「諸行無常」という言葉、一度は耳にしたことがあると思います。
そして、なんとなく意味を知っている方が多いんじゃないかと。
しかし、「意味を知っている」のと「わかっている」では大きな違いがあります。
今回は今を生きる全ての人たちに「わかってほしい」
「諸行無常」の考え方をお教えします。
この記事は「非完璧主義の三要素」というシリーズの3つ目に当たります。
前回、前々回の記事を読んでない方は、そちらを先に読まれることをお勧めいたします。
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「非完璧主義」の三要素
私が考える「非完璧主義」には次の3つの要素があります。
①脱・完璧主義
②脱・比較主義
③諸行無常
この三要素を理解し、是非自分の人生に活かしてみてください!
今回の記事では③の諸行無常についてまとめます。
「諸行無常」とは
意味はgoo辞書によると以下のようなものになります。
「諸行」は簡単にいうと「この世に存在する全てのも」です。
「無常」は「永遠に変わらないものなどない」という意味です。
つまり、
「この世に存在する全てのもは変わりゆく」という言葉でございます。
おそらく私も含めて皆さんは、小中学校の国語の授業でこの言葉を耳にしたのではないでしょうか。
「平家物語」という鎌倉時代に書かれたとされる軍記物語として習ったはずです。
平家の人々が当時の世を支配し、そして滅亡するまでが描かれます。
この物語では、平家の人々は自分たちの支配や栄華がずっと続くと思っていた。
が、そうではなかったということが強調して描かれます。
※『平家物語』に関しては、昔の読み物なのでなかなか読みにくいかと思います。
実際私も原作を読んだことはありません。
しかし、『けいおん!』『響けユーフォニアム』などの監督作で知られる山田尚子の作品として
アニメ版『平家物語』があります。本当に面白い作品ですので、見てない方は見てみてください。
「万物は流転する」とは
別の角度から「諸行無常」を捉えてみたいと思います。
「万物流転」という言葉は聞いたことがありますでしょうか?
この世にあるすべてのものは、絶え間なく変化してとどまることがないということ。
古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの言葉です。
意味は「諸行無常」と同じです。
この言葉を紹介したのは、こっちの言葉の方が物理的に捉えやすいと思ったからです。
私たちが生きている物理空間、
実は「静止している場所が存在しない」ということはご存知でしょうか。
いや、そんなはずはないと思った方。
では、あなたの自宅にある家具や日用品、使っていない時は止まっていますか?
確かに、私たちのいる低い次元(物を捉えるときのスケール)で捉えると止まっているように見えるかもしれません。
しかし、地球規模の高い次元で考えてみると、
そもそも地球は自転と公転をしていますから、
この地球上に動いていない場所はないと言えます。
では、公転の中心は太陽ですから、太陽の中心は止まっているのではないか?
いえ、太陽を含む太陽系も、天の川銀河の円周を回っています。
逆にスケールを下げていっても、物は動き続けています。
私たちの観測できるこの世の最小単位は「素粒子」です。
素粒子には色々種類がありますが、常に振動しています。
よって、素粒子の集合物である原子も常に振動していますし、
原子の集合物であるこの世の万物は常に動いていると言えるのです。
こういう話大好きなので、つい長く書き過ぎてしまいました。申し訳ありません。
ですが、皆さんには「万物は流転する」ということをわかってもらいたかったんです。
情報空間でも「諸行無常」
物理空間では、万物は流転することがわかってもらえたかと思いますが、情報空間では変わらないものがあるのではないか、と思われるかもしれません。
これはその人の考え方によると思います。
例えば、
数学の公理、定理、原理など、
変わってもらったら困りますよね。
このようなこの世の仕組み的なものは例外として考えていただけるのが一番かと思います。
もちろん、100%変わらないかはわからないですけどね笑
神的な存在がこの世のレギュレーションを書き換えるかもしれんし笑
そんなことは証明のしようがないので、議論することもないと思いますが。
とはいえ、このような例外は皆さんにとって役に立たないものだと思います。
