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【いぬやしきのアニメはひどい?】酷評の理由と“実は刺さる”魅力を解説

アニメ・漫画

検索欄に「いぬやしきアニメひどい」と打ち込んだあなたへ。

確かに、人によっては“キツい”“肌に合わない”と感じる要素があるのは事実です。

でもそれだけで切り捨てるには惜しい、胸に刺さる見どころもたくさん。

この記事では、酷評されがちなポイントと、視点を変えると見えてくる魅力を解説します。

配信状況やレビュー指標もまとめたので、視聴前の判断材料にもどうぞ。

アニメ『いぬやしき』の基本情報

まずはアニメ『いぬやしき』についての基本情報からおさえておきましょう。

どんな作品なのか、物語の流れや登場人物、さらに今どこで見られるのかを整理してお伝えします。

作品概要

『いぬやしき』は、奥浩哉による漫画を原作としたテレビアニメで、2017年10月から12月までフジテレビ系列「ノイタミナ」枠で放送されました。

全11話という短めのシリーズながら、その衝撃的な内容で大きな話題を呼びました。

アニメーション制作は『呪術廻戦』などでも知られるMAPPAが担当し、映像美と緊張感ある演出に定評があります。

映像表現はシリアスなシーンでは重厚感を増すライティングが用いられ、またバトルシーンではCGを組み合わせた立体的な演出が取り入れられるなど、挑戦的な表現方法が作品の世界観を支えています。

放送当時はAmazonプライムビデオで国内外同時配信され、海外でも大きな注目を浴びました。

原作漫画は2014年から2017年まで『イブニング』で連載され、全85話で単行本は全10巻にまとめられています。紙の単行本だけでなく電子書籍としても幅広く流通し、累計発行部数は300万部を超える人気を記録しました。さらに第9巻には特装版が発売され、少年誌に掲載された出張読み切りがフルカラーで収録されるなど、ファンにとっても特別感のある展開が用意されています。

アニメ版は原作の結末までを一気に描き切る構成になっており、短いながらも濃密なストーリーテリングで原作ファンからも高く評価されました。

あらすじ

物語は、58歳の冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎から始まります。彼は家庭でも会社でも存在感が薄く、妻や子どもからも冷めた視線を向けられ、孤独を抱えながら日々を過ごしていました。そんな彼に追い打ちをかけるように医者から余命3か月の胃ガンを宣告され、希望を完全に失います。その夜、唯一の心の支えである飼い犬ハナを散歩させていると、偶然同じ場所にいた高校生の獅子神皓と共に謎の爆発事故に巻き込まれ、二人は一瞬にして命を落としてしまいます。実はそれは宇宙人による事故であり、彼らは証拠隠滅のために犬屋敷と獅子神の身体を最新鋭の機械に作り替えてしまうのです。こうして犬屋敷は常人には想像できないほどの強大な力と兵器のような身体を手に入れます。

犬屋敷は最初こそ戸惑いますが、重病人を治療したり、火事に巻き込まれた人々を救い出すなど、人助けにその力を使うことで生きる喜びを取り戻していきます。彼の行動は地味ながらも確実に命を救い、次第に「ヒーロー」としての自覚が芽生えていきます。一方、同じく機械の身体となった獅子神は全く逆の道を歩みます。家庭内に押し入り一家を惨殺するなど無差別殺人を繰り返し、恐怖によって自分の存在を確認しようとするのです。ニュースやSNSで彼の犯行が広まると社会は大混乱に陥り、人々は怯え、怒り、議論を交わすようになります。人を救おうとする男と、人を殺すことで生を実感しようとする少年。この二人の鮮烈な対比が物語の大きな軸となり、やがて地球の運命を左右する壮絶な戦いへと発展していくのです。

登場人物と声優

アニメ版では豪華なキャスト陣が登場人物に命を吹き込んでいます。

キャラクター声優特徴
犬屋敷 壱郎小日向文世主人公。機械の身体となった58歳のサラリーマン
獅子神 皓村上虹郎高校生。犬屋敷と同じく機械の身体となり、殺人を繰り返す
安堂 直行本郷奏多獅子神の幼馴染。やがて犬屋敷の協力者となる
渡辺 しおん諸星すみれ獅子神をかくまい、彼を人間らしくしようとする少女
犬屋敷 万理江西宏子犬屋敷の妻。当初は冷めた態度だが、真実を知り受け入れる

配信状況(2025年最新)

『いぬやしき』は現在、以下の動画配信サービスで視聴可能です。

配信サービス月額料金(税込)無料トライアル見放題/レンタル
U-NEXT2,189円31日間見放題
DMM TV550円30日間見放題
ABEMAプレミアム960円14日間見放題
dアニメストア550円31日間見放題
Hulu1,026円なし見放題
Netflix790円〜1,980円なし見放題
Rakuten TV無料登録可なしレンタル配信
TSUTAYA DISCAS2,052円〜30日間レンタル(DVD宅配)

