アニメ『ギヴン』はひどい？辛口評価の理由と実は楽しめる魅力を徹底解説

「ギヴンはひどい」という声をネットやSNSで見かけて気になっていませんか？

この記事では、アニメ『ギヴン』をまだ見ていない人が「ひどいって本当？」と知りたい気持ちに答えつつ、視聴済みの方が「そうそう」と共感できるポイントもまとめています。

結論から言えば、確かに人によって合わない部分はあるものの、音楽と恋愛が絡み合う青春群像劇として非常に完成度の高い作品です。

アニメ『ギヴン』の基本情報【まずは作品をおさらい】

まずは『ギヴン』という作品がどんなものなのかをしっかりおさらいしておきましょう。

原作やアニメの放送枠、さらには配信情報まで押さえておくと、視聴前のイメージがつかみやすくなります。

作品概要

『ギヴン』は、漫画家・キヅナツキによるボーイズラブ作品です。

2013年から2023年まで『シェリプラス』（新書館）で連載され、2024年には10周年を記念した番外編も展開されました。

物語は単なる恋愛描写にとどまらず、音楽活動を軸にしながら登場人物の青春や人間関係、そしてトラウマや葛藤といった繊細なテーマをじっくりと描き出しています。

そのため読者や視聴者からは、青春群像劇としての完成度を評価する声も多く寄せられています。

メディア展開としては、2016年からドラマCDが発売され、2019年にテレビアニメ化。

続いて2020年には劇場版アニメが公開され、その後2024年には二部作の劇場版が新たに登場しました。

さらに2021年には動画配信サービス「FOD」で実写ドラマ版も配信され、漫画から派生した作品群が幅広い層に届けられています。

特に2019年のアニメは、フジテレビの深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送され、ノイタミナ史上初のBLアニメとして注目を集めただけでなく、音楽シーンの描写や声優陣の熱演も高く評価されました。

こうした多角的な展開により、『ギヴン』は原作ファンのみならず、アニメや映画、ドラマを通じて新たなファン層を開拓してきたと言えるでしょう。

あらすじ

物語は高校生・上ノ山立夏と佐藤真冬の出会いから始まります。

ギターの腕に自信を持ちながらもどこか燃え尽きていた立夏は、偶然真冬のギターを直したことで彼の天才的な歌声に触れます。

その衝撃からバンドへと誘い、二人の距離は少しずつ近づいていきます。

ギターの弦を張り替えただけの出来事が、やがて二人の人生を大きく変えていくきっかけとなるのです。

一方で、真冬は過去の恋人を自殺で失った痛みを抱えており、音楽を通じてその想いを表現しようと葛藤します。

心の奥底に眠っていた感情をどう形にするか迷い続け、歌詞を書くことにもためらいを感じます。

しかし仲間たちと共に時間を過ごす中で少しずつ自分の気持ちと向き合い、やがて迎える初ライブで、真冬は自分の心をさらけ出すように歌い上げ、観客を圧倒します。

涙を浮かべながら声を震わせる彼の姿は、会場全体の空気を一変させ、観ている人の心に強烈な印象を残しました。

ライブを機に二人の関係は恋愛へと進展し、お互いの存在がかけがえのないものとなっていきます。

物語は立夏と真冬の恋を軸にしながら、大学生組である春樹や秋彦、そして秋彦の元恋人・雨月らを巻き込んだ複雑な人間模様が展開されていきます。

春樹の優しさや秋彦の強がり、雨月の才能と孤独が交錯することで、単なるバンド活動を超えた人間ドラマが形作られていき、読者や視聴者をより深く物語の世界へ引き込んでいきます。

登場人物と声優

アニメでは豪華声優陣がキャラクターたちを演じています。

主要キャラクターを表にまとめると以下の通りです。

キャラクター	声優（TV・映画版）	特徴
佐藤 真冬	矢野奨吾	天才的な歌声を持つボーカル。過去のトラウマを抱える高校生
上ノ山 立夏	内田雄馬	バンドのギタリスト。真冬の才能に惹かれていくもう一人の主人公
中山 春樹	中澤まさとも	バンドリーダーでベーシスト。優しく温和だが恋愛では揺れる大学院生
梶 秋彦	江口拓也	ドラム担当。恋愛経験豊富で大人びた雰囲気を持つ大学生
村田 雨月	浅沼晋太郎	世界的なヴァイオリニスト。秋彦の元恋人で複雑な関係を持つ

配信状況

現在『ギヴン』は以下のサービスで視聴可能です。

サービス	配信形態
Amazon Prime Video	定額見放題
dアニメストア	定額見放題
Hulu	定額見放題
Rakuten TV	レンタル配信
TSUTAYA DISCAS	DVDレンタル

