む不平等や暴力性、人間の倫理観といった、深く考えさせられるテーマが随所に盛り込まれています。
特に「差別」に関しては、亜人という“異質な存在”が、ただそれだけの理由で社会から排除され、実験体として扱われる様子を通して、現実のマイノリティや弱者に対する社会の冷酷さを象徴的に描いています。
また、永井圭が亜人であることを知られた瞬間に豹変する周囲の反応は、人間の恐怖や偏見がいかに脆く暴力的かをリアルに表現しており、視聴者に強い印象を与えます。
「国家と個人の対立」についても、政府が“国家の安全”を口実に亜人を非人道的に拘束・実験する姿勢は、現実の国家権力と人権の問題を思わせる描写として機能しています。
さらに、佐藤というキャラクターの登場によって、「反権力」と「テロリズム」の境界が曖昧になり、何が正義で何が悪かというテーマがより複雑に提示されます。
「メディア操作」に関しても、物語中では情報がどのように操作され、世論がどう動かされるかが描かれており、現代の情報社会に対する皮肉や風刺としても読み取ることができます。
これらのテーマは、視聴者の立場や人生経験によって多様な解釈が可能であり、「ただのアクションアニメ」では終わらない作品として、多くの考察を生むきっかけとなっています。
魅力4:CGならではの映像表現
否定的意見も多いCGですが、その反面、銃撃戦やIBMの動きなど、手描きアニメでは難しいダイナミックな表現を実現できるという大きな利点もあります。
とくに本作では、IBMが繰り出す独特の動きや再生能力を持つ亜人同士の戦闘がリアルかつスピーディーに描写されており、戦闘アクションの臨場感に魅力を感じたという視聴者も少なくありません。
また、CGならではのカメラワークや視点の切り替えも、演出面に大きなインパクトを与えています。
例えば空中からの俯瞰ショットや、キャラクターの周囲を360度回転するような視点など、実写映画のような臨場感ある構図を実現できる点はCGアニメならではの特徴です。
さらに、光や影の表現にもこだわりが見られ、夜間戦闘や屋内での戦闘など、場面ごとに異なる空気感をリアルに再現しています。
爆発や破壊描写も物理的な質感が強調されており、視覚的な迫力を増しています。
視聴者の中には、「最初はCGに違和感があったが、後半になるにつれてその臨場感と演出力に引き込まれた」「アクションアニメとしての完成度は非常に高い」といった肯定的な評価も増えており、従来のアニメの表現手法に対する新しいアプローチとして評価する声も出ています。
もちろん、CGには慣れが必要という面もありますが、3Dアニメーションの可能性と映像表現の進化を実感できる作品の一つとして、『亜人』は一定の評価に値するアプローチを取っていると言えるでしょう。
総括:ポイント
- アニメ『亜人』は、原作の流れを踏まえつつもオリジナルの展開や結末を採用したことで、原作ファンからの賛否が大きく分かれる結果となった。
- キャラクターの心理描写や成長描写が薄く、テンポの早さにより物語に深く没入できないという視聴者も多く存在する。
- それでも、佐藤という稀代のヴィランの存在感や、人間と亜人の葛藤を描いた深いテーマ性、演技・音響などのクオリティの高さは高い評価を受けている。
- フルCGアニメという挑戦的な演出は慣れを要するが、戦闘シーンや特殊演出においては映像的迫力と臨場感をもたらし、新たなアニメ表現の可能性を感じさせる要素として一部に支持されている。
- 原作とアニメの両方に触れることで、それぞれの魅力や視点の違いを楽しむことができ、より多角的に『亜人』という作品を味わうことが可能となる。
- また、現代社会への批評性や、視聴者の価値観を問い直すようなテーマ性は、アニメ版独自の演出を通じて際立っており、単なる娯楽作品を超えた見応えを提供している。
『亜人』のアニメは確かにクセがあり、視聴者によって好みが分かれるタイプの作品ではありますが、それだけに強烈な印象を残すポテンシャルを秘めています。
アクション、サスペンス、社会的テーマが交差する本作は、単なる娯楽以上の価値を持ち、見る人に問いを投げかける作品として、自分自身の目で体験してみる価値があるでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

アニメ・映画が大好きで毎日色んな作品を見ています。その中で自分が良い!と思った作品を多くの人に見てもらいたいです。そのために、その作品のどこが面白いのか、レビューや考察などの記事を書いています。
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