※料金は2025年時点の参考価格です。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

レビューサイトでの評価

IMDbでは7.6/10と比較的高評価を獲得しており、海外の視聴者からは「シリアスで考えさせられるテーマが良い」「老人がヒーローになる展開が新鮮だ」といった声が目立ちます。

国内レビューでは「胸糞だけど考えさせられる」「泣けるヒーロー物」「倫理観を突きつけられる作品」といった感想が多く見られ、視聴者の心を大きく揺さぶっています。

中には映像表現や演出の独自性を評価する声もあり、一方で残虐なシーンや駆け足気味の展開に戸惑う人もいます。

人を選ぶ内容であるのは確かですが、強く刺さる人には心から忘れられない作品となり、議論を呼び続ける稀有なアニメとして位置づけられています。

アニメ『いぬやしき』がひどいと言われる理由

ここからは「ひどい」と言われる理由を具体的に見ていきます。

ネット上でも賛否が大きく分かれる要因は、この作品ならではの描写や構成にあります。

ひどい理由① 無差別殺人や胸糞展開への耐性が必要

獅子神が行う無差別殺人は、ときに一家団欒のリビングに突然現れ、何の脈絡もなく銃撃を浴びせるなど、視聴者の心を鋭くえぐるような場面が繰り返し描かれます。

家族が食卓を囲んでいる最中に惨劇が始まるなど、日常が一瞬にして崩れ去る演出がより強烈な衝撃を与えます。

さらに老人や子供といった弱い立場の人々を容赦なく殺していくシーンも多く含まれており、「見ていてつらい」「直視できない」と感じる人が多いのも無理はありません。

こうした胸糞展開は、単なる残酷描写としてではなく、獅子神の歪んだ存在意義の確認行為として描かれているため、倫理観を強く揺さぶられ、視聴者の中には長く心に残るトラウマ的な印象を受ける人も少なくないのです。

ひどい理由② CGや作画の“揺れ”に不満の声

MAPPA制作による高品質な作画も随所に見られ、人物の表情やドラマパートの演出は丁寧に仕上げられています。

しかし一部ではCG描写が浮いて見えるとの声が少なくありません。

特に飛行シーンや兵器ユニット展開時の映像は迫力がある反面、セル画調の質感から急にリアルな3DCGに切り替わることでトーンが変わり、違和感を覚える視聴者もいました。

機械の装甲や爆撃エフェクトは緻密である一方、人間のキャラクターと組み合わさると境界が際立ち、没入感を妨げると感じる人もいます。

演出意図としては立体感やスピード感を強調するためのものですが、アニメ全体の統一感を重視する層にとっては不自然さが残ってしまったのです。

こうした映像の“揺れ”は、力を入れたからこそ際立つ部分でもあり、評価が分かれる要因のひとつとなっています。

ひどい理由③ 全11話ゆえの駆け足感

原作は全10巻とボリュームがあり、一つ一つのエピソードや人物の心理描写が丁寧に積み重ねられています。

これに対しアニメはわずか11話で物語全体を完結させているため、「展開が早すぎる」「感情の積み重ねが薄い」と感じる人が少なくありません。

例えば犬屋敷が家族との距離を少しずつ縮めていく過程や、獅子神がしおんや安堂と関わることで揺れる心情といった部分が、漫画ではページを割いてじっくり描かれているのに比べて、アニメでは急ぎ足で処理されてしまう印象を持つ人も多いのです。

その結果、せっかくの感動的な場面や重厚な人間ドラマが十分に伝わりきらず、淡白に感じられるという意見につながっています。

もっと時間をかけて描けば名作としてさらに評価されたのではないか、という声が出るのも納得できるでしょう。

ひどい理由④ 倫理観の線引きが視聴者を分ける

犬屋敷は人助けを通して「生きる意味」を少しずつ見出していきます。

重病人を治したり、災害現場で人々を救う姿には温かさがあり、その行動は視聴者に安心感と感動を与えます。

一方、獅子神は逆に人を殺すことでしか自分が生きていることを確かめられず、無差別に命を奪うことで存在を実感していきます。

こうした二人の行動の差は極端でありながらも強烈な対比を生み出し、物語の最大の魅力のひとつになっています。しかし同時に、この構図は視聴者の倫理観を大きく揺さぶります。

善悪が明確に描かれているのに、獅子神の心情を知ることで単純に「悪」とは切り捨てられない複雑さも生まれ、「気持ち悪い」「受け入れがたい」と感じる人も一定数存在します。