※詳しい配信情報については公式サイトをご確認ください。

レビューサイトでの評価

Filmarksやアニメ専門レビューサイトでは、平均して3.7〜4.0程度の高評価を得ています。

ただし「テンポが遅い」「BL要素が合わなかった」という声も一定数あり、評価は二極化する傾向があります。

SNSでは「音楽のシーンで泣いた」「恋愛描写に心を動かされた」というポジティブな感想が多く見られます。

アニメ『ギヴン』がひどい理由【視聴者のネガティブ意見】

ここでは「ひどい」と感じた視聴者の意見を整理します。

必ずしも全員に当てはまるわけではありませんが、事前に知っておくことで視聴時の期待値を調整できます。

ひどい理由①　BL要素が苦手だと受け入れづらい

『ギヴン』はBL作品であるため、どうしても男性同士の恋愛がメインになります。

BLに抵抗がある人にとっては、その時点で視聴が難しいと感じることもあるでしょう。

特に映画版では恋愛描写が濃くなるため、苦手意識を持つ人の声が目立ちます。

また、テレビシリーズでも主人公同士の感情の揺れや恋心が描かれるため、恋愛要素に敏感な人には「思っていたよりBL色が強かった」と受け止められることがあります。

例えば、ライブ後に立夏と真冬が互いの想いを認め合うシーンは感動的である一方、恋愛を全面に押し出した場面でもあり、ここで作品から離脱してしまう視聴者もいるのです。

加えて、BLに馴染みのない層にとってはキャラクター同士の仕草や台詞が過剰に甘く感じられたり、現実感が薄く思えたりすることもあり、そうした印象が「ひどい」という感想につながるケースも少なくありません。

ひどい理由②　テンポがゆっくりで退屈に感じる人も

アニメ『ギヴン』はキャラクターの心情を丁寧に描くため、物語の進行がゆっくりです。

日常シーンや心の葛藤に多くの尺を割いているため、「もっと音楽活動をメインに見たかった」という声もあります。

特に序盤では立夏と真冬の関係が少しずつ変化していく過程に焦点が当てられているため、派手な展開や盛り上がりを求める人には退屈に感じられることがあるのです。

また、音楽アニメという期待を持って見始めた人にとっては、ライブシーンまでに時間がかかる点や、楽曲披露の場面が少ないと感じることもあります。

そのため「もっとテンポよく進んでほしかった」「演奏シーンを中心にしてほしかった」という不満が視聴者の間で語られることがあり、テンポのゆるやかさが好みを分ける大きな要因となっています。

ひどい理由③　キャラの自己陶酔やメンヘラっぽさが不快

特に真冬や雨月の描写について「自己陶酔している」「メンヘラっぽい」と感じる人もいます。

実際に作中では、真冬が過去のトラウマに苦しみ、周囲を突き放す場面もあり、そこに不快感を覚えた人の意見も散見されます。

さらに雨月は天才ヴァイオリニストとしての才能を持ちながらも、自分の孤独や不安定さを秋彦にぶつけ続けるため、その言動に苛立ちを覚える視聴者もいました。

真冬の閉じこもりがちな態度や雨月の気まぐれな振る舞いはリアルに人間らしい一面として描かれているのですが、視聴者によっては「暗く重すぎる」「感情の押し付けに見える」と感じてしまうのです。

こうしたキャラクターの弱さや不安定さは作品のテーマに深く関わる要素ですが、受け取り方によっては過剰な自己陶酔として映り、共感よりも拒絶感を呼び起こす要因となっています。

ひどい理由④　映画版は恋愛描写が濃くて苦手な人は離脱

テレビシリーズは比較的ライトな描写でしたが、劇場版では男同士の恋愛模様が深掘りされます。

抱擁やキスシーンだけでなく、濃厚な関係性に踏み込むため、ここで「やっぱり無理」と感じた視聴者も一定数います。

特に劇場版では、キャラクター同士が心の奥底まで触れ合う場面が増え、ベッドシーンを連想させるような描写や、心理的に濃密なやり取りが繰り返されます。

恋愛のリアルさを追求した結果とも言えますが、BLを普段見慣れていない人にとっては強い抵抗感を覚える場面でもありました。

中には「テレビ版は大丈夫だったけど映画は重すぎて途中で離脱した」という声や、「音楽の物語を期待していたのに恋愛一色になった」と不満を抱く人もいました。

このように劇場版での恋愛描写の濃さは、ファンにとっては感情移入できる要素である一方、苦手な人にとっては大きな壁となってしまうのです。

アニメ『ギヴン』の魅力【むしろ高評価の声も多数】

一方で、『ギヴン』には多くの魅力があり、高評価する声も数多くあります。

特に音楽や青春ドラマとしての完成度は、多くのファンを惹きつけています。

魅力①　音楽×青春ドラマの熱量

『ギヴン』の大きな魅力は、音楽と青春の熱量です。

真冬が初めて自分の気持ちを込めて歌ったライブシーンは、アニメを象徴する名場面。

即興で歌う「冬のはなし」に涙した視聴者も多く、この瞬間に心をつかまれたという声が目立ちます。

そのシーンでは会場の照明や観客の息遣いまで丁寧に描かれ、アニメを観ているだけなのにまるで自分もライブ会場にいるかのような臨場感を味わうことができます。

さらに、音楽そのものがキャラクターたちの心情を代弁するかのように響き渡り、言葉では表現しきれない感情を補っています。

特に真冬が声を震わせながらも歌い切る場面は、彼が抱えてきた過去の痛みや孤独を解放する瞬間であり、その姿に多くの人が胸を打たれました。

音楽を媒介にして青春の喜びや苦しみが爆発する瞬間は、『ギヴン』という作品の核とも言えるものであり、ただの恋愛アニメではなく、音楽ドラマとしての厚みを感じさせる大きなポイントとなっています。