私がいう「情報空間」とは、皆さんの頭の中です。
例えば、
皆さんが持っている社会的な地位といういうのは、皆さんの頭の中にしかないですよね。
物理空間に、「東大卒」という物は存在しない。(卒業証などはあるかもしれんけど)
「東大卒」は私たちの頭の中に存在している=情報空間に存在しているのです。
だけれども、ずっとそれが同じ価値で存在し続けることはないんです。
時が経つにつれて、人々の価値観の変化、環境の変化が起きます。
また、その人がいる現状や場面にもよると思います。
「東大卒」の価値は、新卒採用の時には役に立つかもしれません。
しかし、会社に入った後は?「東大卒」ということは何の役に立つのでしょう。
同期社員に学歴マウントを取るくらいしか思いつきません。
もちろん東大で学んだことに意味がないと言っているのではなく、「東大卒」という肩書き、地位は新卒採用とか、転職の時にしか役に立たないと私は思います。もちろん、他にも役立つことはあるかもしれませんが。
つまり、感情、地位、主義、思考などの皆さん頭の中=情報空間にあるものも物理空間同様に変わりゆくということです。
そもそも、物理空間と情報空間は切っても切り離せないものです。
私たちの考えというものは物理空間で得た刺激により形成されるので。
「諸行無常の考えを身につける」とは
ここまで回りくどく「諸行無常」について説明してきたのは
この考え方を持っている方が気が楽になるからです。
「すべてのものは変わりゆき、永遠に変わらないものなどない」ということは、
私たちが今どんな現状にいようとも、必ず時が経てば変化するのです。
ただし、良く変化するのか、悪く変化するのかは自分次第。
ただ変化は必ずするのです。
例えば、
自分が何かの大会で優勝したとして、
その瞬間が永遠に続く訳ではない。
「優勝した」という記録は残るかもしれませんが、
優勝した時の感情、臨場感、五感から入ってくる刺激は、
その瞬間だけに体験ができるものです。
つまり、自分が完璧だと、思う自分になれた瞬間があったとして、
その瞬間は永遠には続かない。
常に次があり続けるのです。
それが成長であり、進化だと思います。
今が永遠に続くと思い込んでいる平家の人々は、
物語で語られるように、滅ぼされました。
どんな時代も、どんな人もいつかは滅びる運命にあります。
滅びるから意味がないということではありません。
そこに注目するのは、本当に「滅び」が目の前に現れた時でいいと私は思います。
それよりも、「常に次があり続ける」のだから、
次がより良くなるように「今」行動する。
というのがベストだと私は思います。
辛い現実が続いていたとしても、変わることができると信じて行動するしかないのです。
諸行無常のまとめ
- 諸行無常は「この世に存在する全てのもは変わりゆく」という意味
- 物理空間・情報空間に関わらず全てのものは変わりゆく
- 「良い」「悪い」に関わらず、現状はいつか変わると思っていた方が良い
- 「諸行無常」の考え方を身につけると「成長思考」になれる
「諸行無常」「万物流転」は先人たちが残してくれた、確かなこの世界の真理です。
使わない手はないと思います。
ここで、「変わらないものもある」とおっしゃる方がいらっしゃるかもしれませんが、
そんなことはどうでもいいんです。
これはあくまで気を楽にする考え方、成長を促す考え方であって、これに反例があるなしの議論に価値はないのです。
この考え方が納得できない方は使わなければいいだけの話。
納得できる部分が一箇所でもあれば私は嬉しく思います。
非完璧主義の総括
私が考える「非完璧主義」の三要素。
①脱・完璧主義
②脱・比較主義
③諸行無常
それぞれ全く特性が違うものでしたがいかがでしたか。
私もこの考えに行き着いたのはつい最近のことなので、考え方としての不備が見受けられるかもしれません。
その時は遠慮なくご指摘くださいませ。
しかし、この考え方をするようになってから、自己成長をする機会が増え、自己嫌悪に陥る機会が減ったのは、私の体験を根拠にすれば事実です。
やはり、一つでも皆さんの心に刺さることを言えたならば、満足でございます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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