だからこそ、この作品はただの勧善懲悪物語ではなく、視聴者に考える余白を残す問題作として評価されているのです。

アニメ『いぬやしき』の魅力を徹底解説

「ひどい」と言われる一方で、この作品には確かな魅力も存在します。

むしろその尖った部分があるからこそ、強烈に印象に残るのです。

魅力① 58歳主人公という新鮮なヒーロー像

アニメの主人公といえば若者が定番ですが、『いぬやしき』の主人公は冴えない中年サラリーマンの犬屋敷壱郎です。

白髪で皺だらけ、まるでおじいちゃんのような見た目をしており、周囲からも冴えない人物として扱われています。しかし、そんな彼が機械の身体となり、人助けをする姿には誰もが胸を打たれます。

孫のような少年を必死で守る場面では、自分の無力さを克服しようとする人間味があふれ、視聴者の心を強く揺さぶります。

さらに病人を治すシーンでは、命の尊さや誰かのために力を使うことの美しさが描かれ、涙なしには見られません。

単なるアクションヒーローではなく、年齢を重ねたからこその優しさや不器用さがにじみ出ている点が、この作品ならではの新鮮な魅力を生み出しているのです。

魅力② 犬屋敷と獅子神の対比構造が生むドラマ性

同じ機械の身体を持つ二人が「救う」か「壊す」かという正反対の選択をする。

この明確な対比は物語を一層深くし、視聴者に強烈な印象を残します。

特に新宿で繰り広げられる戦いは、正義と悪の象徴的な激突として迫力満点で、建物が破壊され、人々が逃げ惑う中で二人の信念がぶつかり合うシーンは圧巻です。

犬屋敷の「誰かを守る」という想いと、獅子神の「生きている実感を得たい」という欲望が交錯する瞬間は、単なるアクションの枠を超え、人間の存在意義を問いかける哲学的な深みすら感じさせます。

この構図によって、物語は単なる勧善懲悪の物語ではなく、見る者の価値観を揺さぶる重厚なドラマとして成立しているのです。

魅力③ MAPPA制作による演出と音楽の相乗効果

絶望的な状況から救い出す瞬間の演出や、心臓をえぐるような銃撃シーンに流れる音楽が、視聴者の感情を強烈に揺さぶり、場面ごとの衝撃をさらに増幅させています。

特に戦闘シーンでの緊張感を高めるBGMや、静かな人間ドラマに寄り添うように流れる旋律は、映像と一体化することで深い余韻を残します。

オープニングテーマ「My Hero」は疾走感のあるロックサウンドで、犬屋敷がヒーローとして立ち上がる姿を象徴的に表現しています。

エンディングの「愛を教えてくれた君へ」は切なくも温かいメロディーで、作品の持つ人間愛や儚さと見事にリンクし、視聴後に心に残る余韻を強く刻み込みます。

音楽と映像のシナジーは『いぬやしき』を単なるアクションアニメではなく、感情に訴えかけるドラマとして格上げしているのです。

魅力④ 一気見向きのテンポ感と議論を呼ぶ余韻

全11話という短さは物語を急がせる駆け足感につながる一方で、休日に一気に視聴するにはちょうど良い長さでもあり、テンポの良さを楽しむことができます。

コンパクトにまとめられた構成は中だるみがなく、物語の緊張感を最後まで持続させる効果を生み出しています。

また視聴後には「正義とは何か」「人を救うことの意味」「命を奪う行為に正義は存在するのか」といった議論が自然と生まれ、SNSやレビューサイトでも熱い意見交換が繰り広げられています。

さらに犬屋敷や獅子神の選択をどう捉えるかによっても解釈が分かれ、誰かと語り合いたくなる余韻を残すのも、この作品ならではの大きな特徴と言えるでしょう。

まとめ:尖った要素はあるが“ひどい”以上に心に残る名作

アニメ『いぬやしき』は、「ひどい」と言われる理由も確かに存在します。残酷で容赦ない描写や、CG表現への賛否、そして短い話数ゆえに駆け足に感じられる展開。これらは視聴者の好みや受け取り方によっては強いマイナス要素にもなります。しかし同時に、そうした荒々しさや挑戦的な演出こそが、この作品を唯一無二の存在へと押し上げているのも事実です。無防備な日常が一瞬にして壊されるショック描写や、正義と悪がぶつかり合う迫力ある対比は、他のアニメでは味わえない体験をもたらします。

58歳の冴えないサラリーマンが突如としてヒーローとなる新鮮さ、そして犬屋敷と獅子神という二人の存在が織りなすドラマ性は、ただの勧善懲悪では終わらない奥深さを備えています。さらに人を救うことの尊さや、命の意味を静かに問いかけてくる物語の核心は、人によってはトラウマ級に刺さる展開である一方、それ以上に心を強く揺さぶる普遍的なメッセージを抱えています。

「ひどい」という評判だけで敬遠してしまうのは、あまりにも惜しい作品です。衝撃や苦しさを超えて、その裏にある人間賛歌を感じ取れるなら、必ず深い余韻が残るはずです。ぜひ一度、自分の目で確かめ、このアニメが放つ強烈な体験を味わってみてください。

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