魅力②　キャラの心情表現がリアルで切ない

立夏が真冬への想いに戸惑いながらも惹かれていく過程や、春樹が秋彦への想いに揺れる姿は、誰もが経験したことのある「叶わない恋」や「すれ違い」の苦しさを思い起こさせます。

リアルで等身大な心理描写に共感する人は多いのです。

特に立夏が真冬の歌声に心を奪われつつも、自分の気持ちをどう整理すればいいのか悩む姿は、視聴者自身の青春の記憶を重ね合わせるきっかけになります。

また、春樹が秋彦を想いながらもその気持ちを表に出せず、時に優しさで誤魔化してしまうシーンには、切なさと同時に「もし自分ならどうするだろう」と考えさせられる深みがあります。

さらに、雨月との関係に揺れる秋彦の内面も描かれており、人を好きになることの複雑さや、心を抑えきれない苦しみがじわじわと伝わってきます。

こうした描写があるからこそ、視聴者は登場人物の心の痛みや喜びに共感し、作品の世界に没頭してしまうのです。

魅力③　BL初心者でも入りやすいライトな描写（TVシリーズ）

テレビシリーズはBL初心者でも見やすい構成になっています。恋愛要素はあるものの、あくまで音楽活動と青春ドラマに重きを置いており、BLに抵抗がある人も「意外と見られた」という感想を残しています。

また、描写の多くは淡い恋心や互いの気持ちの変化を中心にしているため、過激なシーンはほとんどありません。

例えば、立夏が真冬の歌声に心を動かされるシーンや、互いに少しずつ距離を縮めていく過程は、青春物語としても共感しやすく、恋愛に苦手意識がある人でも安心して見られる工夫がされています。

さらに、音楽活動を通じてキャラクターたちが成長していく姿が描かれるので、恋愛だけに偏らないバランス感があり、視聴者にとっては自然に物語へ没入できるのです。

このようにテレビシリーズは、BL初心者が入り口として手に取りやすい作品構成になっていると言えるでしょう。

魅力④　セリフやシーンが胸に刺さる名シーン多数

「今行かないで」という立夏の必死の表情や、「触ってもいいですか？」という印象的な告白シーンなど、心に刺さるセリフが数多くあります。

視聴後には思わずSNSでシェアしたくなるような、強い余韻を残すのも本作の特徴です。

また、春樹が秋彦への想いを押し殺して笑顔を見せる場面や、真冬がライブで過去の痛みを吐き出すように歌い上げる瞬間も、多くの視聴者にとって忘れられない名場面となっています。

こうしたシーンは単なる恋愛描写にとどまらず、人間の弱さや切なさ、そして誰かを大切に想う気持ちをストレートに描いているため、胸を強く打つのです。

さらにセリフの一つひとつが詩的でありながらリアルで、普段言葉にできない感情を代弁してくれるような力を持っています。

そのため視聴者は心を揺さぶられ、自分自身の経験と重ね合わせて感情移入しやすくなるのです。

まとめ【ひどいと思うかは人それぞれ】

アニメ『ギヴン』は「ひどい」という意見も確かにありますが、それは作品の特徴でもあるBL要素や、丁寧すぎる描写に起因することが多いです。

一方で、その要素こそが『ギヴン』の魅力と感じるファンも多く存在します。

作品の進行のゆるやかさや心理描写の多さは、退屈に感じる人がいる一方で「リアルで胸に響いた」と評価する人も少なくありません。

もし「BLが苦手だけど気になる」という人は、まずテレビシリーズから入るのがおすすめです。

音楽アニメとして楽しめるだけでなく、キャラクターの心情に共感し、気づけば涙してしまうかもしれません。

劇場版ではより恋愛要素が濃くなりますが、その分キャラクターの本音や弱さが深掘りされ、より強く心を揺さぶられる人もいます。

結局のところ、『ギヴン』は好みが分かれる作品です。

しかしその分、自分の心に刺さるシーンと出会えたときの感動は大きく、間違いなく多くの人の心を動かす力を持ったアニメだと言えるでしょう。

音楽を愛する人、青春ドラマが好きな人、そして人間関係の複雑さを味わいたい人にとって、『ギヴン』は見逃せない一本となるはずです。